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#10

挿絵(By みてみん)

********************************************


悠真は夢を見ていた。


真っ暗闇の中、たった1人で途方に暮れていた。


退屈。困惑。閉塞。空虚。


矢も盾もたまらず悠真は『命』を作り始めた。


寂しさを紛らわせるためだった。


しかし五感を備えた『命』を作ると悠真はそこから離れた。


『命』がどんな行動をとるか観察したかったからだ。


『命』は『命』を作り出した。


五感を備え、脳の大きさも一緒。


『命』は寂しさを紛らわせるために『命』を作っているようだった。


『命』はやがて『集団』になった。


『集団』はやがて『社会』になった。


『社会』はやがて『文明』になった。


『文明』は『余剰』を生み『余剰』は『格差』を生み『格差』は『戦争』を生んだ。


『命』は互いに殺しあっていた。


本能が。個性が。親密さがすれ違いを生み、諍いを起こし、奪い合い、殲滅しあっていた。


まただ。また一からやり直しだ。


悠真は絶望を感じていた。


どうやっても同じ結末にたどり着いてしまう。


この作業に一体なんの意味があるのか?


凄惨な殺戮の嵐を悠真はただ眺めるばかりであったが、ふと視線を感じてそこに注意を向けた。


殺しあいのただ中、一つの『命』が上を向いていた。


悠真を見つめていた。


その視線が訴えかけるものを悠真は理解した。


あれは俺か?


俺は俺自身を殺しあっていたのか?


途端に全身が総毛立ち、ハッと上を向く。


そこは一面の暗闇。


ではなかった。


そこに自分がいた。


自分の顔が。


空間一面に広がった巨大な自分の顔が、青ざめた表情で自分を見下ろしていた。


その背後、巨大な自分の上に更に巨大な自分が同じく自分を見下ろしていた。


更にその奥。


更にその奥にも。


無限に自分が自分を見下ろしていた。


その時やっと悠真は気づいた。


俺はずっと同じことを繰り返していたんだ。


ずっと『次元』を作り続けていたんだ。


ずっと前から。そしてこの先もずっと。永遠に。


悠真は絶叫した。


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