死闘の予感
今回は短めとなってしまいました...。
1070年31日目
ツルギ達の言う通り、妖精の道を通った俺達は難無く王都へと戻ってこれた。これからは酒場で妖精の道に関する噂話があれば、今後と活用していきたいものだった。
そして俺はレイラの待つ森へと向かい、予言を回避した報告をした。
「イルールでの災厄を回避出来たのですね。しかし思いのほか早く帰ってこれましたね。」
「妖精の道があったから、すぐに戻ってこれたよ。今回はまさかあんな戦いになるなんて...。」
「これから先、あのような魔物が現れる可能性は充分にあります。災厄とは無関係でも、気をつけて下さい。」
「"それでも災厄は回避出来ました。"」
「?」
俺の言葉にレイラが首を傾げた。
「昔のあんたなら、こう言ってただろうなと思ってな。」
「今でもそう思ってます。」
「なら何で言わないんだ?」
「それは...。」
「本当は思っているけど、あえて言わないでおく...そういうのを、何て言うか分かるか?」
「?」
「それを"思いやり"って言うのさ。人間にはこれが大切なんだ。」
「...私をからかっているのですか?」
「いや、感謝してるのさ。ありがとう。」
俺が笑顔で感謝を伝えると、レイラの顔が赤くなった。
「つ、次の災厄は8年後です!」
レイラも自分が急に変な声を出した事にまた赤面したが、咳払いをして落ち着きを取り戻した。
「予言書にも記載されているように、今度の災厄は北の孤島で起こります。」
「あぁ。イルールからの船便で行けるようだったな。たしかあそこには最北の地よりも寒い、極寒の村があると聞いたな。」
「話を戻します。今度の予言では、ベルフェザードが再び蘇るそうです。」
「やはりな...。」
「しかもそれだけではありません。予言書には<破滅の死者>が現れるとも書いてあります。」
破滅の死者と聞くと、ゼオンとギル、そしてゴルゾフがすぐ現れた。若しや今度の戦いは、当に死闘になるやもしれないと予感した。
「スカイ...限られた時を有効に使い、力を集めて下さい。」
いつに無くレイラの瞳に強い意志を感じた。世界を守る為、必ず勝って欲しいと強く願う瞳だったと思った。
騎士団本部に戻り、俺は皆に次の予言を伝えた。ツルギは冷静であったが、リリスとピックは動揺を隠せなかった。
「ベルフェザード...魔物の最高位の存在か...。」
「俺...怖い...。」
「スカイ殿、今度の災厄にはあのゼオンやギル、ゴルゾフが現れるのでござろうか...。」
「可能性は充分にある。だから...これからの8年間は、最高の戦力で臨むつもりだ!酷な事を言うが、新戦力が現れたら随時入れ替える。騎士団に入ったばかりの者、長くいる者は肝に銘じてくれ。必ず勝つぞ!」
「おおぉぉぉーーー!!」
団員達の覚悟が充分に伝わった。ベルフェザードだけでなく、今度は破滅の死者達と戦うのだから...。
再び蘇るベルフェザードとの戦い、そしていよいよ<破滅の死者>との戦い、決して避けられぬ戦いへのカウントダウンが今始まる。
災厄まであと8年。




