王都襲撃 -中編-
<工房街>
「まさか王都がこんな事になるなんて...。」
「まだ間に合う!ヤエ、俺達もお前の故郷を守ってみせる!」
「...あぁ、そうだな。」
ヤエは俺に微笑んでくれた。大丈夫、俺達ならきっと出来る...!
-20分後-
「スカイ団長!こっちは今ので最後みたいだ!」
「あぁ、けどまだ片付いていないのがいる。ついて来てくれるか?」
「任せてくれ!ライの分まで戦うさ!」
俺達は再び中央広場へと戻った。しかし魔物は一向に減らず、寧ろ増えている気がする。
「スカイ、あたしは向こうを見てくる。」
「団長、俺もヤエについて行くよ。」
2人と別れると、レイラとテトが俺の前に現れた。
「天野秀哉...。」
「レイラ、テト!街に出てきて良いのか?」
「人間達は逃げる事で必死だからな。僕達の事にまで気が回らない筈さ。」
「どうですか?天野秀哉...役目を果たせていますか?」
「正直、厳しいな。...けど、俺達は必ずやってやるさ!」
俺は笑顔でレイラ達に言ってやった。不思議と力が漲るようだった。
「スカイ団長!大変だ!やつら避難所を狙ってきやがった!!」
エイドが遠くから俺を呼んだ。
「分かった。今行く!じゃあな。それと俺の名はスカイ=ウルメイア=フィールドだ。」
「え、えぇ...頑張って...下さい。」
俺は2人に別れを告げて、エイド達の元へ走りだした。
「あーぁ...行っちゃった...。あいつやっぱり、ただのアホかもしれませんね。」
「...。」
「レイラ様?」
「私は、間違っていたのでしょうか...?」
避難所前ではフィリンがヤエとエイドと共に魔物と交戦していた。
「くそぅ。僕が満足に戦えたら...。」
「無茶しないでくれ!爺さんが死んだら、団長が悲しむよ。」
「おい!僕はまだ55歳だぞ!」
「十分じゃないか...。」
「聞こえたぞ!ニンジャの君!」
「フィリーン!後は任せろ!」
「団長!ほら、爺さんも早く避難所に!」
「くっ、分かった。後で覚えてろよ!」
フィリンは渋々避難所へと走りだした。
「エイド、ヤエ、一気に行くぞ!」
俺達とフィリンは襲撃された避難所から、より安全な正門広場まで民衆を誘導した。
「みなさん!慌てないで!なるべく固まって、逃げ遅れが無いように...!」
「女性と子供はこちらの方へ...!」
「秀哉!会いたかったよ!!」
聞き覚えのある声がした。するとレダが王都にまでいた。
「レダ!?来てたのか?」
「さっき着いたばっかなんだ!もうびっくりよ!王都もかなり大変な事になってるわね。」
「レダ!?嘘だろ...全く変わって無い。」
「あら?この老いぼれ騎士さんは、もしかして副団長さん?」
「老いぼれは余計だ!」
「レダさん!ご無事で何よりです!!いやぁ...会えて良かった...本当に!」
レダはエイドを無視して俺に近づいて来た。エイドは残念そうな顔をした。
「秀哉。あたしに危険が迫ったら守ってね。あたしってか弱いからさ。」
「よし!エイド、レダを頼む。」
「ちょっとぉ!!」
するとエイドが何かを見つけたようだ。
「スカイ団長!あそこに何かいる!」
エイドが差した屋根の上には、巨大な魔物が立っていた。恐怖に怯える人々に追い打ちをかける様に、魔物は高らかな笑い声を投げつけた。
「愚かな人間どもめ!それで逃げ切ったつもりか!!」
「誰だ!!」
「ほぅ。貴様がスカイ=フィールドか?貴様のような小僧に、よくもゼオンが片腕を失ったものだな。不老不死のスカイ。弱小な種族を率いて我らに刃向かうとは、身の程知らずめ!」
「ゼオンの仲間か...お前も予言の魔物か!?」
「如何にも、我が名はゴルゾフ!魔将ベルフェザード様の御手、<破滅の死者>の1人よ!!」
「<破滅の死者>だって...。」
「今後、長きにわたり、俺達がこのアルメア大陸を制する。来るべきは、ベルフェザード様の時代!」
「そんな事、俺達聖炎騎士団が阻止してやる。」
「ほぅ...口先だけは達者なようだな?ならばこの街の魔物を全て追い払ってみせよ!」
そういうとゴルゾフは驚異的な脚力で、この街から姿を消した。
俺達が追うより早く、ゴルゾフの手下の魔物が、正門広場に現れる。人々の悲鳴と鳴き声が渡った。
「ちぃ...諦めるものか!」




