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6(厄介者)
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「眠れないのか」お父さんが居間と廊下の間に立っていた。
お父さんはあたしの横に立ち、並んで窓の外を見る。一面の雪景色。音を飲み込む雪景色。光を弾く雪景色。
ふと、お父さんが口を開く。「ヨシは雪が降ると犬みたいにはしゃいでた」
「お父さんは?」
「雪は厄介者だよ。おれにとって冬の空はいつもべたっと曇って重たい。こっちは空が高く澄んで、まるでビー玉みたいだと思った」
「ねぇ、お父さん」あたしは言った。「オイちゃん、来てたよ」
するとお父さんは。「そうか」
「知ってたの?」あたしはお父さんを見た。
「憶えてないのか?」お父さんがあたしを見た。「葬式に行ったろう?」
「途中で帰ったのは憶えてる」
「そりゃそうだ」お父さんは破顔した。「オイちゃんがふたりいたら坊さんも困るからな」




