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あとがき

 ここまで読んでくださったみなさん、本当にありがとうございます。作者の北根英二です。


 まずはじめに、この作品を書き上げるまでの経緯みたいなものを。


 私は過去に沢山小説案を出しては書いてきました。想像力だけは豊かな方だと自負してて、自負してるだけあってアイデアは無尽蔵に出てきます、でも、それを形にしようとすると本当に難しい。


 デビュー作はなろう小説の主人公を、追放される側にして描くといったものです。描きたいシーンをたくさん書いたんですが、あまりに量が膨大すぎて結局描ききることが出来ずにエタりました。でも、今でもちょくちょく書き直してます。


 それからも、5作品ほど、多分200時間以上かけて書いてきましたが、そのどれも世に出てません。これはまずいぞと、作品を“描くため“のアイデアを出し始めました。それが、先にストーリーラインをある程度書いておいて、アニメにならって12話単位で書き進める方法。例えば今作では12×2=24話の3部構成になっています。最初っから話数を制限することで無駄を省いて、描きたいシーンだけを書けるようにしました。それが功を奏して、こうして最後まで完結させることが出来ました。


 この作品は6ヶ月かけて書きました。今までの作品は1年かけて完成させられなくて、短期で書いた分その分少しこじんまりしてるかもしれませんが、少ない文字数で出来る限り面白く、心を動かそうと工夫しました。


 では、作者による作品解説です。


 アイデアは大学から帰る途中に思いつきました。私はVTuberをほとんどといっていいほど知りません。しいていうならネットに流れてくるちょっとした情報や、好きな曲を聞くくらいです。周りのオタクにはVTuberが好きな人が多いので一度見てみようかと思いましたが、まぁ気になってからでいいだろうと先回しにしてました。


 そんなときです、“知らないから妄想できる”のではないかと。そう、なら知らないことを活かした作品づくりをしようと思い立ちました。


 まず、そうはならんだろ! と突っ込みたくなるような設定を考えました。それがバトルです、バトルの中でVTuber単語が出てくるものの、どこか間違っている。例えば、死んでも生き返れる“転生”スキル持ちの主人公とか、マシュマロ(匿名メッセージツール)や鳩(Vの配信で他のVの情報を流す? 行為らしい)を武器にする敵などです。結局形は変わりましたが、2期のツクヨミなんかは転生が重要なポイントになってます。


 それから、私は自分にしか書けない作品作りをしようと思う質なので、発達障害ネタを入れようと思いました。特に、最近はこれに苦しんでる人が多いと思います。私も実際に病院にいって診てもらったことがありますが、IQテストを行った日の帰り「IQが高いからなんとかなってるみたいだね、君はかしこいし大丈夫だよ」と言ってもらえました。確か124くらいで、別にMENSA会員になれるほどではないし、特段高いというわけではないんですけど、それでも受験期にぼろぼろだったメンタルを取り戻したのは先生のおかげだったと思います。


 そんな思いを込めて生まれたのが律帆です。ちょっと周りとズレてるような女の子。ちなみに、ホリィというキャラも実体験から生まれたキャラになります。作中にあった“下ネタを下ネタだと思わずに連呼していた”というのは完全に実話になります、賢者タイム云々もぜーんぶ誇張抜きの実話です。ネットが普及してない時代の話をこっちに持ち出すのはいかがとも思いましたが、せっかくの面白い黒歴史エピソードなので入れました。それから、18話にあるマンホールの踏み方云々の話も実話です。私は歩く時やお風呂に入る時など、たくさんの場面でマイルールがあって、その通りにしないと気持ち悪くて、わざわざマンホールを踏み直しに戻ったりします。他にも、寮暮らししていた時はスリッパを履いている時、お風呂に入る時は絶対つま先立ちをするといったマイルールもありました。今でもつま先立ちは場面場面でやっちゃいます。


 ファストフード店のバイトでの苦悩も実話です。でも、切れてドリンクをぶちまけたり怒鳴ったりはさすがにしてません、フィクションです。ですがバイト先で律帆が言われた言葉はほぼ全部実際に言われた言葉です、急いで書き留めてネタに使いました。実際、ファストフード店はやること多すぎで、マルチタスク苦手人間には厳しいです。でも、今もなんとか働いてます


 そんなこんなで苦しんでる時、友達と旅行に行きました。私の実家に泊まって夜通し語らい合ったんですが、その時私ちょっと暴走しちゃいまして、PCゲームについて熱く語っちゃったんですよ。最初は好きなタイプはーみたいな話だったんですけど、あんまりそういう好みはなくて、自分にとっての好みはゲームの中にあるんで、完全に話に合わせてるつもりでゲームについて語り始めちゃったんですよね。そんな時に「一回落ち着け」って言われまして。まぁその特殊な話とかもあって、正直自分は耐性があったのでなんとも思ってなかったんですけど、ちょっと気持ち悪いみたいな感じで嫌だったらしいんですよね。もう本当に恥ずかしくって、顔を真っ赤にして、もう消えてしまいたかったです。でも、そんな時に色々アドバイスをくれたんです。会話っていうのは・・・・・・っていう話。私、それが本当に本当に嬉しくて泣いちゃったんですよ。初泣きです。「あったかいよぉっ」って律帆のセリフあるじゃないですか、あれも実際に口からでた本当の言葉です。


 あんまり人と深く関わろうとしないタイプの人間なので、話があわなかったら嫌われる、でもそれでいいっていうスタンスです。ですが、そんな私を見放さないでくれて、真面目に向き合ってくれて、本当に嬉しかった。自分でも情けないって思うほどに泣きました。驚きました。というか、元々はPCゲームについて熱く語ったのがきっかけで、それを聞くと台無しになるかもしれないですけど、それでも私にとっては人との付き合い方を考え直すとっても大切な思い出です。この作品の1期ラストなぜか対話を殴り合いで描いていますが、これは一方的じゃなくて、お互いに言葉を交わす描写を入れようとしてこうなりました。ですが、律帆の一方的に殴る自分を嫌に思うシーンは個人的に自分の心情をうまく書けた名シーンだと思います。


 そうして、1期の終わりは友達に囲まれて幸せになるハッピーエンドにしようと思いました。しかし、この体験の前から、既に2部構成が決まっていて、律帆は指を切って逃走する展開になっていました。でも、どうしても2つの展開を入れたくって、結局1期は綺麗に完結させました。そうして生まれたのがユートピアメーカーの設定です。世界層というSFに出てくる設定を使って、1期の話をなかったことにしました。ですが、なかったことにするのはあんまりだ、ということであくまでパラレルワールド的な世界で、あったかもしれない世界線という設定になっています。3期の3話にて、夏芽たちがバトルに巻き込まれましたが、なぜかこのバトルは1期の正史じゃない方のバトルが繰り広げられています(しろねこが全員をログアウトさせてる)。Vスタジオの真相は白夜のみぞ知りますが、このシーンからも1期ラストはただの妄想オチじゃなかったことが伺えますね。一見これ以上ないハッピーエンド、だけどそれを乗り越えてトゥルーエンドへ向かうというのはたくさんの美少女ゲームをやった経験から生まれたアイデアです。個人的にはキャラ個別ルートよりも、全員幸せになるルートが一番好きなので。


 そして、物語は2期に入ります。1期のテーマを友情にするなら、2期のテーマは信頼です。この世界は信頼で成り立っている、まさにそのとおりだと思います。人間は信じることが出来るから毎日を幸せに生きていけるんです、死後の世界だって、あると考えたほうが楽しいです! そんなこんなで、生まれた主人公斑鳩と、その相棒すみれ。こっちは全然設定を考えずに書き進めました、すみれが偽名なのは決まってましたが、本名をまだ決めてないというガバガバっぷり。ストーリーの重要な要素になってくるいちかりんという名前も、元々語感だけで決めた仮称でした。ですが、結果的に面白い展開になったかと思います、少し無理があるかとは思いますが・・・・・・。


 最初は2人の生活を描くのが楽しくて、本当はもっと描きたかったんですけど、24話という尺と、新要素のランク制度と律帆の逃亡を解決しなきゃなので、泣く泣く減らしました。ですが1期に習って対戦相手との日常シーンは入れてます。これは必要不可欠です。


 こっちの実話要素は少し少なめです。1期は自分の悩みを書いて発散してやる! というつもりで書きましたが、完全に解決して、思い入れのあるキャラをもっと活躍させたいという気持ちが先行しました。その結果、エッセイ要素はだいぶ減らし、エンタメとして面白い作品を作れました。実話要素は、ヒオウギ貝のくだり、あとかりんの過去ですね。


 かりんの過去、周りの人達が自分の家系を求めて近寄ってきてるんじゃないかという疑念です、私の親がちょっとした会社の偉い人でして、実際色んな場面で“お願い”を聞く機会がありました。その中で一番怖かったのはとある農村に行った時に、この商品を店に置いてくれと商品を手渡されたときです。LINEで連絡するからと連絡先を交換して、結果を報告することになりました。ですが、そんなふうに親が偉い人だからって、子供にお願いされても困ります。結果的に当然無理で、それが分かっているなら普通にお断りしてもよかったのですが、あの時の目が少し怖くって、今でも印象に残っています。なんというか、ご老人の方に囲まれて、あんなふうに笑顔でお願いされたら、一体なにを考えているのか分からなくって。


 その他にも色々体験はあるんですが、特に強烈だったこのストーリーを作品に組み込みました。本当はかりんを悩みのない強い存在として書きたかったのですが、どうしてもこのストーリーを入れたかったので、強い女性という設定は3期の主人公に引き継がれます。


 そして、2期の鍵となるエピソードは律帆とお母さんの話ですね。実は律帆の母、ふーきは没作品のキャラクター、今作は大学生から大人になっています。でも、ふーきが結婚してるイメージがつかないため、律帆はふーきと血が繋がっていないという設定が1期の時点でぼんやり決まっていました。そしてその設定を活かして、律帆は社長白夜の子供という設定になりました。そこでかりんとも血が繋がっているという少し深みのある設定になって、結果的に上手く着地出来たかと思います。


 そんな律帆、2期ではまさかのお母さんが改心へのキーパーソンになっています。同じ展開を繰り返してもメッセージの幅は狭まってしまう、そしてなによりお気に入りのふーきを魅力のあるお母さんとして描きたかった。そんな気持ちから突如ふーきのテコ入れが始まったわけです。ふーきの言葉、冬は孤独になる、寂しくなるというのは私が大学1年の時に感じたことです、最近悩みを持つ中学生と話をすることがあって、その時にも送った言葉です。ふーきもかなりズレた性格の持ち主で、大学生の頃はとある親友に出会うまで人付き合いに悩んでいたという設定があります、そんな彼女がこの十数年で何を感じたのか、何を娘に伝えたいのか、ということを考えて書きました。


 そして、物語は佳境、斑鳩が身につけた肯定論法で白夜を論破します。この論破を思いついた時は自分でも痺れました、自惚れですけどね。そもそも自分は敵を設計する時に、倒す方法は考えません。ストーリーを書きながら主人公たちと一緒に考えます。ユートピアメーカーという最高の機械、これからみんなを救うためにどうやって論破するのか。肯定論法を使わなくては白夜を倒すことは出来なかったでしょう、世界最強の天才を倒す斑鳩はとってもかっこよかったですね。もしかすると作品を読んでイマイチ理解できなかった方もいると思うので、一応解説を。


 白夜は、世界というものは全て主観であると言いました、私もそう思います。ですが、それならこの世界でやろうとしていることは全て無駄であるということです、ユートピアメーカーをたくさん作ってみんなに配るというのは現実世界でしか出来ないこと、それをやろうとしていた白夜は、自分の行動が「主観だけがこの世界の全てではない」ことを示していることに気づけていませんでした。もし主観だけの世界が全てなら、自分がユートピアメーカーに入って、自分の好きな夢を見ていれば良いわけですから、それを現実世界のみんなに配ろうとしていた時点で、ユートピアメーカーの世界がこの世界の完全上位互換というわけではありません。それを指摘され、初の敗北を知った白夜は自らユートピアメーカーに入り、2期の幕を閉じます。呪いの言葉だけを残して。

 

 この呪いの言葉、小説という媒体だから出来た表現ではなく、実際に読者に向けて語りかけている面もあります。今こうして私が書いている文字を読んでいるあなたも、高次元の人間によって作られた存在の可能性だってあるんです。2期23話の挿絵は急に実写になって、この作品が作り物であるような演出にしていましたよね、ですがこれで伝えたかったのは、「これまでの話は茶番、全部ただの創作にすぎない」ということではありません。最近、プレイヤーに話しかけてくるタイプのゲームがよく話題になりますが、そういう系でも考えさせられる系はあんまり好きじゃないです。ただ、Ever◯7や、ANONYMOUS;C◯DEみたいなプレイヤーが協力する系は好きです、胸アツです。すこし話がそれましたが、この作品はフィクションでありながらも、フィクションとして扱わないようにあくまで世界層という考え方で書いています、そこだけ理解していただけると嬉しいです・・・・・・。ところで、小説の中の登場人物たちは自分が現実世界に生きていると信じて疑いませんが、実際は小説という世界の人間、私たちの一個下の次元の存在です。そして、小説の中の人間は、さらに自分より下の世界層の住人と出会います。それが3期の世界に繋がってきます。

 

 3期の始まりです、本来2部構成で終わる予定の作品ですが、某スパイク◯ュンソフトの作品をプレイして、3部構成の素晴らしさを知ったので3部構成にしました。

 

 3期のテーマは愛。おにいちゃんが好きな夏芽と、夏芽が好きな五百井。そして2期までに出てきたたくさんの恋するキャラに焦点を当てました。特に、2期ではお気に入りのぷちジャン3人組を何度も出していたのですが、今作は違う舞台のVスタジオで物語が進行します。するとなんということでしょう、これまでのキャラが出せない! ということで、12話以降の完結編まで、登場したのは掘り下げの少なかった喜楽里、きゅー子の2人をキーパーソンにしました。2期の終盤はストーリーの詰めすぎで彼女たちの活躍を描けませんでしたからね。そうそう、きゅー子というのは私が一番好きな某アダルトゲームメーカーの名前からとっています、きゅー子はそのメーカーのイメージキャラクターの名前でもありますが、正確には地垂木九子というフルネームからメーカー名が浮かび上がってくる仕組みになります。

 

 そして、3期はもう話を広げることはせず、この物語を綺麗に畳むための部です。そのためにバックストーリーを埋める必要がない主人公、夏芽が生まれました。夏芽のキャラは私が好きな妹系萌えソングからブラコンな性格と、そして悩みがなくどんな問題も解決してしまう強い女性、とある女子校潜入ハーレム系ゲームの双子の姉をミックスさせています。裏表がなくて、常に価値観がわかりやすいキャラは物語の進行をスムーズにしてくれるので、適度に足をひっぱる五百井を引っ提げて主人公になりました。3期の主人公はいくつか案がありました。お気に入りの山田運命こと佐藤を主人公にするのも考えましたが、作品の完結編となる関係上、他でキャラを増やすことが出来ないので主人公を新キャラにすることでワクワク感をかさ増ししました。

 

 そう、3期は過去の掘り下げが必要な新キャラを出していないのです! ちょっと曰く付きなリーフィもAITuberだから軽く流せますし、五百井も夏芽もユートピアメーカー内の存在なのでとことんポップで楽しいキャラに出来ました。2期までのキャラはリアリストが多めですが、3期はそんな回り道をしている暇がありませんから!

 

 さて、ストーリーの解説を。ストーリーライン自体は最も単純です、おにいちゃんを取り戻しに行く妹の物語、そこに過去の伏線を回収できるようなサブイベントを散らばせて、はい完成。簡単でしょう? ストーリーの簡潔さは1話タイトルの元ネタである某名作シューティングゲームの「ツナ缶を取り戻しに行く」という超簡潔なストーリーから影響されたのもあります。ところで、お察しの方もいるかもしれませんが、この作品のサブタイトルは全て18禁美少女ゲームが元ネタです。別に美少女ゲームが元ネタであるところに意味はありません、ただタイトルからその話を逆算して作ることもあるので結構重要なポイントです。ぜひ全ての元ネタを考察してみてください、有名なものからマイナーなものまであるので、結構手応えあると思います。ちなみに、心残りは好きなメーカーの作品を2つだけ入れられなかったこと、かなり特殊なタイトルなので難しいんです・・・・・・。

 

 ちなみに好きなサブタイトルは

 アイカノ詩(現時点ではタイトルのみ発表で未発売の“響“も3期に出てきます)

 Hammer(ナンバリングものは別ストーリーとの関係性を提示するのにも一役買ってくれてます)

 みすめーかー

 エクスキュートリゾート(唯一のオマージュ元タイトルがまんま入ってるサブタイ)

 バ美肉(ボク)はバ美肉(おうじ)に恋してる

 ○○○の消えた日(こゆび、りつほ、空白に色々入りますね)

 ザンテイセブン

 しんじた人とみるせかい

 それゆけぶらこんマン!

 これからデイスターズ(23話のほのかにデイスターズは同作品のファンディスクのタイトルが元ネタです)。

 

 ・・・・・・多いな。

 

  話がずれました、3期は愛がいったいなんの役に立つのかということを描きました。この愛というのは恋愛ではなく、何かを好きだと思う単純な気持ちです。私自身恋愛経験が全く無いので、濃厚な恋愛事情は書けません。だからこそ、オタクに大切な好きな気持ちをうまく表現することにしました。夏芽はおにいちゃんが好き、でも家族内での恋愛なんて成就しない、そんな愛に意味はあるのか。でも、その好きだって気持ちが全ての原動力になります、夏芽はそのパワフルさで作中の壁を正面突破で破壊して回りましたよね。五百井も、絶対自分に振り向いてくれない女の子に恋をしてしまいました。でも、好きでいることは自由ですから、五百井はいつまで続くかわからないその想いに素直になりました。きゅー子は、自分の欲に素直ですが、幼女を悲しませることはしませんし、叶うことのない恋だとしても全力で向き合える単純でいいお姉さんです。

 

 愛は突然冷めるかもしれません、でも、そんなことを考えていては何も好きになれないし、なにより人生が楽しくない。だからこそ愛はあるのだと、私は思います。

 

  さて、この3期は何度も言っている通り、一番の役目は風呂敷を畳むことです。そのためにバトル要素は序盤にちょっと回収して、それっきり出てきません。ほんとはもっと出したかったですが、入れられるだけの余裕はないということできっぱりなくしました。本当はそれを上手く交えてこそ完璧なんでしょうが、物語のわかりやすさを優先しました。

 

 ですが、失敗したことは私の好きなSF要素を濃くしたせいで、1期のように状況説明が多くなってしまったことです。特に1期の序盤は世界観を知ってもらうために地の文が1人称ではなく私たちに世界観を教えてくれる神の声になっています。世界観を叩き込んだからこそ個人的最高傑作の2期が書けたわけなんですが、それでももっとテンポよく話を進められたらよかったなと思ってます。

 

 そして、3期は最もSF要素が強いということで、様々な事象を個人的解釈で描いています。例えばデジャブ、実はこの世界は記憶をリセットされて繰り返されていて、その中で印象的な記憶がデジャブとなってほのかに残っているという考え、中々面白いんじゃないかと思います。また、Vスタジオは人間の脳内をいじくって移動する世界で、現実世界より時間の流れが早く、そこから分岐する時間はさらに長いという設定ですが、このあとがきを書く2日前にインセ◯ションという映画を見ました。ほぼ同じ設定やないかい。ちなみに2期の終盤で夢の時間の収縮率についても話がありましたが、これは自分で不思議に思って調べたことを少し引用しています。確かここで書いてる時間の収縮率がイン◯プションと同じだったような、そこだけ夢についてのまとめサイトから引用していたかも知れません。でも階層が深くなる事に時間が遅くなるというアイデアは何も参考にせずにオリジナルで考えたものです、これは間違いなく。自分が思いついた画期的なアイデアが、既に先人が考えていたアイデアってこと、結構ありますよね・・・・・・。

 

また、3期の鍵である世界層、かりんたちは自分の下の次元である夏芽の世界を消しました。五百井が気に揉んでいた通り、囚われた19人+白夜が救出される際にもその分世界が消えています。自分は現実世界の人間だから、その1個下の次元の存在はあくまでフィクションだからと割り切れるでしょうか。自分が上だと思っていたら実は上のには別の存在がいて、自分もあくまで“下層”の人間だったことに気づいた時、きっと自分の行いに疑問を持つことでしょう。そこでまた思い返されるのが2期のラスト、自分の世界を信じるということ、少し残酷な話かもしれませんが、自分の世界以外はきっぱり割り切るべきだと私は考えます。それが唯一の自分の世界を信じるということですから。


 ちなみに、これまた小話ですが、作中で現実世界のセリフは「」、仮想世界でのセリフは『』になっています。これ、実は仕掛けと言うか裏設定があって、小説の中ではかっこをつけないと話せないが、私たち3次元の世界ではかっこをつけて喋る必要はないということになります。つまり、階層を上がるごとにかっこが外れていきます、ですが、私たちの世界でかっこは0。ならきっと、私たちの知らない4次元の存在は、それ以上の想像もつかない方法で会話が出来るんでしょうね、それこそかっこが-1になるような。


 なんて、たくさんの自己流SF設定を描いた3期、最初は藍がラスボスになったりっていうのも考えたんですが、藍は最後まで主人公を貫けるように頑張りました。そのしわよせで五百井がラスボスになってます、愛を貫いた気高き戦士、とんでもないことをしでかしたにも関わらず、なぜか自然に許されているのはこの作品の雰囲気ならでは。


 そもそも藍がラスボスになるかもしれなかったのはレジェンドVTuberが何かという疑問にぶち当たったからです。私も藍といっしょになにをもってレジェンドと言えるのかを模索していました。その中で、レジェンドとして、唯一のVTuberになることと解き、自分以外のVTuberを倒すという展開が出てきました。ですが結局没に、その代わり、藍にとっておきのステージをあげることでひとつの区切りをつけました。本来は、1期の1話で書いたように、藍がレジェンドVTuberになるまでの物語なので、レジェンドと言えるようになった瞬間に話を終わらせるのもアリかなって思いましたが、そんな急な終わり方は嫌だということで一区切り着いた後にもう少し展開があるといったストーリーになりました。


他にも色々伝えたいことはあるのですが、ここまでにしたいと思います。改めて、最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

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