第4次ベルフェザード戦 中編
聖炎騎士団と破滅の死者の一人、ゴルゾフとの戦いが始まった。
奴は高い素早さを持っていたが、それでも術者ピックの方が上を行き、先手を取った。"石蛇の晶石"の効果で、ゴルゾフは石化した。ピックに続き、僧侶の支援を受けたツルギの一撃が急所に当たり、アーチャー・リリスの順で攻撃が終わり、これで1巡目の戦闘が終わった。
ゴルゾフは次から連続攻撃を仕掛けてくるが、俺は石化している好機を活かす為、隊列を変えなかった。そしてアーチャーのエドウィルと僧侶のソシエラに指示を出し、精霊の力を使った。
2人の詠唱に応えた精霊エアリーが頭上から現れ、眩い光をゴルゾフに放った。石化の効果でかなりのダメージを与えられ、エアリーは前列の3人に光の粉を振り掛けて姿を消した。
2巡目の戦闘となり、ピックの攻撃でゴルゾフの石化は解けた。そしてエアリーの力で攻撃力の増したツルギが攻撃した後で、ゴルゾフの攻撃が始まった。ゴルゾフは最初に連続攻撃を繰り出して来た。冒険者の補助で最初の一撃は防げたが、残りの攻撃をピックは全て受けてしまった。アーチャーとリリスが攻撃した事で2巡目の戦闘が終わり、この時点でピックの体力は風前の灯となってしまった。
俺はすぐに隊列を変え、ピックとゴルゾフは体力を回復し、リリスも他の2人を回復した。この時点で奴の体力は残り僅かとなり、最後に俺が攻撃すれば倒せる...筈だった。
3巡目の戦闘はゴルゾフが先手をとり、攻撃は冒険者に向けられた。僧侶と冒険者は体力が同じであった為、奴の攻撃が2人に向けられると予測していたが、攻撃は全て冒険者に向けられ力尽きてしまった。アーチャーと僧侶が攻撃してもまだ倒れなかった。隊列を変えなければ今度は僧侶が戦死してしまう為、俺は隊列を入れ替えた。
ゴルゾフが回復した所で4巡目に入った。先手はゴルゾフが取ったが、リリスの補助のお陰で石化にはならなかったが、連続攻撃は直撃した。そしてリリスの補助を受けた俺の攻撃が運良く急所に当たった事で、とうとうゴルゾフを倒す事が出来た。
「バ...馬鹿な!この俺が...貴様ら人間如きに...。」
「ゴルゾフ...お前の敗因は自分の力を過信した事だ。そして、俺達"人間如き"を見くびっていた事だ!」
「くっ...この俺を倒せたくらいでいい気になるなよ。ベルフェザード様には、<破滅の死者>がいるのだからな...。」
「ほぅ。最期の最後で仲間意識が芽生えたか...。」
「勘違いするな!ゼオンやギルなど、最初から仲間などと思っていない!俺が言っているのは...4人目の事だ...。」
ゴルゾフの言葉に、俺の中で衝撃が起こった。ゼオンとギル以外の<破滅の死者>、ゴルゾフが認める4人目とは一体どんな奴なのか想像もつかなかった。
「奴は既にこの大陸に恐怖を植え付けた。この世界の最期はもう間も無くだろうな...。」
「おい待てゴルゾフ!一体どういう意味だ!大災厄はまだ先の筈だろ!!」
「...。」
俺はゴルゾフに必至に訴えるが、何も答えなかった。そしてツルギがゴルゾフの様子を見て、首を横に振った。
「スカイ殿...此奴は既に臨終致した。」
「どういう事なんだ?ゴルゾフが言った"既に恐怖を植え付けた"って...。」
「スカイ、その話は後だ!あれを見ろ!」
リリスの声に反応して振り向くと、巨大な黒い影からベルフェザードが現れた。そして奴は死体となったゴルゾフを捕食し、それが終わると猛々しい咆哮を上げた。
【ベルフェザード 魔将 レベル10 】
・体力 450 ・攻撃力10(複数攻撃4×4) ・素早さ14 ・回復力 8 ・初回攻撃力 4
特徴•••2.3巡目に複数攻撃、4.5巡目に体力吸収。
奴はゴルゾフを捕食した事によるものなのか、大災厄が近づいているのせいなのか強さが増しているように思えた。
「ベルフェザードか!」
「スカイ殿!まだ災厄は回避出来ておらぬぞ。」
「あぁ。前列はツルギ、剣闘士。中列は俺とピック、リリス、魔騎士。後列はサムライだ。リリスと魔騎士が前列の2人を補助。サムライは俺を、ツルギはサムライを支援してくれ!」
「御意。」
「分かった。」
「俺頑張る!」
俺は戦闘に参加しない団員達に、先程の戦闘で亡くなった冒険者を弔うよう指示を出して隊列を組んだ。そして激しい戦いから間も無く、魔将ベルフェザードとの戦いが始まった。




