お互いの印象
泰生が、ランチに着いてくるようになって一ヶ月。
最近は少しずつ、変なやつだし無神経だけど、悪いやつではないのかもと思うようになっていた。
「ていうかさ。何で毎日着いてくんの?」
「ぼっち可哀想だから?」
笑いながら皮肉を言う泰生。
「別に寂しいとかじゃないから同情要らないんだけど」
「強がりさんだよねー実希ちゃんは」
「名前で呼ぶのやめてくれる?」
「実希」
「もっと嫌」
やっぱり悪いやつじゃないっていうのは、撤回したい。
「私あんたのこと、第一印象から最悪なんだけど」
「俺も俺も」
「は?」
「仲間じゃないですみたいな顔して、性格きついしわがままそうだなって」
「うざ」
「顔は可愛いのにもったいないよねぇ」
「余計なお世話」
「で、実希ちゃんは? 俺のことどう思ってたの?」
「クズ。コミュ力なし。無神経。頭パッパラパー」
つい本音が出てしまう。
それを聞いて、笑いながら言い返す泰生。
「実希ちゃんも性格悪いよ! お互い様」
と言ってくる。
ならば、着いてくるなよと言おうとしたけど、多分泰生は聞かないだろう。
本当に変なやつ。そしてやっぱり、嫌なやつ。
「ていうか、そこまで思ってるんなら何で着いてくるわけ?」
「ん? 楽しいからかな」
「おちょくるのがだろ」
「いや、実希ちゃんとご飯食べるの。最近よく話してくれるようになったでしょ」
急に真面目になる泰生に、鳥肌が立つ実希。
「あんた、そのキャラ向いてないよ」
このとき実希の中では、泰生は話が通じず、空気読めず、無神経で、クズなチャラ男のイメージが出来上がっていた。
真面目な顔して何言っても、チャラ男がゲーム感覚で言っているようにしか見えない。
「キャラってなんだよ」
ちょっとだけムッとした表情で言い返してくる泰生に、
「ハイハイ」
と適当にあしらう実希だった。
直に、飽きて着いて来なくなるだろう。そう思っていた。




