#34
********************************************
悠真はダムの底を目指して全力で潜っていった。
その行く先にあるもの。
冷凍保存装置。
2基のポッドが並んでダムの底に沈んでいるのを見つけた。
悠真は自分が浮き上がらないようにポッドに掴まると、側面に取り付けられたモニターを確認した。
まだ動いてる!すげー頑丈!
中に横たわっているのはオリジナルの悠真。
推測が正しければイケるはず。
悠真は自分の掌を掌紋センサーに押しつけた。
イメージセンサーが手のしわや指紋を二次元の画像データに変換。照合。認証する。
『佐藤悠真。日本製電株式会社。AI統合開発室室長。』
モニターに役職名が羅列される。
『ようこそ悠真さん。』
よし!俺をオリジナルと認識した!
続いてホーム画面に切り替わり、様々な選択肢が表示された。
『生命維持』『通信』『緊急保護』……緊急保護?
災害検知、自動推進、推進?耐水、耐熱、耐圧……宇宙空間?!
どんだけのこと想定してんだこのポッドは!
ひとまずこれらの機能は今は必要ない。
『保守機能』を選ぶと、管理者画面に切り替わった。そこからアイビックを呼び出す。
頼む!答えてくれ!
読み込みがやけに遅く感じる。
軽やかな起動音と共にポッドの一部が開いて、2本の電極が飛び出してきた。
救急ドローンのものと同じ、こめかみに貼り付けるタイプ。
若干躊躇ったが意を決して左右のこめかみに電極を貼り付ける。
途端に網膜にコードが投影される。
********************************************
// ===== アイビック =====
[起動]
boot()
status = ONLINE
//----------------------------------
[入力待機]
> ご用件はなんですか?
await(user_input)
// ===== READY =====
********************************************
来たっ!!!
悠真は意識を集中させてアイビックに呼びかけた。
********************************************




