肉の使い道
昼間フィーナが倒したジャイアントボアの肉はまだ食べられない。
そんな説明をしたら、モナが少しがっかりしていた。
あまりに巨体で、街の包丁自慢達も手こずってるらしい。
「あれって冒険者にでも両断してもらった方が早いんじゃ」
「ロングソードで綺麗に切るのは難しいですよ。切るというより、斬るですから」
ルナに丁寧に否定された。二つの違いがわかりそうでわからない。
「こう、ズバッと」
ルナが補足で実演してくれる。可愛い。
「人ならいけるかもだけど、あの巨体では毛皮少し切れるくらいよ」
ヴェルがサラッと怖いこと言う。
だが、確かにあの毛皮ではそうか。
俺たちの会話を聞きながら、レンがしきりに剣をふる仕草をしてる。
行かなくていいからね。
「人斬りならオリベが得意ですよ」
モウラ、それはなんというか洒落にならない。
確かに、オリベに一度壺を切って貰った時何も見えなかった。
「オリベはモノ作りというか、城とか作る人じゃないのか?」
「今はそうだけど、帝国統一前は、剣鬼とか悪鬼とか呼ばれてたよ」
物作り仲間だと普通に思ってたが、オリベもまた強者でした。
「ジャイアントボア……」
よほど食べたいのか、モナがボソリと呟く。
解体は本職達に任せるとして、一部でいいから貰ってくるか。
モナがそこまで望む肉に俺も少し興味がある。
解体現場に行こうとすると、レンが刀を手についてこようとする。
「刀は持っていってもいいけど、切らないよ。いや斬らせないよ」
俺の心配はよそにジャイアントボアは食材になっていた。
なんというかブロックごとにもう分けられている。
あからさまにしょんぼりするレン
涼しい顔をして俺たちに近づいてきたのはオリベ。
「お疲れ様です」
人斬りオリベについ敬語を使ってしまう。
「なんですか、改まって」
オリベも少し引いている。
「オリベが解体してくれたのか」
「ええ、帝国のイノシシより大きくてびっくりしましたが、構造は一緒でしたね」
「似たやつがいるの?」
「いますよ、よく鍋にして食べてました」
それに煮込んで食べるのもありか、つい焼いて食べるしか想像してなかった。
肉の使い道を聞かれたので、街の人たちに提供して、残った分はベーコンなり加工してもらうことにした。
その夜闘技場周りでは、屋台が立ち並びお祭り状態になる。
闘技場では、スターダストの興行が行われ孤児達も大いに楽しめたようだ。
それと、ヨウのところの娼婦か、初めて見る顔も多い。
お祭り騒ぎの中、俺たちも肉を貰ってみんなで楽しんだ。
モナが生肉を所望したので、薄切りにして出したら
がっかりしてた。
思ってたのと違うらしい。
レンと二人しょんぼりしていた。
レンは斬れなかったこと。
モナは切れすぎてることか。




