#36
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目眩を起こすほどの巨大さ。
頭頂部は雲よりも遥か高みにあり、ひょっとすると成層圏にかかっているかもしれない。
ポッドは2基とも巨獣から離れつつあるにも関わらず、距離感が全く変化しなかった。
「こんなの……どうしろってんだ。」
悠真は途方に暮れていた。
無意識にかぶりをふって、そのせいでこめかみにまだ電極が張り付いていることに気がついた。
まだ何か言うべきことが……。
次に打つべき手をひねり出そうと苦悩している悠真に、並行飛行しているポッドから美咲が大声で呼びかけた。
「見て!悠真くん!」
言われて振り返る。
巨獣の後方。
成層圏よりもはるか上空。
いくつかの光点。
星?
いや。それはゆっくりと寄り集まっていた。
「なんだ?」
「太陽光発電衛星よ!」
それは人工衛星だった。
この社会のフリーエネルギーの源。
ゼロポイントエナジーを成立させる要。
そして。
かつて地球に壊滅的被害を与えた、マイクロウェーブ照射を行った終末兵器。
「まさか……。」
「安全圏を確認。降下します。」
ポッドが知らせて急に方向転換した。
「悠真くん!本社よ!」
美咲が叫ぶ。
見ると前方に、山津波の被害を免れた超高層ビルが見えた。
日本製電株式会社。
「あそこに着陸するみたいっ!」
吹き荒ぶ風の中、美咲の声が聞こえる。
あれだけの被害を受けてもまだ無事なところはある。
無事なヒトも……!
悠真は慌ててアイビックに念話を送った。
——やめろアイビック!やめるんだ!
そんなことしたら何もかも無駄になってしまう!
網膜に文字が投影される。
返事はない。
——頼むからやめてくれ!
光点はアイビックの背後に集結しつつある。
「アイビックッ!!!」
絶叫した瞬間、軽い刺激が全身に走り、悠真はフリーズした。
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