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転生してホモスパイラルから逃げられたと思ったら前世で俺の処女を奪ったクソ野郎とエンカウントしちまった件  作者: KP
第二章

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後から振り返ればきっとここが転換期だった


引き続き、アルだ。

前回、『熱波の彼岸窟』を攻略した俺たち。

エドがダンジョンコアの制御に成功したら、また次元ゲートが開いたようだ。

今回の話は、そっからだぜ。




『熱波の彼岸窟』のボス部屋に出現した赤褐色のドアは、『マッドの館』に繋がっていた。

通り抜けて、サイモンさんのいる研究室側から見ても、赤褐色のドア。

一方、『緑の楽園』に通じている緑色のドアも、相変わらずここに存在してる。別の次元ゲートを開いたからって消えたりはしなかった。

ってことは。

事実上、これで3つのダンジョンが繋がったってことになるんだな。

「おおおおおっ!チミたちは本当に素晴らしいなっ!もちろん期待していたが、まさかこんなに早く成果を出してくれるとはーッッ!!」

興奮することしきりのサイモンさん。

そりゃそうか。

そもそも、ダンジョンを攻略して次元ゲートを開いて欲しいというのは、サイモンさんからの頼みだった。

通信用の魔道具を作るため、サンプルデータと取りたいからと。

さらに元を正せばその魔道具の制作は俺からの依頼だったのだが、ありがたいことにサイモンさんもすっかり夢中になって取り組んでくれている。

研究の進捗とか、こっちからも聞きたいことは山程あったが……

それよりも、今は!


涼しいぃぃぃぃ!!!


俺はここの涼しさに感動しまくっていた。

熱風が吹き込んでくる赤褐色のドアをしっかり閉じて、はぁ〜〜〜っと大きく息をついてしまう。

いやほんと、マジでしんどかった!『熱波の彼岸窟』!

どこもかしこもめっちゃ暑くて熱くて!

トドメに、最後のあのボス戦だろ?

何日もかけて洞窟型ダンジョンを踏破してきて、多少慣れたつもりでいたけど。

体は正直だ。

ここの快適な気温に、もうそれだけですっごい喜んでいる。

強張っていた全身が安心して弛緩していくのも分かる。

サイモンさんとの情報交換とか募る話もあるけれど、それはそれとしてまずは一休みしていきたい。

俺はエドを振り返った。

相棒の意見も聞こうと思ったんだ。きっと、たぶん、いや絶対、同意してくれるだろうと見越して、笑顔で。

ところが、


ーーーどさっ


「……えっ」

俺は我が目を疑った。

エドが、いきなり倒れちまったんだ。

あまりに突然のことすぎて、すぐ傍にいたってのに、不覚にも抱きとめてやることもできなかった。

「お……おい!?しっかりしろ!?」

慌てて抱き起こして、様子を見遣る。

覗き込んだエドの顔色は、蒼白だった。

気を失ったのは一瞬だけで、すぐに意識を取り戻して目を開いてくれたが、自力で起き上がることもできないようだ。俺の腕の中でぐったりとしたまま、

「あ、あれっ?……ぼく、なんで……」

一体どうしたんだよ!?

愕然とした俺の疑問に答えたのは、サイモンさんの声だった。

サイモンさんは早くも机に向かって一心不乱になにやら書き物をしていたのだが、俺たちに一瞥だけくれて、

「んー、エドワードくんは魔力欠乏……いや、魔力枯渇寸前の状態みたいだなー?今度のダンジョン攻略はそんなに大変だったのか?」

魔力枯渇。

魔法使いが、限界を超えて魔法を使い過ぎると陥ってしまう状態らしい。

体内の魔力がすっからかんになって、体力や意識さえも持っていかれてしまうという。

「そ……そんな、バカな……ぼくは、そこまでの魔法を使った覚えは……」

「バカでもなんでも、実際にチミの今の症状はかなり重度の魔力欠乏状態だぞ?……ま、しばらく休めば問題なく回復すると思うがなー」

「ぼくが……まりょく、けつぼう……!?」

エドは自分で自分が信じられないって顔をしていた。

魔法自体が使えない俺には、サッパリだが。

サイモンさんがそう言うなら、たぶん間違いはないだろう。

ボス戦で奮闘したし、その後も結界魔法を張ったり、コアを制御したり。

思い当たることはいくらでもあるし。

…休んで回復するなら、よかった。

俺はサイモンさんに断りを入れて、客室のベッドを借りようとした。

疲れた時は、とにかく眠って休むこと!

これに尽きる。

なのに、エドのやつときたら。

「こ……こんな汗と戦塵まみれで汚いまま、ベッドに入りたくない……!!!」

だぁぁぁぁぁッ!?

こぉの、おぼっちゃん育ちの王子様がッ!!




…でも、思えば前世からそうだった。

こうちゃん、病的って程ではないにしろかなり潔癖だったんだよ。

寝る前には絶対にシャワーを浴びてサッパリしないと安眠できないっていう。

まぁ、綺麗好きなのは悪いことじゃねーけどさぁ!?

時と場合によるだろう!?

今のおまえに必要なのは風呂よりも睡眠による休息だろーが!

そう説得を試みるも、頑として首を縦に振らない。

「こんな気持ち悪い状態じゃ眠れるわけないよ…!」

め、

めんどくせぇぇぇぇぇ…!

俺は心底呆れてしまった。

とはいえ、自力で立つこともできないくらい疲弊しているエドを放ってはおけないし……

あっ、そうだ!

浄化魔法!

あれで身を清めれば!

…エド自身は、今は魔法を使うのは無理か。

んじゃあサイモンさん!

いっちょ、頼んます!

「えー、やだよー。僕はたった今しがた得られたばかりのデータを元に研究を進めるのに忙しいのだ。魔法の無駄打ちはしたくない」

えええええ!?

「身を清めるなら、この館の浴室を使うといいのだ。じゃっ、そーゆーことで!」

さ、

サイモンさーん!?

そりゃないよ……




しかし俺がいくら食い下がっても、もうサイモンさんは一顧だにしてくれなかった。

ひたすらに机に向かって、ガリガリ、バリバリ、って……

本当に研究熱心だよな……

邪魔するのも気が引ける。

仕方ないので、俺はエドを抱えて浴室へと向かった。

………。

一応、名誉のために言っとくと。

いわゆるお姫さま抱っこなんかはしてねーからな。

こんな面倒くさい野郎は俵担ぎで十分だ。

「あああっ……アルとお風呂!アルとお風呂!アルとお風呂!……感激ぃぃッ!!……くぅぅっ、今の僕に自由に動けるだけの体力が残っていたら…!!!」

…じゃかまっしー!!!

そんだけの体力がもし残ってたら、俺が入れてやるわけねーだろが!?

ったく…!


ぶつくさ言いながら、浴室に到着。

エドと違ってまだ体力もあれば元気もある俺だが、汗と埃まみれなのはおんなじだ。

面倒なので、一緒に入っちまうことにした。

…危機管理?

ふん。

今のこいつに何ができるってんだよ。

マッパを見られるくらいは今更だ。

前世じゃ修学旅行も臨海学校も一緒だったんだぞ。それ以外にも、家が隣同士の幼馴染だったから、お泊りついでに一緒に風呂に入ることもしょっちゅうだった。

この世界の浴室は、全部魔道具で成り立っている。

バスタブに水を張るのも、湯を沸かすのも、魔石を動力とした魔道具。

シャワーなんてものはないので、桶に湯を汲んで体を流して洗っていくんだ。

湯船が汚れないように、先に体の汚れを流してから入る。こんへんの作法は同じだな。

まずはエドを洗ってやることにした。

浴室用の椅子に座らせて、桶で頭のてっぺんから湯をそーっと優しく掛けていく。

濡らしたタオルに石鹸を擦り付けて、泡立てて、と。

………。

前々から思ってたけど、この世界の石鹸って泡立ちにくいんだよな。

魔法があるおかげでそこまでの不便はないけど。こういうものを作る技術力とかは前世の日本とは比べ物にならないくらい未熟なのだろう。

ま、しょーがない。

十分に泡立ててから、エドの体を洗ってやった。

「……あああああああっ♡」

…だからぁ!?

変な反応してんじゃねえッ!

おまえが身動きひとつできないくらい消耗してるから!俺は介護のつもりでやってるんだぞ!?

「僕たち、老後も安泰なカップルになれるね…♡」

…そうきたかー。

も、もういいや。

キリがねーから、深くはツッコむまい。

大型犬をトリミングしてやってるくらいの感覚で、頭髪まで綺麗に洗って、流してやり……

エドを湯船に浸からせてやったら、次は俺の番だ。

ま、自分のことは簡単だぜ。

俺は皮膚も頑丈なので石鹸を染み込ませたタオルでガシガシ擦って力任せに洗っていく。洗髪も同様に、ガシガシっと。

終わったら、俺もゆったりと湯船に身を沈ませた。

ああ〜…

ぬくい…

気持ちいい…!

やっぱ風呂はいいなぁ。

落ち着くし、体の芯にこびり付いていた疲れがじんわりと湯に溶け出して消えゆくかのようだ。

なんだかんだで、俺もダンジョン攻略でそこそこ疲れが溜まってたんだな。

「ふふふふふアルとお風呂だなんてふふふふふもうこれ完全に一線を越えたも同然だよね…!」

…あのな。

疲れを癒やしてるそばから、疲れが溜まること言ってんじゃねえ!

なーにが一線越えただ!アホか!

一緒に死線は越えたかもしれねーがな!?

ボス戦は結構ヤバかった。

「えー、そんな。あの程度で大げさな……」

実際に今、おまえそんな有り様じゃねーか。

魔力枯渇だなんて。

この世界でもずっと一緒にいるけど、おまえがここまで疲弊してるところなんて今まで見たこともなかったぞ。

「う〜ん……確かにそうだけど。不思議なんだよね。僕、本当にそこまでの魔法は使ってないはずなんだよ?」

あの結界魔法とか。

かなり上級の魔法じゃねーのか?

「普通ならそうだろうね。だけど僕は王家の血筋で、魔力量は規格外なんだよ?いつもなら全然まだ余裕のはずなのに」

じゃ、いつもと違うことをしたのが原因じゃね?

「魔法剣のこと?……あれにも、そこまでの魔力は込めてなかったはずなんだけどな」

俺は魔法に関しては分からないが。

運動するのだって、そうだろ。

どんなに体を動かすのが得意でも、いつもと違った動作を急にしようとしたら、体がついていけずに変に痛めたり、異様に疲れたりするもんだ。

「ふふっ、アルらしい喩えだね。……でも、確かに。それくらいしか考えられないか……」

どうなんだよ、あの魔法剣って。

「うん。さっきも言ったけど、まだまだ改善の余地ありだ。あんな高難易度のダンジョンのボス戦でいきなり試すべきじゃなかったよ」

エドいわく。

一度使ってみただけで、問題点がいくつも浮き彫りになったとのこと。

最大の問題は、なんといっても持続時間の短さだそうだ。

「というか、一回斬りつけたらそれで効果がおしまいになっちゃったんだよね。あれだと魔法を剣戟の形にして放っただけって言った方が近いよ」

なんか、思ってたのと違うな。

少なくとも一定時間は連続で使えるもんだとばかり。

つーか、そうじゃなきゃ実戦向きじゃないだろう。

エドは特に。俺より一撃が軽い代わりに、フェイント混じりの連続攻撃で相手を翻弄して追い詰めるって剣術のスタイルなんだ。

氷の魔法剣は威力抜群で一撃はめっちゃ重くなってたが、後が続かないんじゃな……

ボルケーノドラゴン戦だって、本当は最初の一太刀に続けて二太刀め、三太刀めを浴びせ、速攻で仕留めるつもりだったはず。

なのに、予定外に魔法剣の効果が切れてしまって、できなくて。

…結果、ボルケーノドラゴンを最も厄介な手負いの獣状態にしてしまった。

すぐにかたを付けていれば、あの最後の悪あがきもなかったに違いない。

「もっといろいろとやり方を試して……ちゃんと、実戦に耐え得るまでに昇華させないと……」

そうだな。

頑張れ、エド。

俺もできることがあったら協力するぜ。剣の特訓相手くらい、いくらでも……

と、しゃべってる途中で気付いた。

エドのやつ。

湯船に浸かったまま、瞼を閉じて。

いつの間にか寝落ちしてやがる……

よっぽど疲れてたんだなぁ。

でも、こんなところで寝たら危ねーだろ。溺れたらどうすんだよ。

おーい、起きろ。エドー?

俺は手で軽くエドのほっぺをペチペチと叩いてみた。

しかし起きる気配はない。

…しょうがねえ。

正直、ここまで本格的に面倒を見るハメになるとは思ってなかったが。

俺はエドを抱えて浴室を出て、体を拭いてパジャマ代わりの簡素なシャツを着せてやると、客室のベッドまで運んでやった。

その間も、まったく目を覚まさない。

魔力枯渇って本当に大変なんだな。どれだけ深く眠ってるんだよ。

まあ、これで回復してくれりゃいーけどさ……

「おやすみ、エド」

俺は返事のない相手の寝顔にそっと囁いて、部屋を出た。




俺自身も隣の客室を借りて休んで。

どれだけ眠ったかなー?

目が覚めたら、体はスッキリ全回復してた。

と同時に、腹の虫がグーグーと盛大に抗議の音を上げている。

…早急なエネルギー補給が必要だな。

隣の部屋に様子を見に行くと、エドはまだベッドの中だった。

こいつが俺より起きるの遅いなんて、超レアだ。珍しい。

まだ寝かしといてやった方がいいかな?……と踵を返しかけた俺だが、ちょっと待て。

なんか、ベッドから、うーうーって唸るような声が。

エド…?

魘されてんのか?

足音を忍ばせて近寄り、覗き込んでみると、眉間にシワを寄せて安眠とは程遠い寝顔をしていた。

これは、起こした方がいいかも…?

揺さぶってやろうか迷っていると、折よくエドの瞼がパカッと開いた。

束の間、呆然としたように碧い瞳が虚空を彷徨い……

ほどなく俺の顔に焦点が合ったようだった。

エドの表情がふにゃっと緩む。

「ああ、アル……おはよう。起き抜け一番にアルの顔を見られるなんて、なんて幸せな目覚めなんだ…♡」

寝言は寝て言え。

と、よっぽどツッコんでやりたかったが。

「おはよう、エド。……おまえ、なんか苦しそうに魘されてたぞ」

「うん。夢見が悪かったみたいだ。もうどんな夢だったか、忘れちゃったけど……」

「大丈夫か?」

まだ疲れが取れていないのでは。

そう心配して尋ねる俺に、しかしエドは笑顔で起き上がってきながら、

「もう平気だよ。魔力も元通り……いや、前より漲ってるかも。魔力量がまた上がったみたいだ」

おお!

あれだ、超回復ってやつだな!

限界を超えて消耗した後、しっかり休息を取ることによって鍛えられていく。

筋肉と同じことが魔力にも起こるんだなぁ!

よかったじゃん!

「ううん……だけど、残念だ。今更になって回復したって……」

?

なにか問題でもあるのか?

「問題ありまくりだよ!せっかくアルと一緒にお風呂に入ってたのに!……なにもできなかった!!」

………。

おいコラ。

なにを考えとんじゃおまえはー!?

つーか何をする気だったんだ!?

いややっぱいい!答えなくて!

どーせ碌なもんじゃないってのは分かりきってるんだ!

「湯船で火照った肌……無防備な全裸で…!あああああ何故僕はあのドリームに手を伸ばすことさえできなかったんだ!?それどころか寝落ちして眼福の光景を目に焼き付けることさえ不十分で!な、なな、なんてもったいないっ…!!!」

だから言うなっつってるだろーが!?

欲望を口からだだ洩らすな!

「あわよくば素肌と素肌を触れ合わせてあーんなことやこーんなことがっ…!!!」

ぐっ…!?

風呂上がりのあの時。

寝落ちして意識のないこいつの面倒を見るにあたって、モロに素肌を触れ合わせていたわけだが……

だってしょーがねえじゃん!?

世話するのに抱きかかえて運んだりしなくちゃどーしょうもなかったんだから!

………。

こいつが完全に眠っててよかった。

俺は、不本意ながら互いに全裸で接触していたという事実を、未来永劫黙っておくことに決めた。

墓場まで持って行く。絶対にだ。




と、ともあれ。

エドも回復したことだし、俺たちは改めてサイモンさんに会いに行った。

すぐそこの研究室へと向かう。

すると、部屋への扉を開けたか開けないかってくらいの瞬間、


「できたぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」


サイモンさんの大喝采が!

両手に1個ずつ水晶玉を握って、バンザイして掲げるポーズを取っている。

ってことは!?

「通信用の魔道具!ここに!完成なのだーっ!!!」

おおおおおっ!

やった!

すごいぜサイモンさん!さすがだ!

しかも、こんな短期間で作り上げちゃうなんて!

「うむっ!2つ目の次元ゲートが開いて、サンプルデータを取ることができたのが大きいがな!」

興奮して早口になったサイモンさんが、いろいろと説明してくれた。

次元ゲートの双方向リンク?

複数アクセスポイントの共有化?

認識コードを設定することによって、対象を特定?

あとは理論を魔力回路に写し込んで水晶玉に組み込むだけ?

複数の端末でも同時接続が可能に……

………。

うん。

俺にはさっぱり分からねーってことは、分かった。

エドはちゃんと理解してるっぽいな。時々相槌を打ったり、質問を挟んだりしてる。

魔法使いだし、そもそも俺とは頭の出来が違うもんな……

そのへんはもう仕方ないと割り切ってる俺である。

それよりも、肝心なのは。

俺でもその魔道具が使えるかどうか、だ。

あと父上もな。

貴族には魔法の素養があることが多いんだが、元は地方の下級貴族だったフュリューリンゲン家の俺たちには、どうも魔法の才能はないっぽいから。

「もっちろん、ノープロなのだ!そもそも魔法の使えない一般人でも操作できるように作り出したものをして魔道具とゆーのだぞっ!」

そっか!

本当にありがとう、サイモンさん。

これ、早速父上に渡してくる!






冒険者ギルドへの、『熱波の彼岸窟』からの帰還報告のリミットまでには、まだかなり余裕がある。

下層階の迷路を思いのほか早く突破できたことが大きい。

帰り道は、次元ゲートを『熱波の彼岸窟』の出入り口付近に開けば、さらにショートカットできるはずだし。


俺とエドは、ちょっと王都まで寄っていき、フュリューリンゲン家の屋敷に一週間ほど滞在してから、再び冒険の旅へと戻っていった。

今度からはいつでも父上と連絡が取れる。

俺は、大いに満足だった。


この、水晶玉を使った通信用魔道具が、既存の情報伝達方法の常識を根底からひっくり返してしまい。

サウザンド王国内だけに留まらず、やがて世界各国にセンセーショナルな波紋と共に広がっていくことになるだなんて。

この時の俺は、想像だにしていなかったのだった。


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