↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の愛しい吸血姫  作者: 大成ケンジ
第一幕―満月の夜、僕は使徒になる―
PR
55/170

第五章 吸血姫の使徒【15】

「なぁ……恭平」



「なに?」



「お前は、本当に、妖魔と人は分かり合えると思うか?」



「……分かり合える、とは思う。でも、それはとても難しいことだと思うよ」



アレイスターの件の方が珍しいのだ。



人種差別撤廃が叫ばれながらも、それでもなくならないこの世界で、人と妖魔が分かり合うのは、人種差別がなくなることよりも難しい。



でも、可能性は確かに存在している。その証拠がアリーシアなのだから。



「そうか……」



「うん」



僕がそうしているように、李桜もまた、空を見た。



「いつか……そんな世界が来るのだろうか……」



「来てほしいと思うよ……そうすれば、僕も腕を燃やされないで済むしね」



笑いながら冗談交じりに言うと、李桜は苦笑した。



それから少しの間、二人で空を眺めていた。



「では、私はもう行こう」



「アリーシアのこと、どうするの?」



「報告はしなければなるまい。」



そう、と僕。



とりあえずは結果オーライだ。



《狩人》が半妖に対してどんな判断を下すかはわからない。だからまだ完全に安心できるわけじゃない。



「李桜、お願いがあるんだ」



「……なんだ?」



「アリーシアのこと、出来るだけ良くしてもらえるように頼めないかな?」



ずうずうしい頼みごとだとは思う。それでも、頼めるのは李桜だけなのだ。



「……約束はできない」



だが、と李桜。



「だが、善処はしよう。お前の腕をそうしてしまった償いのつもりでな」



「ははっ、それなら腕の一本や二本、安いもんだね」



笑って、それから李桜は僕に背を向けた。



「李桜、もうひとつ頼みたいことがあるんだ」



「まだ、か?」



振り返る李桜に、僕は真剣な眼差しで言う。



「身体が動かないから、家まで運んでくれないかな」







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。