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僕の愛しい吸血姫  作者: 大成ケンジ
第二幕―最強の妖魔――
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第一章 学校デビュー【6】

土下座を終えて、再び席に。



響子は構えたテレフォンを戻して、手を顎に当てて、なにか考え事をしている。



「どうしたの?」



「……」



無視ですか、さいですか。



まぁ、考えているんだから、邪魔するな、ということなのだろう。



なら、僕は響子の邪魔をすることなく、朝食にありつこうとしよう。



-------------------------------------------



「なるほど。ええ、大体把握しましたよ、兄さん」



「君は急になにを言い出すんだ?」



僕が朝食を食べ終わったとほぼ同時に、急に響子が口を開いた。



時間にして、十分くらいの思考をしていた響子だけど、いったいなにをどう把握したと言うのだろう。



「兄さんはアリーシアさんが好き。そしてアリーシアさんとはちゅーをした仲。間違いは?」



「ありませんけど、言葉にされると恥ずかしいです」



僕だって十代の少年。



照れはある。



「乙女みたいなことを言っていないで。……で、兄さんの不安はアリーシアさんにどう思われているか、ですよね?」



「まぁ、そうだね」



頷いて答えると、響子は眼鏡をくいっと押し上げて、不敵に微笑む。



「ずばり、試してみる、というのはどうでしょうか」



試す? と僕が首を傾げる。



響子はええ、と答えて、続ける。



「兄さんが他の女性と付き合うんですよ。そうして、アリーシアさんがその方に嫉妬の感情を抱きでもすれば、彼女も兄さんのことを少なからず想っている、ということです」



ふむ、なるほど。



僕が、アリーシアが好きだと言いながらも、他の女性と付き合う。



もしアリーシアが僕のことを好いてくれているのなら、アリーシアは嫉妬してくれるってことか。



まぁ、それなら、アリーシアが僕のことをどう思っているのかもわかるし、割と簡単な方法だ。



だけど、ひとつ問題がある。



「その、僕と付き合う女性は、だれなの?」



「私は嫌です」



「即答しなくてもわかってるよ。相手が響子じゃおかしいでしょ」



「天川さんなどはどうですか? 彼女なら、事情を説明すれば、手を貸してくれると思いますけど」



李桜か。



李桜は、どうだろう。



彼女の生真面目な性格を考えると、こういう、だれかを騙す、ようなやり方には協力してくれなさそうだけどな。



かと言って、だれかほかに協力してくれそうな女性の友達はいない。



……というか、響子に連絡先を消去されて、連絡の取りようがない。



「うん。一度、李桜に話してみるよ」



「はい。もし天川さんが協力してくださるのなら、それからまた計画を練りましょう」



そう言って、響子は自分の朝食を食べ始める。



最初こそは、僕をからかっていたようだけど、あとになってからは、真剣に僕のことを考えていてくれたんだよな。



いったいどういうつもりなんだろう。



じぃっと響子を見ていると、



「なんですか?」



と響子が箸を止めて、僕を見た。



「いや、やけに協力的だな、って」



「ええ、まぁ。私も弱っている兄さんを苛めては、面白くはありませんから」



……響子はいつも通りだなぁ。





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