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相談

今回は魔物との戦闘はありません。

1040年100日目

俺達は遠征を終え、王都で疲れを癒していた。とは言え、俺は他と違って少し休めばすぐに全快する。騎士団本部で予言書を読んでいると、団員の1人がやって来た。

「団長...騎士のリベルです。お時間よろしいでしょうか?」

「あぁ。別に構わないが。」

今この部屋には俺と彼の2人きりだ。俺はもしもの要件も考慮して、話を聞いた。

「実は...コーダの事で相談に来たんです。」

コーダとは騎士団にいる冒険者の事だ。俺はもしもの要件でなくてホッとした。

「あいつ、何か最近元気無くて...やはり、戦闘で活躍していないからなのでしょうか?」

「リベル...俺は戦う魔物に対して、常に最善の編成を組んでいる。確かにトドメを刺しているのは、俺やエイド、ヤエが多いけど...だからと言って、戦闘で活躍していないとは思っていない。だから安心しろ。」

「私も団長と同じ事を言ってるのですが、それでも立ち直れなくて...」

「ん〜じゃあ...共通の趣味とか無いか?」

「えっ!?」

「たわいもない話をするだけでも、コーダの気持ちは少しは楽になると思うんだ。なんなら、俺の悪口でも言い合ったって良いんだぞ。」

「そっそんな事!?」

「はは、冗談さ。けど...本当にそれでも良いんだぞ。俺は...皆にはいつも無理をさせてるからな...陰口を言われたって仕方ないさ。」

「団長...」

その日の夜、リベルとコーダは共に有意義な時間を過ごした。そして翌日、コーダが俺に話し掛けて来た。

「団長...僕、団長の事を誤解してました。これからも頑張りますので、改めてよろしくお願いします。」

コーダは俺に一礼して、部屋を出た。俺は団員の体調だけでなく、精神のケアもしなくてはと思った。


1040年200日目

今度はサムライとヴァルキリーの2人が、俺に相談して来た。

「団長殿...実は、折り入って相談したい事が...」

「結婚の事かい?」

2人は驚き、顔を赤くした。最近の戦闘でこの2人をよく編成に組んだせいか、距離が近づいていったらしい。

「俺は団員同士の結婚も、出産も許可している。確かに...予言の年まであと3年だが、それを理由に2人の幸せを奪いたくない。だから心配するな。」

「団長!」

「感謝致す。団長殿!」

この日、2人はめでたく夫婦となった。


1040年300日目

俺は改めて、予言の魔物が出現する場所を考えた。

"渇望する災いは、漆黒の緑の中、大陸の中

心をうらやましそうに見つめているだろう。

だがやがて耐える事は叶わず、描かれた色

を台無しにしてしまうだろう。

中央の大地は一夜のうちに戦場となり、一

人の兵隊も残さないだろう。"

この内容から、魔物は森に出現する事が分かる。しかし問題はどこの森なのかという事だ。

「漆黒の緑?」

「あぁ。ヤエは王都出身だろ?この言葉に適する場所はないかな?」

「王都出身といっても...私はウォルターで育ったようなものだ。だから王都周辺には詳しくない。」

「そうか...悪かったな。」

「情報収集なら、酒場で聞けば良いだろ?噂話も聞けて、一石二鳥だ。」

「そっそうだな。ありがとうヤエ。」

彼女が四字熟語を言った事には驚いたが、この世界にも諺のような言葉があってもおかしくないな。

「...」

「どうしたヤエ?まだ何かあるのか?」

「スカイ...お前は何故、この世界を守ろうとする?」

「何故って...それは...」

「異世界から来たお前には、この世界がどうなろうと関係ない筈だろう。」

「!?」

「それなのにお前は、この世界を守ろうと必死になっている。何故だ?」

「確かにそうだな。俺も...本音を言えば、すぐにでも元の世界に帰りたいさ。魔物と戦う事も無いし、楽しい事だって沢山ある。この世界は、俺にとっては不便な事だらけさ。」

「...」

「けど...俺は自分の意思でこの世界に来た。最初は憧れで来たようなものだが、今は俺も...この世界に生きる人間として、この世界を守ろうと思ってる。」

「そうか...すまなかったな。変なの事を聞いて。」

「構わないさ。俺はヤエと話が出来ただけでも嬉しいんだ。」

「そうなのか?」

「ヤエは普段、口数少ないしな。」

「悪かったな。」

俺はヤエと別れて、酒場へと向かった。もうすぐあと2年、そろそろ戦力を確立しなければ...

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