表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強スケルトンに恋をした ~嫁達が強すぎて魔王認定されました~  作者: Hike技研
魔王城完成 そして

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

265/270

モナの変化とオオタのペテン

モナは音もなく着地した。黒い骨はまだ、俺たちを見上げている。

いや、レンを見てるのか。


レンは黒い骨を見ていない。ただじっとモナを見ている。


まだ、モナと黒い骨の位置は遠い。モナはロングソードを手にしているが、まだ構えない。


黒い骨がモナに気がついたか、俺たちから目を逸らす。

そして近場にあった棚を壊す。

棚からは、ロングソードなどが倒れてくるが、黒い骨は見向きもせずに進む。


「さぁ、気がついたようですね」

オオタは観戦でもするかのようにくつろいでいる。


「なぁ、オオタ。あの順番で話したのはわざとか?」


「ふふふ。気がつかれましたか。さすがですね。でも、良いんですか?動き出しましたよ」


黒い骨が棚に腕を振り下ろしながら、モナへと近づく。

何個目かの棚を壊したあと、その主柱を手にする。


片手に持ったものは槍のように細い。

もう片方は棚の部品がまだついている。


槍と斧か。


黒い骨の手の赤さが、持ち手も赤く染める。


それを、黒い骨は振り回す。


周りの棚をさらに破壊しながら、考えがあるかどうかも分からない。

モナはまだ、構えない。足元を確認するように左右に動くのみだ。


「お前は、誘導したな。モナが戦うように」

「選ぶのはモナさん。初めに申し上げた通りです」


「ペテン師か、なるほどな」


俺の言葉にオオタは満足そうに笑う。


「セトさん、何を言ってるのですか?」


イーゼルが言葉を発すると同時に、下から衝撃音が聞こえる

モナの前に棚の破片が飛ぶ。

それをモナは防ぐも弾くもしない。ただ躱す。

躱した先へ槍のような支柱が迫る。


モナはそれを前進しながら下へと潜り込み、ロングソードを一閃する。

だが、そこに黒い骨はもう居ない。

壊され横たわった棚の上で、もう一本の支柱をすでに構えていた。

まだ部品が残された斧のような支柱を振り下ろす。


それすらも、モナは後ろに下がり躱す。だが、後ろは壁。


その壁を蹴ると。黒い骨へ回転しながら向かい踵を落とす。


黒い骨は肩口へ踵を受け。棚から落ちた。


「モナの戦い方が変わったわよね。前は剣に頼る戦い方だったのに」

ヴェルが目を逸らさずに呟く。

レンも目を逸らさないが、手が微妙に動いている。

筆談しようか迷ってる感じだな。


「髪の色と耳が変わったあたりから吹っ切れた感じはあるな」

俺の言葉にレンもうなづいている。間違ってはないようだ。


ヴェルが、一瞬俺を見るが、またモナへ視線を移した。


「私たち三人の中でちゃんと成長するのはモナだけだからね」


棚から黒い骨が立ち上がる。手にはロングソード。


そのロングソードは黒い骨の手と同じく赤く燃えている。



「ヒートソードとでも言うんですかね」

「あれは、なんだ」

「燃える剣ですかね」

「違う、黒い骨はなんだ」


「そうですね。推測ですが、レンさんを経て作られた。いやアッシュさんもでしょうか。様々な実験の結果。ですかね」

「あれは、あと何体いる」


「ここにはアレだけです。私が見た限りではありますが」


「そうか」


俺はレンの肩を掴む。

「なぁヴェル。ちょっと付き合ってくれるか」


そして俺は下へ飛び降りた。


「ばか、何してんの」

ヴェルの声が頭上で聞こえる。


床への衝撃はない。


ヴェルが背中から蜘蛛のような足を出し壁に張り付いて俺を抱える。



「バカ、降りれても死ぬわよ」


「大丈夫だ、俺はここでは傷を負わない」



ヴェルは俺を床に下ろし呆れた顔をする。


「何を根拠に」


俺はヴェルを見ない。


「俺を怪我一つなくここから出す。そうだったよなペテン師」

黒い骨を見据える。


「セト何を言って」

ヴェルが上を見る。

レンとイーゼルだけが俺たちを見ている。




「え?」


「ふふふ。嫌ですねセトさん。いつから気づいてましたか」

「気づいてなんかない。ただのカマかけだ」


黒い骨がオオタの声で俺に答えを返す。


「それにしても危険な賭けをしますね」

「これが外れていても、お前は違う手で俺を守る。お前はペテン師だが嘘つきじゃない」


その言葉にオオタが笑い始める。



「どう言うこと?セト」


「分からんが、レイスに近いだろ。さっきまでのオオタに実態はない」


「良い!実に良い!セトさん貴方は最高だ」


「でも昨日は羊皮紙を触って…」

「あれは実体がある方つまりコイツだ。だが施設に入ってからのオオタはレイスだ」


モナが驚いてこっちを見ている。


「モナ、邪魔してわるい。だがコイツはお前の仇じゃない」


モナもそれはわかってはいたのだろう。そして強さは、十分に見れた。

俺としてはここを納めて終わりたい。


「わかってる。でも、ここでまだやめない」


「いいですね。モナさん。貴方も実に良い。オリジナルの強さはまだまだ底が知れません」


「おい、オオタ。もう戦う必要がないだろ」



「いいえ、何度も申し上げますが、選ぶのはモナさんです。勿論貴方には無傷でお帰りいただきたい。ですが、流石に近すぎますので、お下がりください。ヴェルさんお願いできますか?」


「あんたに言われるのは癪だけどね。後でちゃんと説明するんでしょうね」


「頭が残ってましたら、是非に」


黒い骨、オオタが頭を下げる。


ヴェルは舌打ちをしてから俺を抱えると、背中の足で壁を登る。


「それでは、特等席でご覧ください」

俺が元の位置に戻ったことを確認すると、モナとオオタが再び向かいあう。



「すみませんね。お待たせしてしまいました。それとも、興が削がれてしまいましたか?別の日にいたしましょうか?」


「私は貴方のこと嫌いじゃないよ。喋りすぎだけどヨウに似た感じがする。それに日を改める必要なんて……ないよ」

モナはロングソードを構える。


「ふふふ。全く。貴方たちは最高ですよ。では、参りますか。ちょっと熱いですよ」


「似たものを以前食らってるからね。知ってるよ」



モナがオオタへ剣を突きつける。蹴り足から剣の先まで直線的に……


オオタのヒートソードはそれを受けるために体の真ん中で構える。


だが、モナの直線は、オオタの目の前で何度も、向きを変える。

まるで稲妻のように、瞬時に多くの選択肢を見せる。


「おおお、素晴らしい」


感嘆の声を上げながら、オオタは肩に突きを入れられる。



「まずは一本取られた……としておきましょうか」


「そんな余裕そうに立っていて、一本も何もないよ」


モナは再び距離を取る。


「首を落とす気なら落とせた……違いますか」


「言ったろ。貴方のこと嫌いじゃないんだ」



「ふふふ。いや申し訳ない。全く。ふふふふ」


オオタが剣を手放す。

床に落ちたロングソードは次第に赤さを失う。


「ふふふふ、いや全く、ヨウも貴方を気にいるわけだ」


しばらく笑った後、黒い骨の姿だったオオタは、僧正の丸い姿を戻す。


「私の負けです」


そう言ってモナに頭を下げ、俺たちを見上げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ