第2話:失踪
第2話です。2ヶ月近く空いてしまいました……。
「──どうぞ、こちらの部屋をお使い下さい、勇者様方。」
「ありがとうございます!」
「……失礼します。」
ミラと記記は、村長に連れられて村長宅のすぐ側にある家へとやってきていた。
「……さてと、じゃあ……えっと…………何するんだっけ?」
「今回は特にすることはありませんよ、コヅカ様。我々の任務は、この村へ魔物が襲撃してきたときにそれを撃退することですから。」
「あ、そうか!じゃあ、何してようか?」
「そうですね……取り敢えずこの村をもう少し散策してみませんか?」
***
ミラー高原と隣り合わせになっているこの『バック』の村は、古くからあるものの、あまり記録が残されていない。
と言うのも、貧しいが故に人が出ていき、それによってさらに貧しくなっている状況だからだ。人口はどんどん減少し、今では本当に小さな村になってしまった。
記録が残されていないと言うよりも、書類作成人にとって特に記録すべきことがなかったと言った方が正しいのだろうか。
───だが、そんな村にも『秘密』があったのだ。
あの自分勝手で人を人として見ない女神と、村の一部だけが知る、『秘密』が。
***
「…………」
ミラと記記は、村の中を散策していた。
(……やはり……この村は少しおかしい……何か……おかしな気配が……)
「あっ、あそこにお店があるから行ってみようよ。」
「はい、コヅカ様。」
ミラと記記は、上の階が民家になっている店へと立ち寄った。
「はい、いらっしゃい…………おや、これはこれは珍しいお客様だね。」
「あ、どうもこんにちは!」
「失礼します。」
「……それにしても珍しいねぇ……この村に若い子が来るなんて……何かあったのかい?」
「あー、えっと、実はこの村に用があって?」
「ほぅ……そうなのかい?まぁ、良い。何か買って行くかい?」
「あ、そう言えば、ここって何のお店なんですか?看板には『バック商店』って書いてありましたけど。」
「……そうだねぇ。まぁ、この村の雑貨屋ってとこかね。この村はあまり店がないから、ある程度何でも置いておかないと困っちまうのさ。」
「なるほど……。」
記記とミラは店の中を見回した。
たしかに、生活で必要だと思われる物が揃っていた。
(……この村にしばらく住むことになるでしょうから、このような店は必須ですね。)
***
────その夜。
「──コヅカ様、お休みなさいませ。」
「うん、ミラ、おやすみなさい。」
ミラと記記は、村長に借りた家のベッドに横になる。
「……す───────」
そして、記記はすぐに眠りに落ちる。
「…………」
だが、ミラはすぐに寝ることはできなかった。
何故か、寝てはいけない気がしたのだ。
(……一応、注意をしておくのが最適解ですね。)
そして、ミラはベッドの上でそのまま目を開けていた。
***
─────深夜。
「──?」
ミラは、何やら『魔力』のようなものを感じた気がして、ベッドを降りた。
(……この気配は……魔物?まさか、もう魔物が攻めてきたの?)
ミラは、外の様子を確認しようと、部屋の扉を開けた。
「─────え?」
その瞬間、ミラの意識は途絶えた。
***
「───あ…おはよう、ミラ………………あれ?」
そして、朝早く。
記記が目を覚ますと、隣で寝ていたはずのミラは消えていた。
普段、朝起きるのは記記の方が若干早いため、記記がミラを起こすこともあった。
だが今日は、隣のベッドにはミラはいなかった。
それだけならば別に良いのだが、何故か家の中にひと気が無い。
「……どうしたんだろ?トイレかな?」
記記は、家の中を探し回る。
1LDKの一階建の家なので、すぐに探し終えることができる。
「あれ……?」
だが、どこにもいない。
「……こんな早くにどこかに出かけてるのかな?」
記記は、少し不安になり、そのまま上着を羽織ると外へ出て行った。
***
まだ日が登っていない朝。
この世界の時間では、現在朝6時30分である。
「………ミラ、どこ行ったんだろう?」
記記は、ミラを探しに村の中心部まで来ていた。
「………」
朝早くのため、当然ただでさえ少ない店などは全て閉まっており、辺りは静寂に包まれていた。
(……おかしいな……ミラは僕に黙ってどこかへ出かけたりしないって自分で言ってたんだけど……)
大事なことはメモしてある。
(……もしかして……誰かと会ってる……とか?……それともまさか…………誘拐?)
「──いや……でも……ミラが誘拐されるなんてこと、あるのかな。ミラはかなりの高レベルだし……正直僕なんかより強いんだから……大丈夫なはずなんだけど……。」
記記は、静かな村の真ん中で、そんなことを呟きながら思考を続ける。
──だが、分からない。
(……仕方ないか……一度あの家に戻ってみよう)
記記は、なんとも言えない気持ちに襲われながら、彼女が帰ってきていることを願って家へと足を進めた。
―第2話 完―
お読みいただきありがとうございます。
pv、ブックマーク等ありがとうございます。
この作品はどうしても雰囲気が暗くなってしまい、書くのを躊躇ってしまうので、更新のペースが遅いのはお許しください……。




