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第一章 満月の夜、僕は使徒になる。【12】
「それでさ、僕はいったいどういう存在になったの?」
「あなたは、わたしの使徒、具体的に言うと、わたしのしもべに近い存在に変質を遂げたの」
なるほど。
想像通り。
あまり当たっても嬉しくないけどね。
それに苦笑していると、不思議そうにアリーシアが僕を見る。
「あなたは、楽観的なの?」
「その言い方はひどくないかな? せめて前向きと言ってよ」
あながち、アリーシアの表現も間違ってはいないけど、それを他人に言われるのは少し癪に感じてしまう。
「使徒かぁ……つまり、アリーシアと僕は主従の関係で結ばれたってことだね?」
「そうなる」
主従関係。
……なんだか淫猥な響き。どきどきしちゃうなぁ。
「なに笑ってるの?」
「ううん、なんでもない」
思わずにやついていたらしい。
危ない危ない。
妄想の世界にトリップしてしまうところだった。
……使徒、か。
吸血鬼であるアリーシアに血を吸われたことにより、僕は人間ではなくなり、使徒になった。
それがどういう存在なのか、あまり詳しく理解しているわけではないけど、この身体に起きた異変は、確かに僕が人間ではない『なにか』であると告げている。
でもまぁ、顔とか身体つきに目立った変化は見られないようだし、そういう点では安心してもいいかも。




