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王との謁見、女神と魔女

 俺達は王都に襲撃してきた魔物掃討の功績を認められ、王都リゼルの国王キーリアス12世王との謁見に呼ばれた。

「聖炎騎士団団長スカイ=フィールド。この度は王都を守ってくれてありがとう。国民を代表して、礼を言おう。」

「いえ。俺達だけでなく、王都の人々が力を合わせた結果です。それと俺の名前はスカイ=ウルメイア=フィールドです。」

「褒美をとらせよう...といっても、大したものはないんだがね。」

「ご歓談中、失礼!王都親衛隊隊長ルートス入ります。王様!フェルメアの入市管理長が、書類不所持の王都民を送還してまいりました。」

「フェルメア入市管理長、アリア入ります!」

「あ...」

アリアはフェルメアという街では、結構な重役らしいようだ。

「おぉ...ご苦労だった。そなたに魔物の害は無かったか?」

「えぇ。私の親衛隊は優秀ですから。」

「おぉ、そうか。それは何より...。」

アリアの厳しい一言に、王はたじたじになっていた。

「王様、書類不所持の王都民をフェルメアから送還するのは、今月でもう2度目です。」

「うむ、そなたも忙しいな。」

「...僭越ながら申し上げますが、王都の危機管理がぬるいのは、規則が書類化されていないせいかと思われます。きちんと規則を作っておけば、今日のような不測の事態にも対処出来る筈。」

「うむ、確かに考えておくぞ。

「...では、失礼します。」

アリアは一方的に王を指摘し、一礼して退出した。しかし彼女の言い分には納得出来なかった。今回の事態は規則の書類化ではなく、非常時に置ける行動が遅いからではないだろうか...

「うむ。しっかりした、いい局長だろう?」

「はぁ...そうですね。」

王様の前でノーとは言えないので、俺は渋々イエスと答えた。

「フェルメアも安泰だな。よいよい。して...そなたらへの褒美だが。」

「褒美は入りません。」

「遠慮はいらぬぞ?」

「いえ、本当に!褒美なら、今度何かあった時に王様にも協力して頂きたく事、これでお願いします。」

「そ、そうか。本当にありがとう。スカイ=ウルメイア=フィールド。王都は平和だけが取り柄のような街だ。国民ものんびりしすぎているところがあろう。これらは全て、皆が元気で楽しく暮らせれば良いと放任してきた余の不徳の致すところ...不便な思いをすることもあろうが、何卒この大陸と国民をよろしく頼むよ。」

「分かりました。」


 謁見を終えて、フィリンの案内で城を散策した。

「じゃあ、ルートスはフィリンの息子なのか。」

「あぁ。何かあったらルーを頼りな。僕も今回の戦いで、現役を引退だ。」

「けど驚いたな。あの後よく王都へ戻れたな。」

「あぁ。ゴーン元隊長は帰還中に事故で亡くなってな。騎士団の皆のお蔭で、僕がリゼル騎士団団長になったんだ。」

「そうか、実はリーフが...。」

「ライから聞いたよ。疫病に罹ったんだってな。王都から離れた村でも、そんな噂を聞いたよ。」

「これも予言と関係あるかは、まだ分からないけどな。」

「そうか。それにしても、エイドがあの2人の子供だったとは...。」

「俺も驚いたよ。フランも元気だって言ってたよ。」

「そうか...スカイ、僕はバルトウェイに行くよ。ガルドとケーラに会いたいし、ゴードンの墓参りにも行きたい。」

「分かった。王都は俺達に任せてくれ。ガルドとケーラ、リーフによろしくな。」

「あぁ。途中でリーフにも会いに行くよ。」

これが俺とフィリンの、最後の会話になるとは知る由も無かった。


 王都には祈りの森と呼ばれる森がある。誰がそう名付けたかは分かってない。そしてその森に、レイラとレダがいた。

「...。」

「あらら、落ち込んじゃって、”寂しいお母さん”って顔してるね。」

「!?な、なんですかあなたは?」

「どうせなら、"寂しい女"って顔を見せてみなよ。女神さん!」

「あなた...私が見えるのですか!?」

「見えるわよ、勿論。そのこれ見よがしな翼まではっきりと!」

レイラは動揺した。彼女の翼が見える人間は俺しかいなかったからだ。

「精霊でも妖精でもない...筈。ならば人間?」

「...案外、魔物だったりして?うふふ。」

「...。」

レイラは静かに姿を消した。流石のレダも気配を消したレイラは見つけられないようだ。

「あらら。ちょっと待ってよ女神さん!あたしはあんたに言いたい事があって態々来たんだよ。」

レダの叫びに、レイラは再び姿を現した。

「何ですか?」

「秀哉はあたしが頂くから。」

レダの予想外の発言に、レイラは困惑している。

「だ、だから何ですか?私は別に...彼は予言書の...。」

「なぁんて冗談!」

「...。」

「でも、秀哉がグングン良い男になってるって事はホント。ゾクゾクしちゃう!あんたもそう思ってるんでしょ?認めなよ。それとも、彼が怖い?」

「怖い?...えぇ...そうかも...しれません。彼に頬を叩かれてから、私...自分が良く分からなくなりました。」

「へぇ~。秀哉がそんな事したんだ。」

「今までは私が彼を導いていました。けど今回は、彼が自分のやり方で予言を回避させました。」

「人間ってやつはさ、未熟な分成長出来る生き物なのよ。だから、<導く>なんて気負わずに、秀哉を認めてあげたら?」

「人間を認めるなんて...不可能です。」

「あらら、意固地な女神さん。秀哉が変わったんだから、今度はあんたの番なのにさ。」

「私が?」

「そうだよ。だって、秀哉もあんたも、目指す場所は一緒なんだろ?協力した方が合理的よ。」

「あなたは一体何者ですか!?」

「あんたの恋敵!...に、ならないといいね。お互いに。」

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