アトレアの災厄 再び 前編
1091年15日目
俺達はアクラルイスにあるヴィムという街に出没した魔物を倒した。どんなに人々が苦しんでいても、魔物からの危機を回避した俺達騎士団にお礼を言ってくれる。その感謝の言葉を聞く度に、俺の心は洗わるようだった。遠征中でも眠りが浅く、調子が優れない時が多くある。そんな俺を気遣ってか、魔物が大した事無い場合は、俺が戦闘に加わらない編成を組んでくれた。団員達も俺が虚勢を張っている事には薄々気づいていた。だから戦闘だけでなく、他の面でも俺の負担を少しでも減らそうとしてくれている。俺もそんな団員達に報いる為に、大災厄まで騎士団を維持していこうと思った。
団員達が王都への帰還準備を進め、俺は僅かでも黒死病や"死神"に関する手がかりを探した。すると俺の前に、<破滅の死者>のゼオンが現れた。
「ふっ、人間とは愚かだな。我らが手を下さずとも、勝手に死んでいくのだからな。」
「ゼオン!」
俺は剣を抜いて構えたが、対するゼオンは手ぶらで立ったままだった。
「最近は退屈なあまり暇を持て余していた所だ。貴様の前に現れたのも、ただの暇つぶしだ。」
「ゼオン!お前達の中に、黒ずくめの女はいるか!?そいつは一体何者なんだ?そいつが黒死病の原因か??」
「さあな?貴様に話す義理は無い。せいぜい被害を食い止めて見せろ。止めたところで、すぐに私が潰してやるがな。」
「なら今ここで、お前を倒す!」
すると突然、俺とゼオンの間にレイラが現れた。彼女が現れた事で、頭に登っていた血が引いていき、俺は冷静さを取り戻した。
「<破滅の死者>ゼオンよ。あなたは魔物ではない人間です。今からでも遅くありません。悔い改めなさい。」
「...やっと出て来たか、女神レイラ。その瞳、中々良い輝きだ。」
「ふざけないで!!」
「怒ったのか?随分人間じみた感情を持った女神だな。...自滅せぬようにな。」
俺はレイラの前に割り込み、再び剣を構えた。
「ゼオン!俺と戦え!!」
「ふははは。貴様が私と戦おうなど10年早い。まだまだお前達の徒労をゆっくり見物させてもらわねば。ギル!!」
ゼオンが呼ぶと、空からドラゴン姿のギルが降りて来た。
「どうぞお乗り下さい。」
「待て、おいギル!お前は知ってるか?黒ずくめの...」
「キッシャッシャッシャッシャッシャ。誰に向かって口きいているんだ!さっさと死ね!!」
ギルは俺の台詞を切り捨て、ゼオンを背に乗せて俺達の前から姿を消した。俺とレイラの2人きりとなり、俺はレイラの側に寄った。
「レイラ...その、さっきは助かった。俺...あいつの言葉に頭来て...それで...」
「スカイ、気持ちは分かりますが...今は予言に向けて騎士団を強化するのが先決です。彼等とはいずれ戦う事になるのですから。」
「あぁ、分かってる。ありがとう。」
1092年30日目
予言の年になり、俺達は湾岸都市アトレアで予言の魔物が現れるのを待っていた。俺はアトレア港に赴いて、海を眺めていた。するとテトが俺の元に現れた。
「どうしたんだ、スカイ?」
「ちょっと、あの時の事を思い出してな...」
「マナの事か?」
「あぁ。ウォルターで別れてからもう10年経つけど、今頃どうしているかなって...」
「きっと大丈夫さ!だから余計な心配しないで、予言の魔物に集中しようぜ。」
「ありがとう、テト。」
すると俺達の視界に視界に魔物が見えてきた。
「スカイ!現れたぞ。」
「あぁ。...いや、ちょっと待て!」
よく見ると、魔物の他に一人の少女がいた。
「きゃあーーー!!」
「マズイ!あのままじゃ魔物に踏みつぶされる。」
【モルガロス レベル 08】
・体力620 ・攻撃力18(列攻撃18・石化攻撃23) ・素早さ8.0 ・回復力10
特徴・・・2・3・4巡目に列攻撃、5巡目に石化攻撃
高い体力に列攻撃と石化攻撃、そして今回は回復能力を持っているから長期戦は免れない。
「前列は俺と魔女・騎士。中列はアーチャー・僧侶。後列は神官・ニンジャ。騎士は神官、魔女はニンジャを補助。僧侶は俺を、ニンジャはアーチャーを支援してくれ。戦闘にでない者は、少女を保護してくれ!」
団員達に指示を出し、隊列を組んで戦闘態勢に入った。そして湾岸都市アトレアを舞台とした戦いが始まった。




