表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/175

予期せぬ来客と、予期した天敵

 街外れの森から本部へと戻った俺の目の前に、思いがけない来客が待っていた。

「こんにちは。今日はあなた方に命を助けて頂いた子を連れて参りました。リリ?リリ!ご挨拶なさい。」

レミリアに呼ばれて走り出してきたのは、目がクリクリとよく動く幼子だった。

「こんにちは。ねえねえ、このお家には、虫さんがいないね!」

「え?虫?」

「申し訳ございません。この子は空想癖が強くて、時々何を言っているのやら...。」

「すっかり元気になったんですね。良かった良かった。」

「あの時、薬草を頂いたお蔭です。」

「やくそう?...。あーー!おんじん!」

「えっ?」

「おんじん!おんじん!」

「あぁ...。命の”恩人”って言いたいのね。」

リリは小さな体を弾ませて、俺の膝に乗っかって来た。

「そのせつは、ありがとうございます!」

「あっあぁ。随分難しい言葉を知っているんだな...。」

「団長さんは、”ふろうふし”でしょ?」

「!?リリ、そんな言葉まで知っているのか?」

「うん!分かるよ!ずっと歳を取らないんでしょ!だから、待っててくれるよね!」

「え?俺が何を待つんだ?」

するとリリは満面の笑みで答えてくれた。

「リリ、大きくなったら団長さんのお嫁さんになるの!待っててね!」

俺は思わず咽てしまった。無邪気な発言だから仕方が無いが、純粋とは時に恐ろしいものだなと思ってしまった。

「あっ...。ありがとう。リリが覚えていたらな。」

「へへっ!やくそく!」

俺はリリと指切りをした。そしてリリの様な子供達の未来を守ってみせると心に誓った。

「やれやれ。最近のガキはませてるな。」

「いや、彼女は正しい!!愛があれば歳の差なんて...。あぁ...。麗しのレダさん!」

「勝手に言ってろ。」

エイドのレダへの愛に、ライは呆れ果てていた。


 俺は酒場とギルド、<深淵>にも足を運び、王都へ行く方法を検討していた。以前ライが言っていた通り、山越えの道のりは時期を間違えれば極寒の旅となってしまう。

「あんたはもうすぐこの街を離れちまうのか?」

「あぁ、今度は王都を拠点に魔物を討伐するつもりだ。」

「そうか...。まあ気を付けて行く事だな。くれぐれも山を登る時期を間違えるなよ。」

「いつぐらいがいいかな?」

「早くても170日目からの方が良いな。300日目から山は白く染まるからなぁ。」

俺の世界で言えば5.6月から登った方が良いという事か。

「この街から王都への馬車って無いかな?」

「今は王都どころか、ここから西にある要塞都市グラディウスに行く奴もいないからな。馬車も魔物が怖くて走れないね。」

予想はしていたが、それでもがっかりしてしまった。やはり王都へは遠回りになるが、北西にある湿地帯を通るルートを採用しよう。

「ありがとう。またこの街に来た時は、団員達と飲みに来るよ。」

「おう、待ってるぜ団長さん。そん時にゃあ是非酒を飲んでくれよ。」

「生憎俺は下戸なんでね。」

俺はマスターと笑いながら酒場を後にした。


 聖炎騎士団の戦力は女神のお墨付きである。ライも随分歳を取ったが、まだまだ現役でもある。エイドも十分逞しくなった。今の騎士団は、戦士3名、アーチャー・サムライ・魔女2名ずつ、冒険者・ヴァルキリー・剣闘士・魔術師・1名ずつである。

ベルフェザードの戦闘パターンが以前と同じなら、また生命力吸収に対する策を講じなければならない。今度の出現場所はこの街の時計塔、別名<ウルの塔>である。

次回、魔将ベルフェザードとの戦いが始まります。今回の話で時計塔の別名を載せましたが、もっと早く載せれば良かったと思いました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ