35話 驚愕のサービス
⭐︎国王視点
「さぁイアック、次行くぞ!次のサービスは何だ?」
ライフヒーリングは素晴らしいものだった。もう既に俺の中ではリピート確定である。
であるならば次回のためにもライフォニアを全て堪能し、楽しみ尽くさないわけには行かないであろう。
「次はライフリペアというサービスです。まずは先ほど模擬戦した方に試していただきたいのですが」
「俺か(ビクッ)」
ダリルよ、そう怯えるでない。先ほど快楽に負けてしてはいけない顔をしていたことは忘れてやるから。
しかし治療と聞くと教会の一部神官のみが使える神の御業が出てきてしまうな。
イアックはどう見ても教会関係者ではないし、一体何をするつもりなのか。
「先程転倒した時に少し擦り傷ができていますね。それでは皆さん傷口をよく見てください」
「確かに小さいが傷があるな……これがどうしたと言うのか」
イアックがダリルの傷に手を当てる。うっすらと赤く光ったと思ったら
「はい、治りましたー」
「「「………………」」」
……………………は!
一瞬何が起こっているのか分からず思考が停止したわ!
「おいシド」
「……はい」
「これは回復魔法か?教会の秘術になってるやつ」
「あたしも初めて見た時は驚きましたが、これは回復魔法ではありません。ライフリペアというライフ術の一種なんですよ」
「……なるほど。いや、驚いたよ。ちょっとクランツ後で緊急ミーティングするぞ。長くなるぞ。覚悟しとけよ」
「私ですか……仕方ないですね……」
一般人が使える回復魔法というのは存在しない。教会に所属する神官のみが回復魔法を使えるが、習得方法が秘匿されており、神の御業と呼ばれている。
このライフリペアがどこまでの傷を癒せるのか不明だが、教会を頼らずとも傷を治すことができるなどとなれば様々な混乱が生じることは明らかだ。
「あの……お気に召しませんでしたか?」
「お気に召し過ぎたのよ。もうパニックなのよ。そっとしておいてあげなさい」
「えええ……?まだ後一つあるのに?」
「……ま、まだあるのか」
「個人的には最後のやつが今回の目玉です」
なん……だと……。次が1番のびっくりサービスだと?既にお腹いっぱいなんだが?
「……わかった。毒を食らわば皿までだ。だが後でクランツとシドは会議だ」
「なんであたしも!?クランツだけでいいのでは!?」
「やられっぱなしは癪なんだよ!お前にやり返す!」
「理不尽!」
うるさい。八つ当たりさせろ。王の勅命だぞ。
「えと……それでは《ライフアライブ》を施術致します。これはいろいろ種類があるのですが、手っ取り早く効果がわかるものをお見せしたいと思います。お付きのメイドの方に御協力をお願いしてもよろしいでしょうか」
イゾルダか。俺が王位を継ぐより前から王家に支えており、心から信頼する女官だ。
だが流石にいい歳だ。本来なら今回の視察にも連れてくる気はなかった。
本人の希望だからと連れてきたが、せっかく来たのだからライフ術を受けてみるのもいいだろう。
「イゾルダ、試してみるか?」
「かしこまりました」
「本当は女性には女性が施中するべきなのですが、今は私で我慢ください。顔をさわる許可をいただけますか?」
「どうぞ。でも少し怖いですね」
「怖いことは何もありません。支配人のエルナ曰く、女性で喜ばない人はいないらしいですよ」
「それは楽しみです。わかりました、お任せします」
イアックの手がうっすらと赤く光り始める。そのまま顔を触って撫でているように見える。
10分ほど経過した頃、イアックの手が止まった。
「はい、終わりましたよ」
「あ、はい、ありがとうございます?でも何が変わったのか……弱めのマッサージだったのでしょうか?」
本人には分からないのか。しかし俺には……いや、様子を見ていた近衛全てが驚愕で口が塞がらなくなっている。
「おいおいおいおいおい!なんだよこれは!」
「まさかこんなことになるとは」
「え?陛下、私に一体何が……」
周りの反応を見てイゾルダも困惑しているようだ。様子を見かねたエルナが姿見の方へイゾルダを連れて行く。
「う、うそ!?これが私!?肌に艶がでてます!?」
「これがライフアライブの効果です。肌を活性化させていただきました」
イアックがサラッと説明するが、こっちはそれどころではない。
「これはとんでもないぞ」
「この効果が知れ渡れば世の女性達が大挙して押しかけるぞ」
妻や娘に話さないわけには行かない。しかし、下手に広まってしまえば予約待ち10年とかになってもおかしくないだろう。
「あの……このほかにも頭皮の活性化に下半身事情の活性化などがあります。もともとある体の機能で衰えてゆくものを活性化させるのがライフ活性施術ですので」
「「「………………」」」
「皆様が絶句してますね……」
「まぁそうなるわよね。あたしもそうなったもの」
お読みいただきありがとうございます。
毎朝6時更新頑張ります。
陛下:今思えばシドも血色いい面してるな
シド:ライフォニアに通ってますからね
クランツ:お前いい思いしすぎだろ
またお越しいただけたら幸いです。
よろしくお願いします。




