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第2次ベルフェザード戦

 1036年30日目


 予言の年になり、街は普段より魔物に対して臆病になった。しかも今回はあの魔将ベルフェザードとの戦いだ。騎士団本部にいる団員達も震えを隠せないでいる。

「団長、魔物はいつ現れるんですか!?」

「分からない。けど、いつでも戦える準備はしておいてくれ。」

「準備なら出来ている。このままじゃ皆、待ちくたびれちまうよ!」

「落ち着けよ。こればっかりはスカイだって分からないんだ。」

「ライの言う通りだ。すまないが、我慢してくれ...。」

「いっいや...。俺こそすいません。今回が初めてなもんで...。」

「そうだったな。」

ライはこれまでに何度か予言の魔物と戦ってきたが、エイドは初めてだ。それにしても奴はいつ来るのだろうか?


 1036年115日目


 「あぁ~あ、いっそこのまま予言が外れればいいのになぁ~。」

ライがエイドの頭をぶった。

「何馬鹿な事言ってんだ!暇なら武器でも磨いてろ!」

「叩く事ねぇだろ!あんまり怒るとシワが増えるぞ!」

「てめぇ...。僕をオッサン扱いすんな!」

「いい加減にしろお前ら!」

2人が取っ組み合いを始める前に、俺は机を叩いて黙らせた。

「あ~あ、なんかお邪魔だったみたいね。」

「レダか...。」

「レダさん!今日はどういったご用件で?」

「ねえ秀哉。暇ならあたしに付き合ってくれない?街を歩いてもつまんないんだ。」

「ゴメン、今はそれどころじゃ...。」

「なっなら俺と一緒に行きませんか?レダさんとならどこへだって行きますよ。」

「あっそうだ!今の時期なら良い場所があるんだ。ねっ一緒に行こう秀哉!」

「だから...。」

「おっ俺なら空いてますけど...。」

エイドのしつこさにレダはイラついて腹に1発食らわせた。

「うるさい!!」

「すっすみません...。」

すると騎士団本部にユナが訪れた。いつもは平静な彼女だったが、今は額に汗を流し、息を切らしていた。

「どうしたんだ、ユナ!?」

「スカイ...。」

彼女が時計塔から出てきた事、そして他の誰かに助けを求める事はこれが初めてかもしれない。俺は震える彼女の肩に触れ、震えを和らげた。

「時計塔に魔物が出たんだな。」

「うん...。」

「ありがとう。俺との約束を守ってくれて。大丈夫、時計塔もこの街も、必ず救ってみせる。だからユナはここで待っててくれ。」

「ええ、待ってるわ。」

「よし、聖炎騎士団、時計塔へ出動だ!」

「今度も必ず倒してやる。」

「絶対負けねえ!レダさん、待ってて下さいね。」

俺達は準備を整えて、直ちに時計塔へと走りだした。

「あ~あ、もう行っちゃった。」

「...。」

「あんた。秀哉に感謝しなさいよ。」

「はい。」


 時計塔の周りには不穏な空気が漂っていた。これは16年前、リーフの故郷で感じた空気と同じだ。

「あの時と全く同じだな。」

「これが魔物の気配...。今までとは桁外れだ。」

「気を引き締めろよエイド。勝たなきゃこの街は壊滅だ。」

「はい!この剣でぶった斬ってやる!」

俺達は意を決して時計塔に入った。魔物の気配は地下から感じた。階段を下りる度に気配が濃くなっていくのを肌で感じ、遂に奴と対面した。

 【ベルフェザード レベル06】

・体力280 ・攻撃力 10(初回+6) ・複数攻撃 4×4・回復力 10 ・素早さ 5.0

特徴•••複数攻撃の後、2回生命力吸収の攻撃をしてくる。受けた者は瀕死まで体力を吸収される。

 奴の能力は依然と変わっていなかった。少し体力が上がったが、大した問題では無かった。

「前線は俺とエイド。ライは俺を、魔女はエイドを補助。アーチャーとヴァルキリーは後方から攻撃をし、最後方にはサムライを置く。」

「大丈夫か?あいつまた俺達の体力を吸い取って来るぞ。」

「それは申し訳ないが、サムライに耐えてもらう。この団の中で一番体力が低いからな。」

「団長!サムライを囮に使うのかよ!」

「エイド殿、この戦いに負ければこの街は終わる。拙者は団長殿の判断を信じるでござる。」

「サムライの言う通りだ。こいつが団員を犠牲にする奴に見えるか?」

「...。分かったよ。俺も団長を信じるぜ。」

「ありがとう。この戦い、絶対勝つぞ!」


 戦いが始まり、先手は俺達が取った。弓使い2人による攻撃から、俺とエイドの大剣がベルフェザードに当たった。そして今度は奴が攻撃を仕掛け、その攻撃は俺に向けられた。

「団長!」

「気にするな。ライのお蔭で大した怪我じゃない!」

「いいから早く後退しろ。出ないと次は直撃だぞ!」

ライに急かされて、俺達2人は直ぐに後退した。戦士は自分で回復が出来ないのが、最大の弱点だ。

「皆、奴は複数攻撃を仕掛けて来るぞ!」

「とは言っても、俺達を補助してくれる奴なんていないぞ!」

「運を天に任せましょう。」

ベルフェザードの最初の攻撃はアーチャーに当たり、その後3回の攻撃は魔女以外に向けられた。

「団長!アーチャーが死にそうだよ!早く回復してやらないと!」

「気持ちは分かるが、あいつ等の中に他人を回復してやれる奴はいない...。」

「それじゃあ...。」

「けど大丈夫だ。もうすぐ奴を倒す事は出来る。」

ライ達が後退し、サムライとベルフェザードの一騎打ちになった。先手はサムライが取り、運良く急所に当たった。そしてベルフェザードはサムライから体力を吸収して傷を癒した。

「くっ、何のこれしき!」

サムライは限界まで体力を奪われたが、最後の力を振り絞ってもう1撃を食らわせた。

「よくやってくれた。最後の一押しは任せろ!」

俺はサムライを後退させ、再び前線に出た。ベルフェザードも少し回復をしたが、問題無かった。再び弓使い2人の攻撃の後、俺とエイドが奴に攻撃した。

「これでぇーー!」

ベルフェザードにトドメを刺したのは、エイドの攻撃だった。奴は雄叫びを挙げながら、徐々に消滅していった。

「やった...。勝ったんだ。俺達は勝ったんだ!」

「あぁ...。とりあえずはな。」

「一先ず、予言は回避出来たな。」

団員達もベルフェザードとの戦いが終わって、一安心した。

俺は改めて、この時計塔の中を見回した。するとそこには神秘的な光景が広がっていた。

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