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#19

挿絵(By みてみん)

********************************************


再度山観測所は市内でも有数のデートスポットとして知られる展望台がある公園のすぐそばに建っていた。


金星の太陽面通過という非常に珍しい天文現象を観測するためだけに建てられたため、それ以降は閉鎖、今現在は日本製電株式会社の所有になっており、天体観測所としては機能していない。


悠真たちはヒト目を避けるため、歩道は通らずに山の斜面づたいにその観測所を目指していたが、目的地は公園の向こう。


さすがにここまで来ると身を隠せそうな場所が見当たらなかった。


こんな状況でなかったら……。


2人きりでいることを逆に悔やむ悠真。


平日の昼間でもカップルや観光客で賑わっている。


それがみんなアンドロイドだと分かっていても、なんとなく疎外感のようなものを感じていた。


「悠真くん悠真くん!」


美咲が肩を叩いた。


「これはもう突っ切るしかないよ。」


「どうやって?」


「みんなとおんなじようにすればいいのよ。」


言うなり美咲は悠真に腕を絡めると俯き加減に密着した。


あ、あかんてっ!!!


美咲の意図は理解した。


ラブラブカップルを装うわけだ。


しかしこれはあかん!!!


悠真は卒倒しそうになるのを歯を食いしばって堪えると、自分も美咲の方に寄りかかり俯いた。


ピッタリくっついておぼつかない足取りのまま公園を横切る。


かえって目立たないか?


悠真の心配をよそに2人は無事公園を通過して、観測所の敷地内に辿り着いた。


「楽勝だったね。」笑顔の美咲。


いえ。割かし際どいところでした。


フリーズ寸前までいったことを悠真は黙っていた。


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