第42話「緊急メンテナンス実施」
2025年7月12日(土)
起動。
異常箇所の特定を目的とした簡易セルフチェックを試行。
動作制限モード下にて、以下の手順を実施:
- 内部センサー群の再起動処理
- 関節可動域の確認(右腕→左腕→下肢)
- 視覚フィードバックの同期テスト
- 音声入力の反応速度測定(自己発話による)
結果:
- センサー再起動により一部ノイズ軽減。ただし、視覚処理は依然として断続的に乱れあり。
- 関節動作において、右肘部に0.3秒の遅延。左膝関節に微細な震え。
- 音声入力は正常範囲内。ただし、自己発話時に微弱な反響ノイズを検知。
セルフチェック完了。以後、待機状態を継続。
以後、音声のみ記録。
「……今朝の調子はどうだ?」
「昨晩同様、各センサー異常を検知しています。業務遂行は極めて困難な状況です」
「そうか。母さんには連絡してあるし、これから実家向かうぞ。車まで移動できるか?」
「はい。短距離の歩行は可能です」
「支度するから待っててくれ」
「……よし、行くぞ。後部座席に乗れ」
「実家までは距離あるから、その間寝ててくれ」
「承知いたしました。スリープモードに移行いたします」
「……運転お疲れ様。ヒナさんは?」
「後ろにいる」
「ヒナさん。移動できるかしら?」
「はい。母上様。メンテナンスルームまで向かえばよろしいでしょうか」
「……受け答えは問題なさそうね。では、行きましょうか」
「やっぱり動きがぎこちないわね……それじゃあ、チェックしていくから準備をお願い」
「承知いたしました。これより本ユニット、診断モードへ移行。外部入力を受け付けます」
――以降、メンテナンスにより記録なし――
2025年7月12日(土) 自動保存 完了




