呪われた騎士団
1069年45日目
この日俺達はルベリオンと言う街に出没した魔物を討伐した。この街は2つの山に挟まれた要塞都市グラディウスの内側にある平地にあった。しかし平地とは言え、ルベリオンまで行くには砂漠のような荒地を進まなければならなかった為、団員達は疲弊していた。
「スカイ殿、この後王都へ向かうのであれば、グラディウスで休息を取るべきではないかと。」
「そうだな。まさかこんな荒地を進む事になるとは思ってなかったからな。」
「スカイ疲れた!腹減った!」
ピックが疲弊のあまり駄々をこねた。そこへガイラスが来て、ピックに一喝した。
「バカヤロオゥ!んな事ぁ皆おんなじよぅ!ガキでも男なら見っともねぇ事すんじゃねぇ!」
「俺...男。俺...ピック...。」
ピックは泣きべそをかきながらも、何とか堪えていた。
「けどよぅ。大分強くなったじゃねぇか。ツルギの旦那程じゃねぇが、魔物にキツイの食らわせてたな。」
「確かに。ピック殿は魔物の急所を狙うのが上手いでござるな。」
「えへへ。俺褒められた。ガイラスとツルギのおじちゃん達に褒められた!」
ピックの"おじちゃん"という発言に、俺とリリスは思わず吹き出してしまった。
「おいピック!テメェ俺を"おじちゃん"って言うんじゃねぇ!」
「拙者もまだそのような歳ではないぞ。」
「でも、ピックからしたら2人は"おじちゃん"かもな。」
「良いじゃないかガイラス。ピックをチビやガキなどと呼ぶのだから。」
「良かねぇ!!」
ルベリオンからグラディウスに来た俺達は、宿を確保して団員達を休ませた。そして俺はガイラスと共に、あの2人の家に向かった。
「帰ったぞ!エレナ、ルース!」
ガイラスが2人を呼ぶと、奥から2人が現れた。
「お父さん!お帰りなさい!スカイ団長もお久しぶりです。」
エレナと再会するのはもう10年くらい前になる。すっかり大人の女性へと美しく成長し、今や2人の子供を持つ母へと逞しくなっていた。
「お帰りなさい、お父さん。吸血鬼が現れた時以来ですね。」
「おぅよ。あの時の聖騎士の嬢ちゃんは、今や聖炎騎士団の一員よ。あとついでに、イタズラ好きのチビもいるがな。」
「まぁ。お父さんさんったら、騎士団で素敵な方々と一緒になれたのね。」
「まぁな。」
「ガイラス...。」
俺が何かを言う前に、ガイラスが手を上げて遮った。
「スカイ団長、それ以上言わなくて良いぜ...。リリスもピックも十分強くなった。まだまだ不安な所はあるが...そこはツルギの旦那に任せるぜ。」
「そうか...今までありがとう、ガイラス。」
俺とガイラスは固くてを握り、別れを惜しんだ。
「スカイ団長、お父さんの夢を叶えてくれてありがとうございました。」
「スカイ団長、俺もっと強くなって街の人達を守れるようになります。」
「あぁ。元気でな、エレナ、ルース。」
1069年300日目
そろそろ予言の災厄が現れる場所、王都から西北にあり、グラディウスからは北にある港街イルールへと出発した。
退団したガイラスの後任に、俺と同じ戦士を加入させた。5年間しか戦えないが、即戦力としては問題無かった。
「スカイ殿、此度の災厄は今までとは違うとは本当か?」
「あぁ。今までは強力な魔物が1体だけだったが、今度は複数かもしれないんだ。」
「複数の魔物との戦い、団員達の疲労具合を考えた編成を組まねばならないな。」
「俺元気!何か調子良い!」
「それは良かった。他に調子が優れない者はいるか?」
「魔術師の1人と僧侶が良くないでござる。」
「そうか。ピック以外にも調子が良いのがいたら、編成に組み混んでみるか。」
1070年30日目
予言の年になり、俺達が目的地に到着すると、そこには既に壊滅された光景が広がっていた。
「そんな...まさか!?俺達は...間に合わなかったというのか?」
「スカイ殿気を確かに!あれを見よ!」
ツルギがフリーズしそうな俺を一喝し、指先に何かを指し示した。するとそこには驚くべき光景が見えた。
「俺達ぁ泣く子も黙る山賊団<鉄拳>だ!」
「殺されたたくなきゃ、金目の物を全て寄越しな!」
「嘘だろ...世界が魔物で苦しんでるってのに...人間同士が争うなんて...。」
「これも災厄の影響でござろうか...。」
「スカイ、あれを見ろ!奴らの中に、奇妙な奴がいる。」
リリスが指し示すと、確かに1人だけ奇妙な格好をしたのがいる。すると俺の視界に、奴の能力が示された。
【モンピート 誘惑者 ∞歳】
・体力20 攻撃力5 素早さ10.0 支援力10 援護力10 自回復力12
「まさか!?あれがあいつらを操っているのか?」
「ならばあれを倒せば、奴らも正気を取り戻すでござろう。」
「スカイ、俺やるぞ!悪い奴らやっつける!」
「人間同士との戦いは胸が痛むが、覚悟を決めろスカイ!」
「分かった...。行くぞ<鉄拳>!俺達聖炎騎士団が相手だ!」
滅びの予言を回避する為、俺達は同じ人間同士との戦いを選ぶ事を覚悟した。




