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僕の愛しい吸血姫  作者: 大成ケンジ
第一幕―満月の夜、僕は使徒になる―
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第一章 満月の夜、僕は使徒になる。【15】

アリーシアのぎこちない笑顔を見終わって、僕たちは今後のことを話し合うことになった。



僕は改めて椅子に座り直し、アリーシアはソファに腰を下ろしたままだ。



「アリーシアはなにか、目的があるんだよね?」



「うん」



「それはなに?」



「……お父様を探しているの」



「お父さん?」



そう、と頷くアリーシア。



「わたしの父、アレイスター・クロウリーを探して、私は日本にやってきたの」



「いなくなったの?」



「うん。突然いなくなったの。わたしはお父様の使徒から、お父様が日本に向かったということを聞いて、日本までやってきたの」



「探すのは大変だね。なにか他に手掛かりはないの?」



言うと、アリーシアは、



「白い薔薇がある場所だと思う」



と言った。



「白い薔薇?」



「うん。お父様は、よく、日本にある白い薔薇の草原のことを話していた。だからたぶん、そこにいるんだと思う」



白い薔薇か。それだけじゃなんとも言えないな。



僕自身に薔薇に対しての知識がないから仕方がないかもしれないけど、あまり有力な手掛かりとも言えない。



「一応、ネットで検索をしてみることにするよ。むやみやたらと足を使うよりかはまだマシだろうし」



「ねっと……?」



「知らない? インターネット。文明の利器だよ」



うちのパソコンは父さんのものが一台ある。



父さんが海外に行ってからは、それを居間に持ってきて使用している。



妹が家を出ている今、家にいるのは僕だけなんだし、僕の部屋に持っていってもいいんだけど、わざわざ運ぶのが面倒なので、そのままにしてある。



アリーシアを連れてパソコンの前まで移動する。



「この箱が、ねっと?」



「ううん。これはパソコン。パーソナルコンピューター」



答えて、パソコンを立ち上げて、インターネットに繋いでから検索エンジンを広げる。



そこに『薔薇』と打って、検索を開始する。



「ネットって言うのは、インターネットの略称なんだけど、ネットは全世界に繋がっているから、調べ物をするときとかには活用することができるんだ」



「……恐るべき、人間の科学技術……」



画面越しに映るアリーシアの慄く表情が可愛らしくて、思わず笑ってしまう。



アリーシアは不思議そうに首を傾げているけど。






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