<アルバレスの奇跡>
『涙とは、何ぞや?』
『我は誤ったか?』
『誤りとは、何ぞや?』
『我の世界は、何処にある?』
『我の 世界が、
壊れるのは 何故か?』
『我は悪 くな
い。
悪は
何処にある
か?』
『悪
と
は、何ぞ
や
?
』
悪か
者が、 ?』
『何
『悪
は何
処に、
ア
ル
?』
『我は
誤ったか
?』
か?』
る
あ
何処に
ない。悪は
『我は悪く
『我の世
界が、壊れ
るの
は
何 故 か?』
『何
者
が
、
悪か
?』
は、何ぞ
『悪 や
?』
『何
者
が、
悪
か
?』
『何
者が、悪
か?』
『我
は
悪
く
な
い。
悪
は何処にあ
るか?』
『何者が、
悪か?』
か?』
た
は誤っ
『我
処にあ
るか
?』
い。悪は何
は悪くな
『我
『我
は悪 い。
くな
悪
は
何
処
に
あ
る か?』
『何
者
が、
悪
か
?』
『悪 は、
何処 に、ア
ル?』
悪か?』
が、
『何者が、
『我は悪く
ない。
悪は
何処にあるか?』
悪か?』
『何者が、
『我は
誤っ
た
か?』
『我
は
悪
く
るか?』
な あ
処
に あ
く る
は何
は悪 ない。悪
か?』
『我
悪
『 か
者
』
が、
何
ア 『
悪
ル 処 は
何
? に
、
』
『涙、 ト、 ハ...???』
崩壊した<フィアの塔>から戻って来た俺達に待ち構えていたのは、レイラの時とは比べ物にならない位の怒りを持った...当に憤怒の大精霊 エルゼシオンであった。
「何て事をしてくれたのだ!”アルバレスの正予言”に、<フィアの塔>を壊せとでも書いてあったか?始祖ザイ・ウル・アルバレスの作り上げた世界が何もかも...。」
奴の一方的な怒りを、俺は今にも爆発しそうな怒りを抑えながら受け止めた。俺達が命懸けで戦っているのに対し、お前は一体何をしていたのか!?...と反論したかった。するとレイラが奴に対し口を開いた。
「エルゼシオン様...けれど、魔物は倒しました。」
「魔物が死のうが生き残ろうが、<フィアの塔>が壊されたらおしまいなのだ。お前達、何故塔から離れた!?」
「あのまま中にいれば、俺達は全滅していた。」
奴の問いに俺は簡潔に答えた。すると奴は更に俺の怒りを膨らませる発言をした。
「それがどうした?<フィアの塔>を守り切ればお主らの魂なぞ、いくらでも循環した。これだから人間は劣っておる!何故自分の事しか考えぬのだ!?」
ブチッ!!
今の奴の言葉で完全に俺の理性を保つ糸が切れた。
これだから人間は劣っている?何故自分の事しか考えない??一体どの口が言ってんだこの××××××がぁぁぁぁぁ!!!!
俺はもう言葉にならない位の怒りの声をぶつけようとした時、レイラが俺の前に出て止めてくれた。
「...自分の事しか考えないのは、エルゼシオン!あなたです!!」
「レイラ...お前...」
「我々精霊にとって、確かに人間の魂は動力源に過ぎません。けれで!人間界をご覧下さい。彼らは笑い、泣き、悲しみ、毎日を生きています。限りある命で精一杯生きているのです!」
レイラの訴えに俺は理性を保てた。そして、とても嬉しかった。俺達の魂を単なる動力源としか見ていない奴よりも、ここにいるレイラこそ...本物の女神であった。
すると遂に大精霊エルゼシオンが姿を現した。年老いた声にふさわしい容姿で白く長い髭を持ち合わせていた。神官が纏う衣装に似ているが、被っている帽子の両端には悪魔のような角が付いていた。
「下らぬ!”再組成”だ。」
「再組成?」
エルゼシオンの言葉に、レイラは血相を変えた。
「<アルバレスの奇跡>を、再び行うつもりですか!?止めて!!」
「何だよ?一体何をするつもりなんだ?」
「エルゼシオンはアグロスを出現させるつもりよ。」
「アグロス...。<フィアの塔>で戦ったあれか?そもそもあれは何なんだ?今までの魔物と違って、あれはこの天上界が生み出したそうじゃないか?」
「過去の誰かの記憶を見たのね。アグロス...再組成の為に、世界の命を食らい尽くす貪食の抗体...。」
「世界の命を食らい尽くす...貪食の抗体...。」
「<フィアの塔>の塔が崩れ、歪んでしまった世界を再び組み立てるには、この方法しか無い。なに、千年もあれば、また新しい世界が出来上がるだろう。今度こそ、我が正しい”運用”をしてやる。」
「...今の人間界は...人間はどうなる!?」
「アグロスが消すだそうな。」
俺の問いに奴は淡泊に答えた。
俺は愕然とした。奴は新しい世界の”運用”の為に...ただそれだけの為に、今いる世界をリセットして、尚且つアグロスを使って人間達を皆殺しにするなんて...。こんなの奇跡でも何でも無い!ただのエゴによる大量虐殺だ!!
するとレイラが必死にエルゼシオンの愚行を止めようとした。
「エルゼシオン!あなたは間違っています。
人間の涙を見たことがありますか?誰かが涙を流す...その現場に居合わせたことがありますか!?」
「うるさい!世界は選ばれた者によって然るべき運営がなされておる!」
レイラの説得も空しく、エルゼシオンは姿を消した。そして再び、声だけが広間に聞こえた。
「腐った者とは、話すだけ無駄だ!それほど人間が好きなら...奴等と共に消えて無くなるがよい!!」
「レイラ!危ない!!」
俺がレイラの腕を引き寄せると、光が俺達の視界を消し去った。
{始まりには、全てを食らう貪食の抗体が現れる。}
崩壊した<フィアの塔>が、徐々に漆黒に染まった。そしてバラバラになって空に浮かぶと、不気味な黒い球体...アグロスへと変化した。そしてそれは瞬く間に、天上界の空を覆い尽くした。
{腐った大地を治癒する為に。}
アグロスは人間界に現れ、世界中の空を覆い尽くそうした。
{やがて...そのものたちによって、大地は癒されるだろう。}
世界中の人々が、空に現れたアグロスを見て、不思議そうに口を開けて空を見る。
{だが、その前に先ず...。}
遂に人間界の空は、アグロスによって覆い尽くされた。もう二度、太陽の光の見る事は無いくらいに...。
俺達は天上界から追い出されたのか、どこか知らない荒野にいた。そして目の前から...。
{全ての世界が、}
漆黒の波が押し寄せて来て...。
{死ぬ。}




