続・仲間からの訃報
1039年25日目
予言の年まで残り4年くらいとなり、俺は改めて騎士団の戦力を確認した。
・スカイ 17歳(∞)・エイド28歳(17)・ヤエ24歳(21)・剣闘士1名・巫女1名・聖騎士1名・魔術師2名・騎士1名・魔女1名・ヴァルキリー1名・サムライ1名・冒険者2名。
団員全員は、予言の年までは衰える事は無いが、その次の予言を考えると少し不安なくらいだ。
「団長!大変だぁ!」
突然本部に団員の剣闘士が入って来た。
「どっどうしたんだ!?」
「し...師匠が...師匠がぁ...」
剣闘士は泣きべそになり、手には手紙を握りしめていた。
「まさか!?」
俺は団員から手紙を取ると、予想通り...訃報の内容だった。
差し出し人は彼と同じ工房にいた仲間からだった。そして亡くなった原因は、魔物からミリィを庇った事で生じた怪我だそうだ。
という事は...オルボはギルに襲われたという事になる。いつか王都の住民から聞いた話と、手紙の内容は一致する。
「オルボの死は...残念だったな...」
「俺...師匠に騎士団へ行く事も...伝えられなかったのに...」
「...暫く休みを取るか?お前が立ち直るまで、俺は待つよ。」
「すみません。じゃあ...そうさせてもらいます。」
団員の剣闘士は、肩を落として本部を後にした。
「フィリン...今度はオルボがこの世を去ったよ。ミリィの奴...自分を責めてなきゃいいけど...」
俺は引き出しの中にある手紙に向かって呟いた。引き出しの中には、手紙が2通ある。1つはリーフの訃報で、もう1つはフィリンの訃報だ。差し出し人はケーラからだった。彼女によると、ガルドも例の病にかかったそうだ。フィリンが懸命に尽くすも、先にフィリンが亡くなってしまった。彼の墓はバルトウェイに立てられ、ゴードンの隣だそうだ。そして...エイドが騎士団に来た本当の理由も、この手紙で改めて知った。彼女は最後に、エイドをよろしくとだけ残していた。俺はこの事を本人には黙っておこうと決めた。せめて...エイドが退団する、その時まで...
1039年270日目
剣闘士が休団中だが、魔物は出現を待ってくれない。サムライとヴァルキリーが、剣闘士の代わりに戦闘で大いに役立ってくれた。
「いやぁ。お陰で助かったよ。こんな危ない目に遭ったのは久しぶりだなぁ。」
魔物を倒した後、村の男性が俺達の所へ来た。
「久しぶりというと...数日前にも、魔物が現れたのですか?」
「あぁ。若い衆が肉を付けた矢をたくさん隣の村に放ってくれたんだ。肉の匂いを嗅ぎつけて、魔物が目標を変えてくれた時は、心底ホッとしたさ。」
「そう...ですか...それは...良かった...ですね...。」
「当に知恵の勝利ってやつよ!あんた達みたいに腕は無いけど、頭を使えば良いのさ。」
男性は得意げな表情で、俺達から去って行った。
「クソッタレ!何が知恵の勝利だ!反吐が出るぜ!」
エイドが怒りを露わに、地面を蹴り飛ばした。
「自分達の村が無事なら...それで良いのかよ!」
「確かにな...魔物の標的となってしまった村は、とんだ災難だっただろうな。」
「なら何で、団長もさっきの奴に同調したんすか!?」
「俺達の相手は魔物だ。人間同士で争うなんて事はしたくないんだ。これから先...皆の協力が必要となるのだから。」
「ちっ。あんなの聞いたら、嫌な事思い出しちまったよ。」
「ガルドとケーラに事か?」
「...」
「バルトウェイが平和ならそれで良い...そんな気持ちで、あの2人は自警団を辞めたんじゃないからな。」
「...へへ。慰めはいいよ。スカイ団長もフラン姉ちゃんも優しいな。父さんや母さんの事、絶対悪く言わないからな...。けど...別に気を使わなくて良いんだぜ?」
そう言うとエイドは、他の団員達の方へ向かって行った。
「エイド...いつかきっと、お前にも分かる日が来るさ...。」
1040年35日目
俺の元に再び訃報が届いた。今度の内容は、ガルドの事だった。
差し出し人はフランで、ケーラに代わって手紙を出したそうだ。
"スカイ団長へ。昔、私と父を助けてくれて、ありがとうございます。父が病の為、この世を去りました。私の両親は既に亡くなりましたが、ガルドさんとケーラさんは、両親に代わって私を育ててくれました。私は2人から心からの愛を受けて、今日まで生きる事が出来ました。
そしてエイドの事ですが...この事は内緒でお願いします。あの子は両親の事を誤解して、家を飛び出してしまいました。いつか彼が両親の真意を知る時まで、団長が面倒見てあげて下さい。 フランより"
やはりエイドは家出して、騎士団に入団したのだと知った。
俺がこの世界に来て、遂に40年経った。大災厄まで60年、俺はあと何回...この手紙を受け取る事となるだろうか...。




