【挿絵あり】中庭、嫁達の技 【挿絵あり】
羊皮紙をどう眺めても、俺にはわからん。
イーゼルから渡された本、誰でもわかるダリア式を読んでもわからん。
そもそも誰でもわかるってなんだ。
初心者舐めるなよ。
鍛冶屋が玉鋼用意しろって言ってるのと変わらん。
玉鋼がわからんのだろ!
っと挫折を繰り返し。
気晴らしに中庭へ来たらレンとモナが稽古をしていた。
モナはロングソード、いつもより薄めの刃だな。ドンケンのところで作ってもらったのか。
そして、レンも同じくロングソード。最近はハルバートばかりだったので新鮮だ。
いや、以前はショートソードばかりでレンのロングソードは初めてか。
レンの技術は流石にすごく、モナが近づけない。
だが、モナの速度も以前とは比べ物にならないくらい上がっている。
それと、モナは鎧を着るのをやめた。敏捷性に特化させていくようだ。
流石に肌を出しすぎるのは、恥ずかしいらしく隠すパターンも作った。
ヨウのところで作ったので、獣化しても大丈夫らしい。
ともあれ、尻がいい。
ずっと眺めてられる。
「二人ともすごいわよね」
ヴェルの声がすると思ったら、不意に背中が重くなる。ヴェルの胸が背中に当たるのがわかる。
最近ヴェルはスキンシップが多い。誘拐されてからは特にだ。
「私もそれなりに戦えるつもりだったんだけどな」
「でも、ヴェルは奥の手があるんだろ」
その言葉に締め付けがキツくなる。
「あれは、あまり使いたくないの」
「こないだ見せてくれたのだろ、綺麗だと思うぞ」
「……そうね。セトは変態だものね」
そう言って背中からヴェルが離れる。
「レン!モナ!私も入れて」
そう言うと、ヴェルは、ダガーを二本もち中庭に飛び込んで行った。
背中には赤い蜘蛛の足。
あれが魔法なのか、肉体変化なのかわからない。
ただ以前は火も出てたな。
そういやヴェルの服が魔法で出来てるのはあの足出すためか。
などと、考えながらも三人の戦いを見ている。
「もう、あそこには入れませんね」
ルナがお茶を用意してくれた。
「そうか?ディグなら入るだろうから、ルナも多分いけるだろ」
お茶をいただきながら、ルナの祖父を思い出す。
今はカッツェと仲良く道場経営だ。
「自分の実力は知ってるつもりですよ」
ルナが笑う。
「以前はモナとの差で悩んでいたのが嘘みたいだな」
「あなたのせいで、忙しいですからね……いや、やりたいことができたせいですね」
ルナも椅子に座り三人を眺める。
中庭の三人はまだ夢中になってる。
ヴェルがスカートだから、飛ぶと目がいくな。
「夢中になれるものがあるのは、いいことだ」
「楽しくはありますが、セト。あなたのせいだと自覚してくださいね」
久しぶりに、二本指で威嚇される。
「あとは、最近ティナが落ち着かないせいですね」
「モウラとリザに任せてたんだが、ルナが教育係に落ち着いちゃったな」
ルナは少し困った顔をして、そして笑う。
「いいですよ。セトセラより扱いやすいです」
「セラよりはまともだと思ってる」
「まともな人はハーレム二桁いかないと思いますよ」
「……」
「冗談です。ティナに関しては、居場所を作ったの分かってますから。イーゼルもそうですよね」
「……」
「あれ、もう、イーゼルへ手を出してます?」
ルナの目が怖い…
俺の答えより、先にルナの目突きが飛んできそうだった。




