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王様との謁見 参

1082年50日目

湾岸都市アトレアに起きた災厄を回避した事を報告する為、俺は謁見室に来た。そこには王様と王子、そして親衛隊長のウィリアムがいた。

「スカイ団長。アトレアでの災厄をよくぞ回避してくれた。それで大陸の様子はどうであったか?」

「黒死病の猛威により、街の人々が全滅している所もありました。そして生きる事に絶望し、来世に望みを託す人々もいました。」

「うむ...儂からも出来る限りの手は尽くそう。そなたらは引き続き災厄の回避に全力を尽くしてくれ。ほれ、マイロもお礼を言いなさい。」

「僕...部屋に戻ってます。」

するとマイロ王子はすぐに謁見室を後にしてしまった。人見知りのせいなのか、或いは不老不死の俺が君悪いのか分からなかった。

「はっはっは。中々繊細な感性を持った子でね。将来は芸術家になれそうだと思わぬか?」

「は、はぁ...。」

「しかし黒死病の猛威を食い止める術は無いのだろうか?」

「原因を突き止めるには一人でも多くの医者が要ります。何とか手配してもらえないでしょうか?」

「医者か...確か神官の中には医術の知識を持った者もいるな。どうだソムリオ?そなたの方から何人か寄越して貰えぬか?」

すると服装が立派な僧侶...ソムリオが少し思案した後、王様に発言した。

「確かに我々の中に医術の知識を持った者はいます。しかし...私はこの事態を、精霊のお導きによるものと考えます。我々に出来る事は、最早神に慈悲深い許しを乞う事だけでございます。」

彼の言っている事は聞こえは良いが、内容がアバトのそれとほぼ同じであった。王様は気付いていないのか、考えを改めてしまった。

「なるほどな。ならば医者よりも祈祷師を手配した方が良いな。どうだろうスカイ団長?」

「...。俺達も出来る限りの事はします。なので是非、医者を手配して下さい。」

「うむ、承知した。ウィリアム、スカイ団長を見送ってやってくれ。」

「...かしこまりました。」

ウィリアムは王様の命令を聞くと、俺を案内した、

「こちらにございます。」

彼の言葉からは、まるで嫌々で王様に従っているような感情が聞き取れた。


暫く2人で城の門まで歩いたが、会話も何も無かった。俺はウィリアムに申し訳ないと思い、見送りを途中までにしてもらうようにした。

「ここまでで十分だ。ありがとう。」

「...。」

「ウィリアム?」

「私にだって出来ます。」

ウィリアムが小声で呟くと次の瞬間、鬼の形相で俺に怒りをぶつけてきた。

「私にだって...あなたみたいに優秀な部下がいれば、手柄を上げる事くらい出来ます!」

するとウィリアムはそのまま俺の側から離れて行った。彼の突然の行為に驚いたものの、あの時の強い視線の意味が分かった。彼は俺達に嫉妬していた事を...


騎士団本部に戻り、俺は引き出しに入れていた手紙の封を切った。去年届いた物であり、内容は予想通りだった。

"聖炎騎士団団長 スカイ=ウルメイア=フィールドへ

この手紙を読んでいる頃には、私はもうこの世にいないかもしれません。数日前、ツルギが天寿を全う致しました。彼は最期まで私の側にいて、私の為に尽くしてくれました。彼が私を好きだった事は知っていましたので、何度も求婚したのですが...彼は私を守る事が天命だと言ってばかりでした。なので責めて天国で彼と一つになる為に、私をツルギと同じ墓に入れてと遺言を残しました。

貴方との出会いで私もツルギも大きく変わりました。世界の破滅を回避してくれる事を、切に思っております。

アリアより"

昔は仲間の訃報に意気消沈していたが、何十年も生きてきたせいか、人の死に慣れてしまったようだ。俺は手紙を引き出しの中に戻し、次の災厄に向けての戦力強化に取り組んだ。

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