花嫁衣装と異国の生地
帝国から荷馬車が来た。あと仕立て屋が数名。
「父より、伝言です。モウラの花嫁衣装を作れ、余ったら好きにしろっと」
カッツェが言うには、カッツェの結婚式に感動したノブが、モウラの結婚式も早く見たい。
あと、こっちで持たせた革のコルセットの出来が良かったので、輸出品としてもっと出せ。
人が足りないなら、こっちの仕立て屋も移住させるから好きに使えと。
無茶苦茶である。若い子が多いな就職先にするには、うちはまだ不安定だぞ。
あと花嫁衣装の反物多い!
「バカなのか」
「親バカですね」
俺もカッツェも苦笑するしかない。
早速、モウラやリザが反物広げて喜んでるな。ちゃんとしまえよ。
あと目を輝かせてるのが一名。ティナだ。
「おおお。さすがは帝国しかもノブが選んだモノ。良いぞ。これも良いぞ」
まるで自分の物かのようにはしゃいでるな。
そういえば、ティナは同じ服しか持っていない。国を滅ぼされたから、それどころじゃなかったんだな。
可哀想な子。頭を撫でてやったら噛まれた。
「おいこら!」
あっ 抱えて逃げた。そしてアヤネに捕まった。
「申し訳ない」
頭を下げられる。
「アヤネさんも選んでください。着慣れた人に着てもらいたいので」
モウラがアヤネにも勧める。断る口実を与えないのは意図的なのか?
アヤネも意を汲んでくれたかのか、頭を下げる。
「アヤネにはこれだ!」
ティナが懲りずに反物を抱えている。
紫色のグラデーション。確かにアヤネに似合いそうだ。
「藤柄ですね。良いと思いますが、こっちも良いですよ」
モウラは黒地に赤と金の差し色の反物。普段アヤネが着ているものに似ているが、艶やかさが足される。
アヤネは困ってるが、モウラ達に任せておこう。
あと、意外にも食いついたのはモナか。
手に白地に刺繍?他の反物とは違うものを持ってる。
「あーそれは刺繍が入れてありますね。こっちもありますよ」
モウラが別の箱から布を出す。反物とは別に細工された布達。
「帝国より北の方ですね。刺繍して魔除けというかお守りとしておく地域があるんですよ」
モウラがゴソゴソとあさる。
「これ!良いでしょ。これだけは私が使いますよ」
赤い布に金刺繍で、ドラゴンが縫われている。そしてやけに大きい。
それをマントのように羽織る。
確かに、プロレスしてるモウラや、儀式で槍を持つモウラに合うかもしれない。
「リザはこれね」
青地に銀の刺繍。絵柄は先ほどと同じドラゴンだ。
リザは少し戸惑いながらも、モウラと同じように羽織る。
なんか涼やかな感じだ。
そして、モナにも渡す。
「私の国ではドラゴンと同じくらい強いとされてるの」
白地に銀の刺繍。それはモーナフェルムに似ている。東洋の虎。
モナは小さくありがとうと言う。
それにモウラは満足気に笑う。
「レンにはこれかな」
黒地にドクロ。うん。それは違う用途のものだね。




