修道院の小さな命
今回の話では一気に3年も時間が経過しています。
1029年330日目
エイドが入団して3年が経ち、聖炎騎士団の主力になりつつある。そして以前騎士団にいたアーチャーと魔女の間に生まれた子供も今は5歳だそうだ。将来は騎士団に入って俺達と共に戦いそうだ。
「団長は団員同志の結婚を認めているんですか?」
「ああ。子供の事も認めているが、それがどうした?」
「い、いや。ちょっと気になっただけで...。」
「心配しなくても、あの女はお前なんか眼中に無いぞ。」
「そんなのまだわかんねぇだろ!ライこそ、そんな口の悪さじゃ彼女も出来ねえぞ!」
「余計なお世話だ!」
「まあまあ落ち着けよ。それより酒場から薬草収集の依頼が来てたんだ。今から一緒に行かないか?」
「団長の頼みなら喜んで。」
「まあ、いいけどさ。」
薬草収集へはマスターが手配した馬車で山麓の森へと向かった。するとそこでレミリア修道院の院長 レミリアと遭遇した。
「あら。これはこれは団長様。お久しぶりでございます。」
「あなたは3年前に修道院でお会いしたレミリアさんですね。」
「覚えて頂き光栄です。それにしてもお若いですね。噂では10年以上も同じ容姿でいるとか。」
「えっ?えぇ、まあ。」
確かにウォルターを拠点にしたのは今から20年も昔の事だ。
「今日はどうしたんだ?僕らは薬草集めでこの森に来たんだが。」
「そうだったのですか。私はこれからウォルターへミルクとおむつを買いに行くところなんです。」
「...。あんた、子供が出来たのか?」
「ご冗談を。修道院に孤児が来たのです。赤子を授かる事など滅多に無い事ですから、皆大慌てですわ。」
「それにしてはやけに嬉しそうだな。」
「そうですかね。では御機嫌よう。」
レミリアは笑顔で俺達と別れた。すると薬草を集め終わったエイドが合流した。
「孤児かぁ...。幸せになれるといいなあ。うちの母さんと姉ちゃんも孤児だったから、辛さはよく聞いてんだ。」
「そういやフランは元気か?」
「そりゃ元気さ!元気過ぎて参っちまうよ。俺一度も姉ちゃんにかけっこや木登りで勝った事無いんだ。」
「良い家族を持ったな。」
すると急にエイドの顔が曇った。
「でも俺は...。いや、何でも無いっす...。」
エイドが何を言おうとしたのか分からなかったが、詮索するつもりは無かった。
1032年15日目
団員達の戦力分析をしていると、突然騎士団本部にレミリアが訪れた。
「団長様!」
「やぁ、院長。赤ん坊は大きくなりましたか?」
「お願いです!あの子の命を救ってください!」
彼女の一言で、俺の中の非常ベルが鳴りだした。
「!?一体どうしたんだ?何かの病気か?」
「はい、あの子は生まれつき病弱でして...。今も高熱で危険な状態なのです。このままでは命に係わるとお医者様は仰っております。」
すると本部にライとエイドも来てくれた。
「熱ならホワイトベリーを煎じて飲めば大抵は治るだろ?昔オルボがミリィによく飲ませてたよ。」
「そのホワイトベリーが採れる場所には、魔物の住処となってしまい。私達にはどうしようもありません。」
「街に売ってある薬は、子供には効き目が強いから使えないしな。」
「だったら早く行かねえと、団長!」
「分かった。集められるだけの戦力で行こう。」
「ありがとうございます。ホワイトベリーはローズマリー山で多く実っているそうです。今は山に魔物が住み着いているそうで...。」
「またあそこへ行くとはな...。」
「また?」
「ああ、20年前くらい前に、そこの洞窟に魔物が現れたんだ。ライ達とはそこへの道中で初めて出会ったんだ。」
「あぁ、そうだな...。もう20年か...。」
「ライもすっかりオッサンだな...。」
「お前なぁ!!」
「無駄な体力消費は止めろ!レミリアさん、ホワイトベリーは必ず採ってくる。だから待っててくれ!」
「はい、聖炎騎士団に精霊の加護がありますように。」
俺達はローズマリー山へ辿り着いた。急だった為、俺達3人の他は、サムライ・剣闘士・魔女・僧侶の4人で来た。
「まさかまたこの道に来る事になるとはな。」
「早く魔物をやっつけてホワイトベリーを採りましょう。」
「あぁ、どんな魔物が相手でも、短期決戦で行かないとな。」
すると俺達の目の前に大きな黒い穴が現れ、その穴から魔術師の姿をした魔物が現れた。
1032年 聖炎騎士団
・スカイ17歳(∞)・ライ40歳(15)・エイド21歳(24)




