第1次ベルフェザード戦の後
今回は短めです。
「お~い、大丈夫でしたか~?」
この声はフォレスの村の村長のものだった。そして彼の後ろには村人達が歓喜の声を上げていた。
「助かったんだ!俺達は助かったんだ!」
「聖炎騎士団は本物の勇者達だ!」
「聖炎騎士団バンザーイ!」
子供から年寄りまで村人達の顔は喜びで満ちていた。しかし僕らは対照的だった。何故ならベルフェザードが再び復活するからだ。だけども僕らは村人達にはこの事を伏せ、勝利の喜びを共に分かち合った。
「おじさん、何とか村は守れたよ。けど随分荒れちゃったなぁ。」
「なぁに、またやり直せばいいさ。それよりもリーフや、本当に立派になったなぁ。ついこの間までは鼻垂れ小僧だったのになぁ。」
「やめてくれよ。俺だってもういい歳なんだから。」
リーフが村長と楽しそうに笑い合っていた。僕はそんなリーフを見て決心した。
「リーフ、今日までありがとう。これからはこの村でゆっくりしてくれ。」
「ええっ!?でも俺、師匠と約束したんです。それに副団長にもスカイ団長を支えてくれって。」
「おい待て!なんでお前らだけで勝手に話を進めているんだ。」
ライが僕らの間に割って入って来た。
「ほらっ。俺にはライの事もありますし、騎士団を離れられません。」
「だから、なんで僕を無視して話を進めてるんだ!僕があんたから教えて貰ったのは戦い方だけじゃないぞ!」
「ライ...。」
「僕は今日まであんたと稽古を通して色々な事を教えてもらった。だからもう僕に任せてくれたっていいじゃないか!」
「ライの言う通りだ。リーフ、お前の中の炎は既にライに受け継がれている。」
「団長...分かりました。俺は今後、故郷の復興に努めます。それからライ、お前に渡したい物がある。」
するとリーフは嘗てゴードンから託された結晶石のお守りを出した。
「これを受け取ってくれないか。俺の師匠の形見だ。ちょっとお前には恥ずかしいかもしれないが。」
「誰が恥ずかしいと思うか!いいからよこせ。」
「ライ、お前は俺の自慢の弟子だ。忘れるな、大事なのは引かぬ心と間合い。死に急ぐなよ。」
「あっ...、あぁ...。」
「ありがとうごさいました!」
{青年が異世界に来てもう20年が経ちました。水上街ウォルターは500年に作られ、現在の時点で人口4万人にもなる都会へと成長した。女神の進言により解雇された剣闘士の後を追った魔女。故郷を守る事決心し、騎士団を離れた弓使いとその思いを託された冒険者。この2つの別れはまるで別物だった。女神が求める”世界を守れ”には、団員達の幸せは皆無であった。青年は”団員達の幸せ”を強く願うが、それは”世界を守る事”と両立出来る程容易ではなかった。親友の騎士も青年と同じ決断を下せたのだろうか?大災厄の予言を覆した後、皆が幸せになれる未来があるのだろか?青年は答えの無い問いに思い悩ませられるのであった。}
1020年 聖炎騎士団
・スカイ 17歳(∞) ・ライ 28歳(27)
退団者 •リーフ
まだまだ現役バリバリであるリーフが退団しました。主人公のこの決断が後々どんな出来事を引き起こしてしまうのか?




