進む街作りと大司教
職人街の外れ 火災があった場所も復興が進む。
まぁ元々、簡易的な店が多かったので、これを機にしっかりと建てている感じだ。
大工集団がオリベと相談しながら進めてくれている。
「道は前より広くしてくれ」
俺の指示というか要望はこれだけ、火の勢いを舐めていたせいで、前回は結構大変だった。
それに追加事項を伝えにきた。
火事で更地になった場所へ倉庫街を作るのだが、その一角に孤児たちの学べる場所を作る。
というか集まれる場所作りだな。
資金はマグナス持ちなので、立派なのを作らせて貰おう。
その方がマグナスの顔がたつのだ。
「スターダストの練習場も作りたいのですが」
モウラが言ってきたので許可は出した。
意気揚々と計画を練っていたが、あいつ資金あるのか?
……いや、フィーナが出すのか。
スターダスト
フィーナとモウラが立ち上げた団体だが、街の受けはよく。
定期的に催し物をしているようだ。
移住組からも団体入り希望者が多いらしい。
そして聖撃。
こちらは見せ物ではなく、純粋に戦うという信念らしいが、聖堂で殴り合う。
見学者禁止だが、殴り合いに参加するならいいらしい。
なんというか野蛮だが、戦い終わった者達は清々しくしている。
俺にはわからん世界だが、物を直して喜ぶ俺の性癖。
いや楽しみを分かる奴も稀なので、否定はしない。
そのどちらもフィーナが関わってる。あいつここの教会のトップだよな?大司教ってどこまで偉いのかピンとこないけど。
「呼びました?」
建設予定地を見ている俺の背後に、フィーナがいた。
「いや呼んでないが、ちょうどよかった。ここの計画ってどうなってる?」
「倉庫の作り直しと子供達の場所はあらかた決まりましたね」
時にはマルタみたいな手足で戦うフィーナも今日は、司祭服で現場を回ってるようだ。
服装がしっかりとしたフィーナは、不思議と細く知的に見えるから不思議だ。
「あれ?大司教ってまた服装違うんじゃ?」
「儀式やる時だけですよ。司祭服にしてるのは、まぁ宣伝ですね」
「教会の宣伝なんかするのか?」
「宣伝は変でしたね認知と言った方が良いかもしれません。教会が怪しくないよって」
「夜な夜な殴り合ってる教会は怪しいだろ」
「祈りですよ」
少し頭が痛くなってくる。フィーナは大真面目で言っているから、祈りなのだろう。
いや、殴りだろ。そもそも大司教自ら殴り合うってどんな宗教なの?
フィーナの直属の上司であるマグナスもそうだったか。おかしいだろ聖撃。
ダメだ、話が逸れて進まない。
フィーナは教会づくりの時知ったが、建設の管理などが得意だ。
まぁ掛け声というかノリと勢いが八割なんだが。要するに音頭を取るのがうまい。
さすがトップというか、イーゼルとは別方向に人を使うのがうまい。
ただしお金の計算というか、流れは苦手なようだ。
そのあたりは、今はイーゼルと来たモリスが回してくれるらしい。
今も書類1つ持っていない。
職人たちに声をかけて回っている。
「これ!運んでおきますね」
「いや司祭服でやるな」
危なっかしい奴である。
ただ宣伝、認知というのは確かにあってるかもな。
変な奴だが、だからこそ好かれているのかもしれない。
俺も含めてである。
「あーセトさんどこに行くつもりだったんですか?」
「今日はこのあたりの視察と、門周り見て回ろうかと」
「ご一緒しますよ」
「それはありがたい。一人で歩くなって、ルナにも怒られた」
「セトさんも鍛えると良いですよ。見学に来ます?」
「見学行ったら殴りあい強制参加だろ」
「祈りですよ」
ちょっと呆れながら歩く俺にフィーナがついてくる。
俺たちが歩くと街の人が手を振ってくれる。
フィーナは大きく手を振ってそれに返すので、真似をしてみる。
俺は少し照れくさいが、フィーナは満面の笑みだ。
全く、器がでかいというか。
かなう気がしない。
でも見学はいかない。




