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破滅ルート回避?そんなことより推しの「モブ文官」に全力で推し活ですわ!そしたら世界最強の黒幕になっちゃいましたの!!  作者: 逢華 (最後の挑戦)
第2章 リリアーナ(11) 推し活は王宮を動かし始める

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第45話 やるべきことを、やりますわ!

翌日の午後


いつもの授業を終えたリリアーナは、マダム・ヴァレンティノが採点を終えるのを待ちながら、昨日アルベルトから聞いた話を考えていた。


目の前では、マダムが提出した課題を一枚ずつ確認している。最後の一枚まで目を通したところで紙を揃えたため、リリアーナはちょうどいい機会だと思って声をかけた。


「マダム。昨日、お父様から来年の王立学園についてお話がありました。これからは学園へ向けた勉強も始めると聞いたのですが、今までより授業を増やした方がよいでしょうか?」


「必要ございません」


予想外の返答に、リリアーナは思わずマダムの顔を見る。


「増やさなくても大丈夫なのですか? お父様からは、貴族同士の関係や社交についても学ぶことになると聞きました」


「そちらについては、今後の授業へ順次組み込んでまいります。ただし、そのために授業時間そのものを増やす必要はないと考えております」


マダムはそう答えると、先ほどまで確認していた課題をリリアーナの前へ置いた。


今回も訂正は一つもない。


「私はこれまで、王立学園へ入学する前のご令嬢を何人も指導してまいりました。その経験を踏まえて申し上げますが、リリアーナ様は今のまま続けていただければ何も問題ございません」


「今のままで……」


「はい。課題を忘れたことは一度もなく、お教えした内容も次の授業までには身につけていらっしゃいます。分からないことを分からないままにせず、ご自分で調べ、それでも答えが出なければ質問なさる。その姿勢も以前から変わっておりません」


淡々と並べられていく言葉を聞きながら、リリアーナは少しだけ落ち着かない気持ちになった。


自分では、特別なことをしているつもりはなかった。

授業を受けたら復習する。課題が出たら終わらせる。分からなければ調べる。それでも分からなければ聞く。


ただ、それを続けてきただけだ。


「それに、最近は以前よりも考え方が柔軟になられました。教本に書かれている答えを覚えるだけではなく、なぜそうなるのか、その制度によって誰がどのように動くのかまで考えていらっしゃる。これは学園へ入ってからも役に立つでしょう」


「それは……王宮へ行くようになったからかもしれません」


実際に働いている人たちを見るようになってから、教本に書かれている制度の見え方が少し変わった。


一行で説明されている制度にも、それを運用する人がいる。書類一枚にも、作る人、確認する人、届ける人がいる。


第三文官執務室へ通っていなければ、そんなことを考える機会はなかったかもしれない。


「良い経験をなさっているのですね」


「はい!」


そこだけは自信を持って答えられた。

シード様を眺める時間が勉強にも役立っていたなんて、なんて素晴らしいのだろう。


嬉しくなっていると、マダムが珍しく柔らかな表情を見せた。


「リリアーナ様。私は必要であれば、遠慮なく課題を増やします。授業時間を増やす必要があると判断すれば、旦那様にもそう申し上げるでしょう」


マダムなら間違いなくやる。


「ですが、今のリリアーナ様にその必要はございません。私がこれまで見てきたご令嬢の中でも、十分に努力なさっています。このまま続けていただければ、学園へ入学されても何も問題はないでしょう」


まさかマダムからそんな言葉をもらえるとは思わず、リリアーナは驚いてしまった。


マダムは、お世辞で褒めるような人じゃない。


できていなければできていないと言うし、足りなければ容赦なく課題を増やす。そんな人が「十分に努力している」と言ってくれたことが、何より嬉しかった。


昨日から聞いた言葉を思い返しているうちに、リリアーナの中にあった学園への不安はずいぶん小さくなっていた。


やるべきことは、今まで通りきちんとやればいい。お父様もお母様も、マリーもマダムも、それぞれ言い方は違ったけれど、誰も好きなことを我慢しろとは言わなかった。


それなら、十一歳になっても自分らしく過ごせばいい。


家族との時間を大切にして、マリーともたくさん出かけたい。王宮へ行けば第三文官執務室の皆に会えるし、まだまだ一緒にやってみたいこともある。


もちろん、推し活だって今まで以上に楽しみたい。


シード様が毎日元気に、大好きな仕事を気持ちよくできるようにする。その姿を一番近くで眺められたら、今年もきっと最高の一年になる。


そう思ったら、やりたいことが次々と浮かんできた。


「マダム、ありがとうございます。私、このまま頑張ります」


「ええ。ただし、油断してよいという意味ではございませんよ」


「もちろんですわ!」


リリアーナは笑って教本を開き直した。


学園まで、あと一年。


やるべきこと、やりたいことがまだまだ沢山あるけれど、最後の時まで全力で頑張りますわ!

この作品が「明日も続きを読もう」と思えるような、日々の楽しみのひとつになれたら嬉しいです!

ブクマや☆で応援よろしくお願いします(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”


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