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聖炎騎士団のとある遠征にて...

今回の話では、魔物との戦闘場面をカットしました。騎士団の戦いを上手く書けなくて、申し訳ありません。

1038年20日目

この日俺達は、王都から北の方にある村に出没した魔物の討伐へと向かった。村まではかなり距離があり、到着するのに50日もかかってしまった。

出現した魔物は、属性種と呼ばれる種類だった。この世界には火・水・土・風の4つの属性があり、人間の中でも稀に属性を持つ者がいる。エイドは火属性の素質を有しており、風に強く水に弱い。これから先は属性にも気をつけて編成を組まなくてはならないな...

「あら、秀哉じゃない!」

「レダか!?王都に魔物が来た時以来だな。だからえぇ〜と...」

「もう、いつ出会ったかなんて一々覚えてられないわよ。それより、相変わらず魔物相手に大変ね。」

「まぁな。けど...魔物から人々を守った後に、村人達から感謝されると苦じゃないさ。」

「これはまぁ...模範解答並みの返答をするわね。」

「どう思われようと構わないさ。俺は皆の幸せを大事にしたいんだ。」

「...ねぇ秀哉。皆を幸せにしたいって願いもまた...あなたの野望でもあるって事...知ってた?」

いつものレダとは思えない発言に、俺は動揺した。確かに...俺は自身の願いの為に、団員達を酷使しているとしたら、野望或いはエゴとも言われても仕方ないかもしれない。

「所詮人間は...自分の事が大事なんだ。秀哉のような人間は、この世界にはいないんだよ。」

「そんな...寂しい事言うよ。大災厄が来るのに、まだ60年も残ってるってのに...」

「じゃあ...秀哉が私を暖めてくれる?」

「人の心の暖め方なんて...俺には分からないよ。」

「それじゃあ...私が教えてあげる...ベッドの上で...」

「そうか...ん?...え?」

俺は彼女の発言に、嫌な予感を感じた。

「さぁ!寂しさで凍えそうな私を暖めて!熱く、激しく!!」

「くっ...お前なぁ...」

「あはは。この前のお返しよ。でも忘れないでね。私はいつでも待ってるから。勿論ベッドの上でも...」

「俺はまだ未成年だ!!」

レダは大笑いしながら何処かへ行ってしまった。俺は気をとり直して、次の目的地へと向かった。


1037年150日目

この日討伐した魔物は怪鳥種の魔物だった。厄介な点は1体に複数攻撃を仕掛けてくる事だ。今まで複数攻撃をする魔物は、前線を1人にしない限りほぼ均等に攻撃して来る。そして前線全員を攻撃した後からの複数攻撃には苦戦した。前線を3、4人にした場合、魔物は真ん中の2人を狙って来る可能性がやや高い。

「スカイ、今回も魔物の攻撃を多く受けたが...大丈夫か?」

「ありがとうヤエ。今回の魔物には、編成を悩まされたよ。」

「聖騎士を採用したのが、幸いだったな。」

「あぁ。補助力と回復力、そして体力も高いから、何とかなったよ。」

「聖炎騎士団の皆様、魔物から我々をお救い頂きありがとうございます。」

村の村長が、俺達にお礼を言って来た。

「やはり、あの女性の言った言葉は本当だったのか...」

「あの女性?」

「あぁ。随分前に村へやって来て、滅びの予言がどうのと言っておったわ。皆の協力が不可欠だとな。」

「それって!?」

俺は村長の話を聞いて、思わず口角が上がった。

「どうしたスカイ?顔がニヤついているぞ?」

「えっ?そうか?...何でもないさ。」

俺達は村長に別れを告げ、次の目的地へと向かった。


1037年315日目

1回の遠征でこんなに各地を周った事は無かった。けどこれから先、また雪山を強行進軍するくらいの無理をする羽目になるかもしれない...

「団長、他の団員達の中で、遠征の疲れが出ているのが何人かいるよ。」

「分かってる。ここの魔物を討伐したら、王都へ戻る予定だ。皆には無理をさせて、本当にすまない。帰ったらあの店で食事としよう。」

「やったー!俺あの店好きなんすよ。味付けがお袋に似ててさ。」

「エイドならそう思って当然だな。あそこのオーナーの祖父は、バルトウェイの料理が好きだったからな。」

すると、団員の1人が重症を負った村人がいる事を報告した。俺はすぐにその人の元へと向かった。

「どうしたんですか?魔物にやられたのですか?」

「いや...フェルメアの拷問刑さ...」

「拷問!?」

「しかも、入市許可証の日付を間違えただけだぜ?元々規則には厳しい街だったが...最近は刑罰まで酷くなってる。」

たったそれだけの理由で拷問だなんて...。その内ゴミのポイ捨てだけでも懲役刑になりそうだな。

「それは...市長が決めた事なのか?」

「表向きはそうなってる。けど裏じゃ、秘書のラパンが市長を操っているって専らの噂さ。」

「やはりあの男か...」

奴は俺と市長の会話に割り込み、市長に考えさせないようにしていた。アリアも奴は市長のお気に入りというくらいだった。その内フェルメアが奴に支配されないか、とても不安だった。

「ま...こんな事言ったら、すぐさま俺の首が飛ぶけどな。あの街の人間じゃなくて良かったぜ。本当に。」

男はそう言い残すと、俺達から去って行った。

「団長...ツルギは大丈夫でしょうか?」

「今のところは大丈夫だろう。けどその内、フェルメアで騒動が起きるかもな...」

「ツルギが秘書の物になるってんですか!?」

「それは無いだろ。あいつはアリアに忠義を尽くしているからな。何があっても、あいつだけはアリアの味方だろう。」

俺とエイドはフェルメアの事を心配し、王都への帰路についた。

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