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最強スケルトンに恋をした ~嫁達が強すぎて魔王認定されました~  作者: Hike技研
魔王城完成 そして

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北の森のトロールと

「ちょっと、頼まれてくれるかい」


「何をだ」


アレクと飲んだあと暫くぶりに、ヨウのところへきた。

ナツメの用事もあったので、途中まで一緒に来て今は別行動。


「北の森のトロールの件聞いたろ」

「出たり居なくなったりの奴か」


「最近、森が臭くてね。見てきてくれないかい」


話の流れがわからない。


「コンノの部下が見回るのじゃダメなのか」


「こないだの蝋燭、あれは貴重でね」


「あーあの夢やっぱお前の仕業か」


「満足したみたいだね」


「それはもう。すごかった」

「言わなくていいよ」


「そのお代ってことか」



「それもあるけど、人狼の場合、コンノでは手に追えない」

その言葉に、鳥肌が立つ。


北へ飛んで遠くに行ったとばかり思っていた。


飛べること自体驚きだが、さらにどこまで飛べるのかはわからない。


近場で降りる可能性も十分に考えられる。


「確証はないよ。私が出ても良いけど、全盛期ほど動けないからね」

「蝋燭とナツメのツボ代としておくよ。ただし」


「あの蝋燭はもう手に入らないよ」

「えー」


「えーじゃないよ。欲しいならクバネでも行って来な」


「クバネ?どっかで聞いたことあるな」


「ペテン師が集まってる山のことさ。そこのオオタってペテン師尋ねてみな」


「怪しい山で怪しい奴に会うのか」

「それで怪しい蝋燭をもらってくるのさ」

何が楽しいのかヨウは笑う。




「いずれ、行く場所だったしな。オオタはどんな奴なんだ」

「狸親父さ」




◇◇◆




ヨウの頼みと言うこともあり、北の森へ足を踏み入れる。


俺とレンとモナ。フィーナ、モウラ。そしてナツメ。


大木で覆われ、日差しがわずかに届く森は、枝が少なく進みやすい。

所々薮や丘が見えるものの、脅威らしいものはない。



モウラは十字槍を持ちながら、先頭を一歩ずつ確かめながら歩く。

見落としがないか。慎重に歩く。いつになくモウラが真剣である。


森の調査とは別に、霊峰クバネを見る必要があるからフィーナもきた。

周りを見渡しながら、時折モウラを気にしている。



そしてナツメは、以前ヨウのところで見た、花瓶のような金属を抱えて歩く。


「それ、ナツメに使える物だったのか?」


ナツメは手に持った金属部品に目を落とす。


「確証はないので、試してみます」


そんなナツメの様子を見ながら、俺とレン、モナと続く。モナは後ろを警戒し。

レンは森が珍しいのか、キョロキョロと周りを見ている。


しばらく歩くと。視界が開ける。


沼地があるせいか、木が少ない。見渡しもいいので、一旦ここで休憩をするとモウラに伝える。


モウラは座らない。

槍を持ち、森の奥を警戒している。


無理もない。自分が相手にならなかった人狼が、潜んでいるかもしれないのだ。


だが、まだ何も引っかからない。

一度引き上げて、モナの兄弟に警戒してもらうだけでも良さそうだ。


だがヨウが臭いというのだ、何かあるのだろう。


「臭いって言われれば臭いけど、ヨウが気にするのとは違いそう」


モナが沼地の回り見てくれている。歩きづらそうだな。


モナでそれなら俺は埋まりそうだ。


レンは相変わらず、キョロキョロと見ている。薮が気になるのか?



そう思っていると、ナツメが何かをしている。


「セト様。ちょっといいですか?」

ナツメは背中を俺に見せつける。


「なんだ、綺麗な背中で異常はないぞ」


「ありがとうございます。いえ、そうではなく」


ナツメは金属部品を俺に手渡す。


「背中の突起に接続してもらえますか?」


突起なんてあったか?背骨に見える機械部分は大きさが揃い突起など見えない。


だが、紫の光が背骨部分を走る、一部盛り上がる。


指くらいの棒?


それも中が紫に光る。光が点滅しているのがわかる。



「今、出てきた奴です。それに近づけると接続できますので」


構造が気になるので、ゆっくりみたいが、後にしよう。


突起に近づけると確かにハマりそうだが、少し大きく見えるな。


近づけると引っかかりを覚える。


「ずいぶん狭そうだ。大丈夫か?痛くない?」


「大丈夫です」

「無理するなよ。あれなんか熱い」


「反応が始まったのかもしれません。んっ」


ナツメが、目を閉じて声を押し殺す。


「続けて…奥まで入れてください。んんっっ」


沼地を見ていたはずのモナが顔を赤らめ俺を見る。


耳がいいな。聞こえたか。


……誤解するなよ、機械の調整をしてるだけだ。


モナに視線を逸らされた。






妙な気分になりそうなので、少し強引に金属部品を押し込む。

ガチャリと音を立て、それはナツメの背中に固定された。


細い方を上にしたのだが、回転し、細い方が下を向く。


そして花瓶のような部品が形を変える。切れ目が入り三つに分かれたように見える。


「なんだこれ?」

俺が触ろうと近づくとナツメが少し逃げる。

あれ強引にしすぎた?いや、違う。

周囲の空気が少し熱を帯びる。



「あーちょっと危ないですよ」

その言葉と共にナツメの脇腹から蒸気が漏れる。


「で?なんだそれ』


「ジェネレーターですね」


わからない。


「力が強くなる。頭の回転が上がると言いますか」


少なくとも鈍器ではなかったようだ。


「私は調査用なんですが、別パーツです」


そしてナツメは跳躍した。


その跳躍はモナの跳躍より高く、森の木を突き抜けると落下してくる。


人の着地とは思えない衝撃が地面を走る。


「セト様、敵を発見」


ナツメが短く言葉を発する。


ナツメの視線の先、離れた木から何かが落下する。


地面に落ちたそれの衝撃は無かった。


地に伏せた獣に見えたそれは。


森の奥で、静かに立つ。


「昼寝の邪魔するなよ」




人狼が、こちらを見た。





「ナツメ。見えてたのはアイツだけか」

「はい、あれが木の上に居て目が合いました」


人狼との距離はまだある。だが、あいつの足ならすぐに詰めてくる。


モウラも警戒する。


だが、人狼は大きくあくびをしナツメを見る。


「ああん?迎えが来たと思ったんだが、違うようだな」


興味がないと言わんばかりの態度。


モウラが、十字槍を向ける。

「この人数を前に余裕ですね」

「……骨と獣か、まぁ確かに面倒だな」


人狼が遠吠えをすると、あたりの薮が揺れる。


「お前たちの相手は、俺の食いかけにしてもらおう」


数十体のトロール。そしてそれも、食い荒らされた後が残るトロール。


ゾンビ化してる?トロールのゾンビなど聞いたことがない。


「こいつもおまけだ」


人狼は、近くの木を揺らす。

巨大な何かが落ちてくる。




巨大なトロール。藪から出てきた奴の倍はあるか。


生きてるようには見えない。目に力がない。


モウラに向けて静かに歩き出す。



「デカいだろ、そこそこ美味かった」

人狼は舌を出して笑う。


「もう少し食って寝るつもりだったんだけどな、まだ回復しないんだわ」


人狼はモナに飛ばされた腕を撫でる。

まだ完全にはついていないのだろう。



ゾンビトロールが俺たちを囲む。


巨大なトロールはモウラを狙う。


俺たちを囲うほうはゆっくりと近づく。


最初に迫ってきたトロールの足を、レンが斬り飛ばす。

一撃で、足を飛ばされたトロールは動きを止める。

だが、数が多すぎる。

肉の壁が多すぎて、人狼を追える気がしない。

ナツメも俺を守ろうと立ちはだかるが、武器も何ももっていない。

俺は鉄扇はあるが、役に立ちそうもない。


モナも沼地に近づきすぎて、跳躍することができずにいる。


人狼は、背を向け静かに歩き出す。


「待て!」

モウラが叫ぶ。




「前も言ったろ、まじ興味ないんだわ」

振り向くこともなく、人狼は歩みを止めない。



だが、止まる。

人狼の前に人影。


「うちの妹分たちがお世話になりました、初めまして人代表です」


フィーナの拳が、人狼を撃ち抜く。


「さぁ、モウラ。見ておきなさい」


いつの間にかに、フィーナが人狼の前に立ち塞がっていた。



フィーナを敵として認めたのか、人狼の毛が逆立つ。


獣の足が地面を蹴る。フィーナの前から人狼が姿を消す。


「最初の拳は祈りと共に……」

フィーナの拳を握りしめるが人狼の姿はない。


モウラはトロールの足を切りつけながらも、フィーナを見る。


「癒しの左!」

反応速度か、先読みか。

背後から仕掛けたはずの人狼を再びフィーナの拳が捉える。


「先読みと誘導。大事なことです」

フィーナが振り返りモウラを見る。


人狼の手がフィーナを掴もうとする。それをフィーナも握り返す。


「そして、信心による圧倒的なパワー」


用は力押しである。


人狼の口が開き笑う。

「面白い奴だ。そう力こそが、ものを言う」


互いに手を離し、向かい合う。

「ゴリラのくせに技術もある」

「ゴリラとは高い評価ですね。光栄です」

フィーナは嬉しそうに笑った。

「褒めてねぇよ」

次の瞬間。


人狼の爪がフィーナを襲い、フィーナの蹴りがそれを弾く。


「なかなか、面白い。だがやはり時間切れだ」

人狼は後ろに飛び。フィーナと距離をとる。


「人のまま人を超えるか。またやりたいな」

近くの大木に足をかけると、跳ねるように、木を移動していく。


「まだ寝足りないんでね」

そう人狼は言い残し森の木を駆け上がると、消えた。


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