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春の灯―ハルノヒ―  作者: 絲瀬


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初々しい二人

四人で居酒屋に入って、梨紗と康介は自然に隣同士で座っていた。


もしかしたら、この二人上手くいくかも。

実希は密かにそう思い、泰生に耳打ちをした。


「少し四人で過ごしたら、二人にしてあげない?」


泰生もそれに賛成し、梨紗と康介の雰囲気を見て抜ける作戦をコソコソと立てた。


一方、向かいに座る二人は、既に二人の世界が出来上がっている。


一時間くらいして、泰生がそろそろ二組に分かれることを切り出そうとした時、康介が口を開いた。



「実希ちゃん、泰生、ごめん。俺ら、二人で抜けてもいい?」


梨紗はその横で嬉しそうにしている。


「私達も、そうしようって思ってたんです。梨紗をよろしくお願いします」


「ちゃんと、終電までには帰すから、梨紗ちゃん借ります」


「どうぞどうぞ」


泰生は何も言わないが、表情はどこか嬉しそうだと実希は感じていた。



会計を済ませ、梨紗と康介は2軒目の店へと向かった。


実希と泰生も、別の店へと歩きだす。


その間、泰生が少し暗い表情を浮かべている。



「どうしたの」



実希は、泰生に声を掛けた。


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