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春の灯―ハルノヒ―  作者: 絲瀬


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不安と安心

トイレに駆け込むが、心臓の鼓動はなかなか静まらない。


終わらない執着に吐き気がしだした時、泰生から着信が入った。


「実希ちゃん、今どこにいる? 遅くなってごめん」


泰生の声を聞いて安心したが、恐怖のあまり話すことが出来ない。


「メール打てる?」

「うん」

「メールで居場所送って」


実希は泰生にすかさずメールを送る。



『今、二階の奥の女子トイレ。靴屋の近く』

『分かったすぐ行く』


それから二分も経たずに、泰生から『着いた』とメールが来た。


『ヤバそうな男一人いるけど、こいつ?』

『目細い?』

『線みたいなやつ』

『じゃあ多分そいつ……』


実希がそう送ってからしばらく返信は来なかった。


泰生から連絡が来たのはそれから十分ほど経ってからだった。


『もういなくなったから出ていいよ。外で待ってるから』


実希はふと、泰生に怪我がないか不安になる。

急いで泰生の元に向かった。


ただトイレから外に行くまでの距離なのに、泰生の無事を確認するまで、すごく長く感じていた。


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