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妖艶な魔女 再び

 1027年5日目


 エイドが騎士団に慣れる頃、街ではちょっとした騒ぎが持ち上がっていた。それはとある大泥棒の話だ。

「とにかく手口が鮮やからしいんだ!どんな厳重な鍵もあっという間に開けちゃって。」

「それって鍵開けの腕が凄いって事か?」

「違うんすよ。盗みを働いた後は...。どっかーーん!って爆薬で何もかも燃やして行くんだってさ。」

エイドが手振りで爆発の勢いを表現した。

「どっかーーんっか...。迷惑な泥棒だな。」

「下手したら強盗致死傷罪だな。」

「そうなるとそいつはどうなるんだ?」

「死刑又は無期懲役が科せられるな。」

「話を変えないでくださいよ!それでその泥棒が狙うは、金持ちの家ばかり!元々汚い金をたんまり盗ってくもんだから、街の人もみんな裏で拍手喝采さ!」

「だからって、貧しい連中にその金を恵んでやってるわけじゃないんだろ。」

「もしそうなら義賊として称賛されてもいいんだがなぁ。」

「でも俺はその泥棒のやったことに胸がスッとするんだ。団長もライも分かんないかなぁ!」

「へぇ~?騎士団も天才泥棒の話で持ちきりなんだね。」

突然会話にレダが割り込んで来た。

「うわぁ!!あっあんた誰!?」

「レダよ。騎士団を陰で支える健気なマドンナよ。よろしくね、新人君。」

「エイド、レダの言葉を真に受けないでいいぞ。」

「あら秀哉!この前はありがとね。」

「この前って、レダさんと何があったんですか団長!?」

「ただの頼まれ事さ。それよりお前、なんでそんな興奮してんだよ。」

「えっ!?いや、俺エイドって言います。あの、その...」

「ん〜?私に何か聞きたい事でもあるのかなぁ〜?」

レダはまじまじとエイドの顔を見た。

「あっあの!レダさんって歳いくつ何ですか?」

「!!!」

レダはエイドの腹を殴り、エイドは悶絶した。

「おとといおいで!」

レダは不機嫌になって、騎士団本部を出て行った。

「痛たた。俺レダさんを怒らせる事言ったかな?」

「女性にいきなり歳を聞くなんて、誰だって怒るだろ。」

「エイド、女性に対して年齢と体重の事は絶対聞くなよ。」

「わっ分かりました。にしてもレダさんって美人っすよね。」

「どうだか?女は化粧で化けるからな。」

「まぁ、そうだな...。」

仮にそうだとしてもレダは全く変わっていない。これは他の団員が俺に対して思っているのと同じではないだろうか。


 1027年215日目


 今日はウォルターから東に位置する村に出現した魔物を討伐した。エイドは父ガルド並の体力を持っていたので、これなら魔将ベルフェザードとの戦いに間に合いそうだ。

「はぁはぁ、やっぱ魔物は手強いっすね。それにしても団長は俺と同じ戦士とは思えないな。」

「ああ、あいつはいつも他の団員の補助は受けないからな。その分お前とかに回しているから、大怪我しないで済んでんだぞ。」

「あんなに無茶すれば体調崩したりする筈なのになぁ。今回だって3人が体調不良で戦いに出てないぜ。」

「馬鹿は風邪引かないっていうけど、あいつは人間とは思えないぜ。」

「おいライ!今俺の事馬鹿にしたか!?」

「別にお前の事を言った訳じゃないさ。」

2人の口論を聞きながら俺達はウォルターへ帰る準備をしていた。俺は村人から何か有益な情報が得られないか村を少し散策する事を団員達に告げた。しかし村人から有益な情報は得られず、皆のもとへ戻ろうとした時だった。

「あら秀哉!また会ったわね。」

レダが俺の前に現れた。いつ見ても彼女の陽気さは変わっていない。

「やあレダ、200日振りだな。元気にしてたか?」

「ふぅ~ん。私と最後に会った日を覚えているなんて、嬉しいじゃない。」

「君はいつも突然現れるからな。今回は再開が早かったな。」

「そうだっけ?イチイチ覚えていられないわ。」

「今までどこに行ってたんだ?」

「グランブール湖よ。ウォルターから北西にある湖よ。」

「有名な所なのか?」

「ほら、<闇の雫>が起こる場所で...。」

「?そんな所へ何しに?」

「乙女には秘密の1つや2つあるものよ。詮索なんて野暮な事しないでよね。」

「レダは自由なんだな。」

「そうだね。心に決めた人と一緒になれたら、落ち着こうと思うんだけど。」

レダはちらちらと俺を見た。けど俺は何て言えば良いのか分からなかった。

「...。ん?”じゃあ、俺と一緒に暮らそう”くらい言えないの?」

「俺はまだ17歳だ!結婚年齢に達していない!」

「いいじゃないあんたの世界の事情なんて。あたしはいつでも待ってるわよ。」

「レダならいくらでも良い人が見つかるだろ。美人なんだし。」

「全く。いつまで経っても秀哉は僕ちゃんなんだから。はやく”男”になってよね。」

「あのなぁ...。」

レダはいつも俺をからかっている。けどもし俺がレダにプロポーズしたら、彼女はイエスと答えるだろうか?そもそもレダはどうして俺の事が気になるのだろうか?理由はやはり...。

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