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閑話 最後の墓参り

1093年200日目

最後の災厄に向けての戦力強化も大事だが、何より各地に出現した魔物の討伐が最優先だった。マナが加わってくれたお陰で戦闘での編成に悩む事は少なくなった。そして山賊団に出くわした時も、マナの4回攻撃は前列にそれぞれ攻撃してくれた。

そしてこの日は情報収集と共に、俺個人の所用があった。そこは全ての始まりとも言える街...バルトウェイであった。

俺は酒場での用件を済ませると、バルトウェイ自警団の団員達が眠る墓標に着いた。"黒い魔女"による墓荒らしを心配していたが、ここは無事であった。僧侶ゴードンが使っていた杖の他、神官ケーラの髪飾り、戦士ガルド・エイドが使用していたバンダナ、最後に騎士フィリンの剣と盾が備えられていた。俺はそれぞれの墓標に手を合わせ墓参りを終えると、次の目的地へと向かった。


1094年50日目

次に訪れた場所はフォレスの村だった。ここは黒死病の感染者が多く出た為、村の人口は激減してしまったそうだ。そしてこの村にはゴードンの弟子である弓師リーフと、彼の自慢の弟子だった冒険者ライが眠っていた。墓標に備えられていた結晶石のお守りも、辛うじて残っているくらいであった。俺はこのお守りを持って行こうかと思ったが、それでは2人に悪いと思い、そのままにした。

墓参りを終えると、マナがウォルターの方を見ていた。

「マナ。ウォルターへ情報収集に行くけど...どうする?」

「えっ?スカイが行くなら、良いんじゃないの?どうして私に聞くの?」

「いや、マナが何だかウォルターへ行きたくないって顔してたから...かな?」

「じゃあ私...時計塔で待ってるから、終わったら迎えに来て。」

「あ、あぁ...分かった。」

マナは笑顔で答えてくれたが、やはりウォルターへは行きたくなかったらしい。しかし、マナが何故行きたくなかったのか、皆目見当が付かなかった...。


1095年100日目

王都へ帰還する前に、俺は山岳の街...フェルメアへと向かった。街へ入ると世界の終末を嘆く者や、"死神"が現れる事に怯えていた。この街の酒場での情報収集を終えると、俺はこの街の墓地へと向かった。そして他の物とは一際違う墓標に向かうと、そこには市長アリアの髪飾りとサムライツルギの刀が備えられていた。そして墓標には"市長アリア、剣豪ツルギと共に、ここに眠る。"と書いてあった。俺は2人に対し手を合わせると、マナが側に近づいて来た。

「ここにも、スカイの仲間が眠っているの?」

「あぁ。本当はもう一人会いたい仲間がいるんだが、そいつが今何処で何をしているのか分からないからな。」

「どんな人だったの?」

「赤い髪をしたニンジャだった。爆破の腕が凄くてな...けどそれが、本人は適当にやっていたって言うんだ。」

「もしかして...ヤエさん?」

「!?ヤエに会ったのか!?」

「昔ウォルターにいた頃にね。私に爆薬の作り方を教えてくれたの。」

「そうだったのか...それでヤエは何処に?」

「分からない。会ったのは2.3回で、何処に住んでいるかは教えてくれなかったの...。けど、良い人だったなぁ。」

「あぁ...ヤエは優しい奴だった。無茶な雪山超えをしようとも、故郷の王都へ帰ろうとするくらいだったからな。」

俺達は墓地を後にし、王都へと帰還した。最後にバルトウェイ自警団にいた騎士ニック、剣闘士オルボ、魔女ミリィの墓参りをして、俺の墓参りは全て終わった。これでもう心残りは無くなった。あとは最後の災厄に向けて、前へ進むだけだった。

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