#10
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悠真は夢を見ていた。
真っ暗闇の中、たった1人で途方に暮れていた。
退屈。困惑。閉塞。空虚。
矢も盾もたまらず悠真は『命』を作り始めた。
寂しさを紛らわせるためだった。
しかし五感を備えた『命』を作ると悠真はそこから離れた。
『命』がどんな行動をとるか観察したかったからだ。
『命』は『命』を作り出した。
五感を備え、脳の大きさも一緒。
『命』は寂しさを紛らわせるために『命』を作っているようだった。
『命』はやがて『集団』になった。
『集団』はやがて『社会』になった。
『社会』はやがて『文明』になった。
『文明』は『余剰』を生み『余剰』は『格差』を生み『格差』は『戦争』を生んだ。
『命』は互いに殺しあっていた。
本能が。個性が。親密さがすれ違いを生み、諍いを起こし、奪い合い、殲滅しあっていた。
まただ。また一からやり直しだ。
悠真は絶望を感じていた。
どうやっても同じ結末にたどり着いてしまう。
この作業に一体なんの意味があるのか?
凄惨な殺戮の嵐を悠真はただ眺めるばかりであったが、ふと視線を感じてそこに注意を向けた。
殺しあいのただ中、一つの『命』が上を向いていた。
悠真を見つめていた。
その視線が訴えかけるものを悠真は理解した。
あれは俺か?
俺は俺自身を殺しあっていたのか?
途端に全身が総毛立ち、ハッと上を向く。
そこは一面の暗闇。
ではなかった。
そこに自分がいた。
自分の顔が。
空間一面に広がった巨大な自分の顔が、青ざめた表情で自分を見下ろしていた。
その背後、巨大な自分の上に更に巨大な自分が同じく自分を見下ろしていた。
更にその奥。
更にその奥にも。
無限に自分が自分を見下ろしていた。
その時やっと悠真は気づいた。
俺はずっと同じことを繰り返していたんだ。
ずっと『次元』を作り続けていたんだ。
ずっと前から。そしてこの先もずっと。永遠に。
悠真は絶叫した。
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