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最強スケルトンに恋をした ~嫁達が強すぎて魔王認定されました~  作者: HK技研
魔王城完成 そして

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クライブという男

「やぁ、初めまして。魔王セト」


明るい茶髪の短髪。小柄な青年。


アレクも十分に気さくな男だが、こいつはそれ以上に軽い。

背後に控える騎士たちは、ごつくて迫力満点なのに、本人だけが場違いなほど柔らかい。


「僕は、クライブ・サウロノア」

差し出された手は、妙に白くて細い。女性みたいな手だな。

剣なんて、まともに握ったこともなさそうだ。


……俺もだけど。


「クライブ様」

お付きの騎士が一歩前に出て、クライブの手を取り、椅子へと座らせる。


「ノアの名を持ってるけど、なんせ八男でね。使いっ走りさ」


「使いっ走りにしちゃ、両脇の騎士も、外で待ってるアレクも、顎で使ってるように見えるぞ」


俺の口調に、女性騎士がぴくりと反応し、険しい目を向けてくる。


「父が偉いだけさ。僕自身は偉くないよ。アレクとは、昔からの馴染みってだけさ」


そう言って部屋を見回し、ルナとセラに軽く手を振る。だが二人とも、視線すら向けない。


レンに至っては見ていない。


レンの視線はクライブの後ろの騎士だけを見据えている。



俺と同席しているフィーナは……様子がおかしい。怯えている、というより、身構えている。


教会との話し合いと言う事で同席してもらったのだが、まずかったか?



「それで、今回の件だけどね。大教会としては――関与していない」


「あんたのところの聖騎士だがな」


「まぁ。ウチの聖騎士なんだけど、暴走しちゃってね。復興の見舞金は用意したよ」


その言葉に、フィーナが反応した。


「お金で……解決して、また闇に葬るのですか」


「偉くなったね、フィーナ」


先ほどまでとは違う、低く冷えた声。クライブの目が、初めて感情を帯びる。


「今は、ここの司教だったかな?」


「大教会とは、袂を分かちました」


「つまり……もう上下関係はない、と」


枢機卿の息子なら、元教会人だったフィーナと面識があっても不思議じゃない。


それにクライブの容姿なら。フィーナの好みど真ん中のはずだ。


……こいつ、少年好きだったよな。


こないだの聖歌隊にも興奮してたし。




「まぁいいさ。でね、ガイナスと手下が暴走した。と言うことで納得してもらえないかな?」


有無を言わせる気が見えない。


「すまないが、こっちも身内を攫われたりしたんだ。はいそうですかとは言えない」


リザの件もある。金を出すから黙れという態度も気に食わない。


「うちと事を構えることになっても?」

クライブ口調は軽い。

だが、内容は重い。


「こっちは構えるも何も、そちらの都合で追い出されてるからな」

引くつもりなどない。


フィーナは膝の上で拳を固めている。


目を見るとうなづく。


なら、遠慮する必要もない。



後ろの三人は見るまでもないだろう。



「困ったな、大抵はこの言葉で引いてくれるのだけど、さすがは魔王なのかな」

クライブは薄く笑う。



「後ろの怖いおねーさんがいるから強がる……とも違うみたいだし。面倒だね」


大袈裟に天を仰ぎ、後ろの騎士と目を合わせる。


騎士がうなづく。


そしてまた俺を見るクライブ。


「責任の所在は、また話に来るよ。ただ復興にお金は必要だろ、それは受け取ってくれるかな?」


「それはありがたく使わせてもらう」

出所はともかくドンケン達の役に立つならいい。



「じゃー、アレクが持ってきた荷馬車に積んであるから自由に使ってよ」


フィーナが俺の裾を掴んでいる。


判断を誤ったのかもしれない。


しくじったかな


だが、いまさら断るわけにもいかなかった。



騎士が手を引き、クライブは部屋を後にした。



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