第一章 学校デビュー【7】
響子が先に家を出て、僕は洗い物を済ませてから、家を出た。
ほとんどの家事は響子に任せっぱなしなのだから、食器を洗うことくらいはやらないと、と思わせるような言葉のプレッシャーを響子に与えられている僕だった。
響子が通う女子高は家から結構遠くて、寮を出ている彼女は現在電車通学だ。
対して僕が通う高校は家から近く、徒歩で十五分程度。
自分の学力に合ったところを選んだ響子とは違い、家から近い場所を選んだからね、僕。
学校に着くと、真っ直ぐに教室へと向かう。
僕が所属するのは二年三組。ちなみに李桜は四組。隣のクラスだ。
教室に入ると、いつもとクラスの雰囲気が違うことに気づく。
割といつも騒がしいクラスだけど、妙な緊張感が漂っているざわめきがある。
とりあえず、自分の席に向かう。
すると、数名の男子が僕の方に駆け寄ってくる。
「大将、ビッグニュースだ!」
「リーダー、すでに情報は得ているか?」
「総長、催しの準備はどうする?」
「あのさ、君らはまず僕の呼称を統一してよ」
それぞれがそれぞれ、いろいろな名前で僕を呼ぶ。
僕はこの二年三組でクラス委員を務めている。
自主的、というわけではないんだけど、担任の先生が一年生のときと同じで、伊浪でいいか、みたいなノリだけで決められて、委員を務めている。
特に大変な仕事があるわけでもないし、号令をかけたり、委員会に出たりするだけでいいから、引き受けたんだけど。
それが関係しているのか、どうしてか僕はクラスのみんなから変な名前で呼ばれる。
今みたいに、大将、リーダー、総長とか。
慕われているみたいだから別にいいんだけど、そろそろ呼び方を統一してほしいというのが僕の希望だ。
まぁいいや。
なんだか重大な話みたいだし、このことは置いておこう。
「なにかあったの?」
「おう。それがな、うちのクラスに転校生が来るらしいんだよ」
「女の子か?」
「さすがは総長。反応速度がパねえよ」
僕たちは固まって、重い雰囲気を醸し出すように見せて、僕の机を囲んだ。
転校生が来るとあっては、黙ってはいられない。
しかも、それが女の子であればなおさらだ。
「あぁ、リーダーの言う通り、転校生は女子だ。しかも、見た奴によれば、金髪美女とのことらしい」
「……その情報、確かか?」
「あぁ、間違いねえ。隣のクラスの奴が見たらしいからな」
「担任への聞きこみも済ませているから、うちのクラスにやってくるというのも確かだ」
「そうか……」
金髪。
美女。
……。
「ついに、うちのクラスにもグローバル化の波が押し寄せてきたか……」
「すげえ、金髪ってだけで外人って決めつけてるぜ」
「まぁ、実際そうらしいし、いいんじゃないか?」
外野がなにか言っているみたいだが、今はいいだろう。
「それで、BWHの調べは?」
「大将、それはまだ調べられてねえよ」
「というか、すぐそこにたどりつくんだな」
「それが総長クオリティ」




