閑話 不老不死の団長と剣豪のサムライ
1076年180日目
レイラとツルギ達の忠告により、今まで魔物の攻撃を受けやすい位置から受け難い位置に立つ機会が少しずつ出来た。体力のある団員達も自分達の補助を俺に受けさせてくれるようになった。そのお陰で不調気味だった体調も回復し、重くのしかかっていた疲労が嘘のように消えた。
「皆のお陰で大分良くなったよ。今後も皆には負担をかけるかもしれないが、どうかよろしく頼む!」
「大丈夫ですよ、団長!」
「団長が今まで負って来た分に比べれば、どうってことないっすよ!」
魔物との戦いで疲労が残っているのに、団員達は笑って俺を励ましてくれた。
そしていよいよ予言の年まであと1年半となった。騎士団の戦力は、俺とツルギ、リリス、ピックの他は...。
アーチャー・僧侶・神官・剣闘士・魔術師・サムライ・魔騎士・冒険者・騎士・ヴァルキリーであった。
僧侶は既に衰退期に入っているが、アーチャーと共に授かった精霊の加護を失いたくなかった。そしてサムライと魔騎士の友情により、新たにアマノミツルギと言う精霊が力を貸してくれるようになった。
【アマノミツルギ•••前列の素早さを2倍にする】
ベルフェザードと破滅の死者との戦いに2体の精霊を用意出来たのは良かった。後は俺がどのように編成を組むかが肝心であった。
1077年15日目
俺達は災厄が訪れる北海の孤島への遠征準備を進めていた。今から出発すれば、島の住民達を安全な場所へと避難させる事が出来、村で待機してベルフェザードを迎え討つ事も出来る。
ベルフェザードとの戦いは俺の中では一つの区切りがつけられる戦いともなっている。最初の戦いは奴との戦いの始まり、次はウォルターでの最後の戦い、そしてその次は王都とフェルメアが変わり出した戦い。今度の戦いで一体何が変わる事となるのか予想がつかなかったが、世界が徐々に下方して行っているのは確かであった。聖炎騎士団がこの世界の炎を表しているとすれば、今は松明程度の大きさしかないのかもしれない...。
「どうなされた?スカイ殿。」
「あぁ!?ツルギか...ごめん、ちょっと考え事してて...。」
「いよいよベルフェザードとの戦いの時でござるな。」
「あぁ。そして破滅の死者との戦いもある。絶対に負けられないな。」
「御意!」
俺とツルギが共にベルフェザードと破滅の死者との戦いに勝つ事を誓い合った後、俺はツルギに尋ねた。
「ツルギ...目的地に行く前に、フェルメアへ寄って行くか?」
「何故そのような事?」
「いや...そのなんだ...アリアに励ましてもらってからの方が、俄然やる気が出るかなって...。」
「そのお気持ちだけで充分。拙者には拙者の天命が、アリア殿にはアリア殿の天命があるでござる。今は互いの天命を全うするまででござる!」
「そうか...ごめんよ。余計な事言っちゃって...」
「構わぬでござるよ。」
今の俺とツルギは団長と団員ではなく、ただの友人という間になっている。そして最後に俺はツルギに本心を打ち明けた。
「ツルギ...入団してから今日まで、大分老けたな。」
「スカイ殿は...初めてお会いした時から、変わらぬでござるな。」
「ツルギ...俺が、俺が今日まで戦って来れたのは...!」
俺が最後まで言い切る前に、ツルギは左手の平を俺に見せた。
「それ以上の言葉は...災厄の予言を乗り越えてからにするでござるよ。」
「...あぁ。そうするよ。必ず勝つぞ、ツルギ!」
「御意!」
俺とツルギは握手を交わし、改めて決意を固めた。
1077年 聖炎騎士団
・スカイ17歳(∞)・ツルギ53歳(1)・リリス36歳(1)・ピック30歳(5)




