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転生してホモスパイラルから逃げられたと思ったら前世で俺の処女を奪ったクソ野郎とエンカウントしちまった件  作者: KP
第二章

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たまには観光でもしよう


アルだ。

『緑の楽園』から戻ってきた。

ちなみに、エドがコアを操作して次元ゲートをダンジョンの出入り口付近に繋げたから、帰り道は楽ちんだった。

緑のドアを潜って、ほんの十歩ほど先の距離にもう出入り口が見える。

「このドアはどーすんだ?こんな場所にあったら、すぐ他の人たちにも見つかるだろ?」

「大丈夫だよ。僕の任意で出したり消したりすることができるから」

その言葉通り、エドがサッと手を打ち振る仕草をしたら、そこにあった緑のドアは跡形もなく消えちまった。

これで利用できるのは俺たちだけってことになる。

もしかしたら冒険者ギルドには報告した方がいいのかもしれないけど…

「あんなものの存在を下手に明かしたら大騒ぎになるよ。人為的にダンジョンコアを操作する技術にしてもそうだ。サイモンもまだ研究途中だったし、軽々には広めない方が良い」

そっか。

「それにサイモンの研究成果はサウザンド王国で管理することになっているんだよ。僕たちの勝手な判断でよそに情報を渡したりはできないよ」

おお…!

国家の利権に関わる問題ってことになるんだな。

俺、難しいことはよく分からねーけど。

サイモンさんの研究に関することは、他でしゃべっちゃいけないってのは、分かった。

いずれ正式に発表して、みんなで役立てられるようにできたらいいけどな。




さて。

そんなわけで、あっという間に外に出られたぜ。

冒険者ギルドにも帰還報告を済ませた。

次はどうしようか?

「掲示板で依頼を探す?それとも、また別のダンジョンを目指すのでもいいかもね」

うーん…

ここはレオンハート王国だったよな。

「うん。僕たちのいたサウザンド王国からは、隣の隣の国だ。今は国家間の情勢が安定してるから、交易なんかもそれなりにあるよね」

思えば遠くに来たものだ。

「ワイバーンで空からだと、割とすぐだったけど」

そうなんだよなぁ。

なまじ便利な移動手段があるから、俺たち立ち寄った場所をあんまりじっくり回ってこなかったよな。

ここに来る途中の、レイクヒル共和国もほとんど素通りだったし。

町に入っても、冒険者ギルドと宿屋くらいしか行ってない。

なあ、たまには観光とかしてみないか?

この国、結構豊かで楽しそうだし。

「そうだね。レオンハート王国はもしかしたらサウザンド王国よりも先進的かも…」

そうなのか!?

「もう学校制度があるんだよね。王都にある王立学院は特に有名だ」

がっこう…

うッ、頭が…!?

「たろーちゃんは体育以外の授業、あんまり得意じゃなかったもんねぇ…」

前世のことで、エドに苦笑されちまった。

でも、しょうがねーじゃん。

俺、勉強苦手だったんだよ。

つーか、今でも苦手だ。

今世じゃ、貴族は家庭教師に教わるのが一般的で……王子様の御学友にされてからは、俺はエドと一緒に王城のえらーい学者先生に教わってたけど。

座学はもう散々だったな…

「この国では、王侯貴族も学校に通って勉強するんだってさ。そのための王立学院だ」

マジかー。

「成績不振だと落第とかもあるんだって」

うげげっ!?

俺、転生した先がこの国じゃなくてよかったかも。

「もちろんだよ!アルは僕と運命的な再会を果たすために、僕と同じ国に生まれ変わってきてくれたんだもんねっ♡」

…そーいうことじゃねーよッ!


と、ともかく。

学校制度があるって、すごいことなんだそうな。

全国民に一定の教養が身につく。識字率も上がる。

自然、国全体の文化レベルも上がるってスンポーだ。

単に頭が良くなるとかそーいう問題じゃないんだって。道徳観念の発達、法律の浸透、それによって民度も上がって全体的に暮らしやすい社会が形成されていくってことらしい。

…うん。

受け売りそのままに言ってみたけど、俺、わけ分かんねー…

ま、まあ、学校があるのはいいことずくめってのは分かった。

それに平民階級でも勉強できる環境が整ってるってことだから、そっち方面が向いている子は才能を伸ばすことができるってわけだ。

なるほどなー、って思ったぜ。

俺たちのいたサウザンド王国じゃ、平民は勉強したくてもできない場合がある。

町の私塾とかに子供を通わせて勉強させるってシステムなんだ。そこそこ金銭的なゆとりのある家庭じゃないと難しいし、地方の小さな村にはそういった私塾すらない。

あとは親に学がある場合は親から教えてもらうってパターンもあるようだが、そもそも親に学がある家庭は富裕層以上だ。

貧しい者には学問の門戸が最初から閉ざされている。

もしも天才的な頭脳を持つ子がいたとしても、誰にも気付かれずその才能を埋もれさせてしまうことになる。

子供のチャンスや、人生の選択肢を増やすって意味でも、学校は大事ってことなんだ。


エドはなにげない顔してるけど、本当はかなり気になってるな。

もう付き合いも長いからな。それくらい分かる。

元王族で、為政者側だったんだ。他国の学校制度、見ておきたいんだろう。

よし、行こうぜ王都。

王立学院の敷地内に入ったりはできないだろうけど、外側からどんなもんか、眺めるだけでもさ。

「アル………いいの?」

もちろん!

これだって立派な観光だろ。

それに、王都だったら他にもいろんなものがありそうだし。

いっちょ敵情視察と洒落込もうぜ!

「別に敵ではないけど。うん、分かった。ありがとう、アル」


レオンハート王国の南側から、中心部の王都へと。

俺たちはまたワイバーンに乗って移動した。




で、あっという間に到着だ!

王都!

でっかくて、きれいで、華やかだなー!

「そうだね、このメインストリートを見ただけでも治安のよさと豊かさが分かる」

きちんと舗装された煉瓦敷きの歩道だ。

道幅は広く取られており歩きやすく、馬車の通る車道と分けられているため、安全性も高い。

使われてる煉瓦も一個一個カラフルで、装飾性まであるんだな。

王都に入るための検問所から真っ直ぐに伸びたメインストリートには、いろんな店が立ち並んでいる。大規模な商店街って感じだな。

住宅街はここから離れた区画にあるようだ。

旅の冒険者や商人にはどんな輩が紛れているとも限らないから、一般の住民の安全面に配慮されてのことだろう。

中央にはもちろん白亜の城がそびえ立っている。遠目からも威風堂々とした佇まいが窺える。

それを取り囲むようにして貴族街の区画が。…ここのお屋敷も一軒一軒が立派だなぁ。

娯楽施設も充実してるな。王立競技場、王立歌劇場。あと憩いの場になる王立公園なんかも。

うん。

今んとこ、サウザンド王国の王都が勝ってる部分がどこにもないな…

「うう〜んっ…!?……うちの国も、かなり発展してる方だって自負があったんだけど…!?」

エドがすごく微妙な顔をしてた。

…どんまい!




で、見てきたぜ。

噂の王立学院。

すっごい広くて、立派だったな!

「すぐには無理でも……サウザンド王国もいつかは…!」

おっ!

為政者魂に火がついたか?

エド、やっぱおまえ、王様のところに帰った方がーーー

「きっとウィルが頑張って成し遂げてくれると僕は信じてるよ!うんっ!」

………。

まあ俺も、ちょっと言ってみただけだ。

今更おまえが俺と離れて国に帰るはずねーよな。

「当然っ♡僕とアルは永遠に一緒だよっ♡」

それにも物申したいところは多々あるが、それよりも!

おまえ、マジで一度は帰ってウィルにちゃんと謝れよな!?

本当だったらおまえが背負うべきだった責務を弟に丸投げとか。

ヒデー兄貴だぜ、ったく。




さて。

ちょっとしたトラブルはあったが、おおむね楽しく王都観光することができた。

それで思ったんだけど。

ついでに、ここで買い物もしていこうぜ。

「なにか不足してるものなんてあったっけ?」

不足はない。

けどさぁ…

替えの服とか…

「僕もアルも着替えは十分に持ってきてるでしょ?」

そーだけど!

こう言っちゃなんだけど、サウザンド王国製の服、野暮ったくね!?

この国の人たちを見ろよ!

道行く平民階級の人たちだって、みーんななんかオシャレじゃん!

「ああ、そういえば染料技術とか紡績なんかも発達してる国だったね。その流れでデザイン性も向上してるのかも」

おまえは素材がいいから、どんな服着ててもなんとなくカッコよく決まるからいーだろうけど!

俺は、なんか、こう…

田舎者っぽい感じが前面に出るっつーかさ…

「アルだって十分カッコいいいよ♡」

おまえの俺を見る目には分厚いフィルターが掛かってそうだから信用ならん。

あと素直に、カッコいい服欲しい!

冒険者向けの、装備品とかも扱ってる店あっただろ。

あそこでもっとビシィッ!と決まった装備、整えようぜ!

「アルは意外と形から入りたがるよね」

いいだろ、別に!

「うん、僕の次元収納に入れていけば荷物にならないし。着替えを買い足しても問題はないかな」

よし!

ここらで装備一新だ!




そもそもサウザンド王国を出奔する前。隠れながらちょっとずつ準備を進めてたので。

きちんとした装備を整えられたとは言い難い。

本格的な武器防具の類を取り揃えたりしたら、なんのために?ってことになっちまうからな。

密かに出ていくためにも、ある程度は妥協するしかなかったんだ。

…結局父上にもエドにもバレバレだったんだから、まったく無意味な配慮だったけど。

んで、その時から今に至るまでの俺の装備ってのが、


・騎士団に同行した際に支給された長剣。


・そこそこ丈夫な布の服。


・旅人っぽいマント。


以上っ!


…うん。

わざわざ列挙する程のもんですらない。

スッカスカもいいとこだよ。

騎士団からは鎧も支給されてたんだけど、あれにはモロにサウザンド王国のエンブレムが刻まれてたから、さすがに使えなかったんだ。

駆け出しの冒険者としては、まぁこんなもん……かもしれないけど。

いい加減、まともな装備品にチェンジしたいよな。

なお、エドも似たりよったりの装いではあるが、こいつのはパッと見はただの旅人の服でも、裏地に防御魔法の紋が施されてたりして、実はすっげー上等な装備なんだ。

さすがは王族だよ。最高品質のものをシレッと身に付けてやがる。

俺と違って王様たちにもちゃんと断って出てきたっていうから、はばかることなく用意もできたんだろうし。

今までのところ、困ることはなかったけどさ…

無性に格差を感じるぜ…!

っつーわけで、俺もいよいよちゃんとした装備を買うぞ!


武器防具の店にやって来た。

おじゃましまーす!

入ってすぐの受付カウンターで、愛想の悪そうなおっちゃんが俺たちのことギロッと睨んできた。

「…らっしゃい。何をお探しで?」

なんかよさげな装備っ!

漠然と答える俺。

…いや、しょーがないんだよ。

この店、表のショーウィンドウのサンプル品以外は、全然商品を陳列してなくてさ。

何を置いてあるのかすら分からない。

「当然だろ。ここは武器防具の店だ。よからぬ輩にそのまま持ち逃げでもされたら大惨事の上に大損害だからな」

おっちゃんがフンと鼻を鳴らして、素っ気なく言う。

うーん、そうか…!

俺の勝手なイメージで、店内にはズラーッと商品の武器防具が陳列されてるのかなって思い込んでたんだけど。

それじゃ悪いやつに盗まれ放題になっちまうんだな。

下手したら、店の武器を脅しに使って売り上げ強盗とかされるおそれもある。

セキュリティ対策として、来た相手に応じて商品を出す、ってやり方になるわけだ。

ふむふむ。理解したぜ!

んじゃあ、改めて。

俺に合った武器防具を見繕ってくれ!

「おめぇさんに合った装備、なぁ…!?」

おっちゃんが俺のことジロジロ見てきた。

「……まず、おめぇに売る武器なんぞねぇ」

えっ。

えええええええっ!?

ひ、ヒデェ!?

もしかして金持ってないって思われてんのか!?

んなことないぞ、ちゃんと冒険者として稼いでるんだ!

エド、次元収納から金貨の袋出してくれ!

「ええい!違うわ!落ち着かねーから、んな大金仕舞っちまえ!」

えー!?

「おめぇは武闘家だろうが!素手で戦うのが一番強いやつに、下手な武器なんぞ売りつけられるか!?んなことしたら武器防具屋の名折れだわ!」

そーなのか!?

確かに、俺ってついつい剣を抜かずにグーパンで全部かたをつけることが多かったけど…

俺、剣の腕にも結構自信があるんだけどなぁ!?

「おめぇに相応しい武器ってんなら、完全に特注の専用装備になるだろうよ。拳の形に合わせてオーダーメイドするんだ。武器防具屋よりも鍛冶屋の領分だな」

おおっ…!

専用装備をオーダーメイド!

それはそれでカッコいい!

でも鍛冶屋に直接依頼して作ってもらわなくちゃいけないってことか。

「必要ならうちに卸してる鍛冶屋を紹介するぜ。仲介手数料はもらうがな」

ちなみに、オーダーメイドって完成までどれくらい時間が掛かるものなんだ?

「素材の在庫状況にもよるだろうが、まぁざっと数週間から数ヶ月ってところか」

そんなに!?

王都は面白いところだけど、そこまで長逗留するのはな…

残念だけど今回はパスだ。

じゃあ、防具!

なんかいいのあるか?

「……そうさな、ちょっと待ってろ」

おっちゃんが奥のバックヤードに引っ込んでった。

ガチャッ、ゴソゴソっ、と物音がして…

鍵付きの保管庫から商品を取り出しているようだ。

戻ってきたおっちゃんに手渡されたのは……あれっ?普通っぽい服?

なんなら今着てる服よりも手触りが柔らかくて薄手な感じだ。

デザインはカッコいいけど、これ本当に防御力あるのか?

「アホか。複数の魔法紋の縫い取りがある最上級防具だぞ」

マジで!?

「あ、本当だ。デザインに紛れ込ませてあるけど、すごく緻密な魔法紋が刻まれてるよ、これ」

魔法に詳しいエドも言う。

「武闘家にゃ金属製の鎧みてぇなのよりも、こういった布製の防具の方が合ってるんだ。動きやすいし肌感覚を鈍らせることもないからな」

なるほどー。

おっちゃん、そこで少し顔をしかめて、

「少なくとも、今おめぇが身に付けてるもんよりゃかなりマシだ。つーか、なんだそのへっぽこ装備は。いくらおめぇが強くても、そんなんで冒険を続けてたらヒデェ目に遭うぞ?」

うぐっ…!?

どストレートに言われちまった。

しょーがないじゃん。色々と事情があったんだよ。

でも、そこまで酷い目に遭うかな?

俺、大抵のモンスターはグーパン一発で仕留められるけど…

「分かってねぇな……」

深々と溜息!?

呆れて頭を振るおっちゃんいわく。

モンスターの中には属性攻撃を仕掛けてくる奴もいるし、エレメンタル要素の強く出ている特殊地帯なんかもあるという。

例えば、火属性の攻撃を食らったり、火のエレメンタルが蔓延している場所を歩いたりしたら、

「おめぇ自身は鍛えてて無事でも、そんな服じゃ一瞬で燃え尽きるぞ。あっという間にマッパのストリーキングの出来上がりだ」

ブッ!?

俺は盛大に噴いた。

すぐ横ではエドが堪えきれずに笑ってやがるけど。

…笑い事じゃねーよ!?

あ、危ねーとこだった…!!!

今までその手のモンスターにエンカウントしてなくて、助かったぜ…!

俺は即、おっちゃんお勧めの防具の購入を決めた。

シャツとズボンの上下。あと揃いのデザインでブーツも新調したぜ。全部魔法紋入りのハイクラス防具だ。下着類は普通のものでも問題ないという。

お値段、しめて金貨380枚。

そこまで高くない……って一瞬思ったけど、ちょっと待てよ。

金貨1000枚で一億円くらいって前にエドが言ってたから、そのレートで換算すると、3800万円!?

めちゃ高い!

いや上等な防具って考えたら、これくらいで普通か!?

どっちにしろマッパになる危険とは引き換えにできねーから、購入するっきゃないんだけどさ…!

あ。

そういや、マントは?

マントだって今のやつじゃ心許ない。なんかあったらすぐダメになっちまうんじゃ。

「武闘家にんな無駄なオプション装備はいらねーだろ」

えー!?

そんなこと言わずに、おっちゃん!

旅する冒険者には必要だろ!?

なんか、こう……旅人っぽくて!

食い下がる俺に、なかなか売ろうとしてくれなかったおっちゃんもついには根負けして商品を出してくれた。

愛想の悪かったおっちゃんが、初めて笑って、

「おめぇさん………かなり強いだろうに、アホなんだな…」

とか言われた。

…うるさいやい!




店の外に出ると、すっかり日が落ちていた。

夜だ。

でもそこまで暗くない。

メインストリートには等間隔で街灯が設けられており、煌々と夜道を照らし出していた。

ここもサウザンド王国、負けちゃってる…

ま、まあ今は、明るくて歩きやすくて助かる。

「いいお店だったね。ちゃんとアルの力量を見極めて商品を出してくれたし、価格も良心的でさ」

宿屋への道をのんびりと歩きながら、エドが言った。

少し首を傾げる俺。

いい店だったってことには同意するけど。

追加で購入したマントが金貨160枚だったから、合計で540枚。前世の日本円に換算すると5400万円だ。

これ、安くはないよな…?

「品質を考えたら、安い方だと思うよ。魔法紋のある武器防具って値段が跳ね上がるんだから」

そうなのか!?

「……本当に僕がついてきてよかった。アル、ひとりで冒険者になってもやっていけなかったんじゃ?」

ううっ…

不勉強で物知らずなのは、悪かったよ…

鍛えて強くなればどーとでもなる!って単純に考えてたからな、俺。

まあエドが一緒じゃなかった場合、他の誰かとパーティ組んで同じように世話になってたんじゃないかなって思うけど。

…んなこと正直に言ったら、臍を曲げられるな。

それに、たぶん他の誰かじゃエドほど親身になってはくれなかっただろう。

ここは素直にありがたいと思っとこう。

おまえが仲間で本当によかったよ、エド。

「アル…♡」

…だからぁ!?

そーいうのはやめろっての!

言ったそばから感謝したくなくなるだろ!

「ふふふ。まあいい買い物ができてよかったよね」

うん。

だけどエドは残念だったな。

おっちゃんに「それより上等な装備品なんぞ扱ってねえ」なんて言われて、結局何も買わずに終わっちまって。

「仕方ないよ。うちの宝物庫からそれなりのものを持ち出してきたから。むしろこれで市井の武器防具屋の商品に負けちゃったりしたら、うちの宝物庫って実はガラクタ箱?なーんて疑うところだ」

おお…

それは確かに。

ってことは、おまえの装備もかなりの防御力があるんだな。

どこに行っても、うっかりマッパになったりしない?

「ないよ。……ふふっ」

よし!

なら、冒険できる範囲が広がるな!

火のエレメンタルが充満してるダンジョンとか……おっちゃんが話ついでに教えてくれたから、そのうち行ってみたいぜ!


俺たちは宿屋についた後も、次はどこに行こうかと楽しくしゃべり続けた。

明日もまた、気ままで楽しい冒険の日々だ。


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