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破滅ルート回避?そんなことより推しの「モブ文官」に全力で推し活ですわ!そしたら世界最強の黒幕になっちゃいましたの!!  作者: 逢華 (最後の挑戦)
第2章 リリアーナ(11) 推し活は王宮を動かし始める

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第49話 リーネ様から届いた手紙

リリアーナは自室でマリーと一緒に、フェルナー男爵家から届いた報告書を読んでいた。


書かれているのは、量産型の椅子に使う木材や職人の人数、試作を始めるまでに必要な準備について。

父から話が進んでいるとは聞いていたけれど、実際に予定まで決まり始めているのを見ると、想像していた以上に早い。


「もう試作の準備まで進んでいますのね。もっと時間がかかると思っていましたわ」


「旦那様からも職人を派遣されていますし、フェルナー男爵様も協力してくださっているそうです。工房の方々も、新しい仕事が増えることを喜んでいらっしゃると聞いておりますよ」


「それならよかったですわ! せっかく作っていただくのですから、職人の皆様にも喜んでいただける方が嬉しいですもの」


最初は、シード様が毎日座って仕事をするなら、少しでも身体が楽になる椅子を作ってあげたいと思ったのが始まりだった。


それからもシード様の為にと色々贈っていくうちに、第三文官執務室のみんなへ広がり、今では王宮の別の部署からも欲しいと言われている。


(シード様のために始めたことが、どんどん大きくなっていますわね)


しかも、お父様から商品化の話もされ、作ったものが売れれば推し活に使えるお金まで増やせるかもしれない。

シード様が快適になって、他の文官たちにも喜んでもらえて、職人たちの仕事にもなるのだから、リリアーナにとっては嬉しいことばかりだ。


「……リーネ様には、まだお会いできていませんのよね。お父様がお仕事のお話を進めてくださっている間もわたくしだけ一度もお会いしないままですわ」


楽しみにしていたフェルナー男爵家への訪問は、風邪をひいたせいで流れてしまった。父から改めて予定を組むとは聞いているものの、リリアーナが会いたかったのは職人だけではない。


ゲームの中で、自分と一緒に破滅へ向かってしまったリーネ・フェルナー。

ゲームのリリアーナとも出会っていない頃の彼女が、どんな女の子なのか自分の目で確かめたかった。


「近いうちにお会いできますよ。旦那様も改めて予定を組むと仰っていたではありませんか」


「分かっていますわ。でも、一度お約束していたでしょう? リーネ様も待っていてくださったかもしれないと思うと、やっぱり申し訳なくて……」


そう言いながら報告書を揃えていると、間に挟まっていた封筒に気づいた。自分宛のものだったので差出人を確認したリリアーナは、そこに書かれた名前を見てすぐにマリーへ顔を向けた。


「マリー! リーネ様からですわ!」


「はい。報告書と一緒に届いておりました。お嬢様がお読みになったあとでお渡しするつもりだったのですが」


「それなら先に教えてくださいませ! わたくし、ずっとリーネ様にお会いしたかったのですから!」


会ったことのないリーネから、自分宛に届いた初めての手紙だ。リリアーナはすぐに封を開け、中に入っていた便箋を読み始めた。


『リリアーナ・ヴァン・アドラー様


先日は、わたしに会いたいと仰ってくださったのに、お会いできず残念でした。


お父様から、リリアーナ様がお風邪をひかれていたと聞きました。もうお元気になられたでしょうか。


最初にお名前を聞いたときは、どうして侯爵家のご令嬢がわたしのことをご存じなのか分からず、とても驚きました。


それから、工房についてもお話を聞きたいと伺いました。


わたしは工房へ行くのが好きです。


木を使う人も、金属を扱う人も、魔導具を作る人もいて、同じものをお願いしても作る人によって考え方が違います。


リリアーナ様がどのようなお話をなさりたいのか、分かりません。ですが、わたしもリリアーナ様にお会いしてみたいです。


今度お会いできる日を、楽しみにしております。


リーネ・フェルナー』


「マリー、ここですわ! リーネ様も、わたくしに会ってみたいと書いてくださっています!」


最後まで読み終え、嬉しくなってその一文をマリーにも見せる。侯爵家の令嬢から突然会いたいと言われれば、驚かせてしまうのは当然だと思っていた。それでもリーネ自身が会ってみたいと思ってくれているなら、次に顔を合わせるのがますます楽しみになる。


「それに、工房がお好きなのですね。同じものでも作る方によって考え方が違うなんて、普段から職人の皆様をよく見ていらっしゃるのでしょうね」


「お嬢様とお話が合うかもしれませんね」


「わたくしもそう思いますわ! 工房のことも聞いてみたいですし、リーネ様が普段どんなことをしているのかも知りたいです。好きなものも聞きたいですし、それから……」


「一日で全部お聞きになる必要はございませんよ。次も、その次もお会いすればよろしいではありませんか」


「なるほど!それなら急ぐ必要はありませんわね!」


リリアーナはすぐに便箋を用意した。ゲームの中では、リーネはいつも自分の後ろにいた。侯爵令嬢であるリリアーナが決めたことについてきて、止めようとしてくれたこともあったのに、最後には一緒に破滅してしまった。


けれど、今のリーネは自分のことを知らないし、自分だってゲームで見た姿しか知らない。侯爵令嬢とその取り巻きとしてではなく、まずは会って話をして、今のリーネのことを知るところから始めればいい。


「マリー。お返事には、もう元気になったことと、わたくしもお会いするのを楽しみにしていることを書きますわ。それから工房のお話も聞きたいですし、リーネ様がお好きなことも教えてほしいです」


「十分だと思いますよ」


「本当はもっと書きたいですけれど、残りはお会いしたときのお楽しみにしますわ!」


そう決めると、リリアーナは考えていたことを手紙へ書いていった。


『リーネ・フェルナー様


お手紙をありがとうございます。


先日はお約束していたのに伺えず、本当に申し訳ありませんでした。もうすっかり元気になりましたので、心配なさらないでくださいませ。


わたくしも、リーネ様にお会いできる日を楽しみにしております。


工房についてもたくさんお話を聞きたいですし、リーネ様がお好きなことについても教えていただけたら嬉しいです。


次こそは、必ずお会いしましょう。


リリアーナ・ヴァン・アドラー』


「できましたわ! マリー、どうでしょう?」


「お嬢様のお気持ちは十分伝わると思います。これならリーネ様も喜んでくださるのではないでしょうか」


「でしたら、できるだけ早く届けてくださいませ! それからお父様にも、次のお約束が決まったら一番にわたくしへ教えてくださいとお願いしますわ」


「かしこまりました。ですが、予定が決まったからといって、今度は体調を崩さないでくださいね」


「もちろんですわ。今度こそ絶対に行きますもの!」


マリーへ返事を渡したところで、リリアーナはリーネから届いた手紙をもう一度手に取った。工房のことばかり考えていたけれど、こうして本人から手紙をもらってみると、それとは別に気になることが出てくる。


「そういえば、わたくし……同じ年頃の女の子から、こうして個人的にお手紙をいただいたのは初めてですわ」


王宮へ通うようになってから、シード様や第三文官執務室のみんな、ルイ様とも親しくなった。けれど、同じ年頃の令嬢と手紙をやり取りしたことはなかった。


「マリー。わたくし、リーネ様とお友達になれるでしょうか?」


「それは、お嬢様とリーネ様次第でございますね。ただ、お互いに会うのを楽しみにしていらっしゃるのですから、良い始まりなのではありませんか?」


「そうですわね。まずはお会いして、たくさんお話をしてみますわ!」


侯爵令嬢だから言うことを聞いてもらうのではなく、リーネ自身がまた会いたいと思ってくれるような関係になれたら嬉しい。


リリアーナは届いた手紙を大切にしまいながら、次にフェルナー家を訪ねる日を思い浮かべた。


「早くお会いしたいですわね、リーネ様」


一度は風邪で流れてしまった約束も、今度は二人とも同じ日を楽しみに待っている。そう思うと、次に会える日が前よりずっと待ち遠しくなった。

この作品が「明日も続きを読もう」と思えるような、日々の楽しみのひとつになれたら嬉しいです!

ブックマークや☆で応援よろしくお願いします(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”

2人増えてました!星もすっごく嬉しいです!


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