メール
メールを交換した日の夜、泰生から早速メールが届いた。
『何で俺ら今更メールしてんだっけ』
唐突に送ってきたと思ったらこれだ。
泰生への“変人”という見方が抜けないのもこれのせい。
『知らんよ。そっちが半強制的に交換させたんじゃん』
『まあいいじゃん』
『用は何?』
『用がないとメールしちゃダメなの?』
ダメだ。この男、メールでも普段と変わらない……
付き合い切れないと思い、放置する実希。
一時間ほど経って、またも泰生からのメールが届く。
『無視すんなよ。ところで、電話番号を聞いてない』
『嫌だよ。掛けてくるんでしょ?』
『自意識過剰だよね、実希ちゃんって』
……やっぱりムカつく。
『日頃の行動見て言ってんだよ』
『教えてよ』
『逆に聞くけど、教えると思ってる?』
『いいじゃん』
『自意識過剰』
やり取りに疲れた実希は、その後の追撃も全て無視をして眠りについた。
――翌日、また泰生に絡まれるのか……そう思いながら出勤する。
しかし、泰生は出勤して来ない。
その次の日も、更にその次の日も、泰生は出勤して来なかった。
日頃うるさい男が、メールを連続で送って来たかと思えばその翌日から急に現れなくなったのだから。
メール……してみるか?
でもそこまでする義理もない。
スマホの画面を見つめ、迷う実希だった。




