回収、神様ボディの郡 遠弥!
競馬場に、緑色の炎柱が立ち昇った。
リィンシーに逃げられ、神の力を失い。
満面の笑みで、ザラメとデウスに詰められてから数十分。
「こってりしっかり締められた郡さんが、こちらになりま〜す☆」
「ん゙ん゙〜!!」
ザラメにこれでもかってぐらい燃やされ、ウェルダンどころか黒焦げにされた俺は、デウスに俵担ぎされていた。
「少しは大人しくできんのか、君は……」
逃げられないよう、デウスに全身をガムテープでぐるぐる巻きにされた俺。
身体をくねらせるだけの芋虫状態だ。
口も塞がれているせいで、懇願は無意味な叫びと化す。
そもそも暗示をかけていたせいで、周りの人間は気づきもしない。俺の悲痛な抵抗は、無情にも客席に反響するだけだった。
家に着くや否や、リビングの壁際へと雑に投げ捨てられる。
焼けた身体をフローリングに打ち付け、痛みに悶える俺を、デウスは上から睨めつけた。
ドス黒いオーラが悍ましい。
「さて、青年よ……私は今、大っっ変機嫌が悪い」
は。
「先ほど君が浴びたザラメちゃん☆ファイア……私が普段身に受けているものと比べ、地脈が2.75倍濃密なのだ」
「っ?!」
言うとデウス。
重力を味方に勢いよく膝をつき、俺の肩を握る。
壁に背をつける体勢になり、逃げ場がねぇ。
「ズルい!! 私も浴びたかった!!!!」
「んん!?」
黒くなった服越しに、指の力が加わってくる。
痛い痛いっ!
指めり込んでんじゃねーの?! 肩の骨が割れるって!!
ザラメは冷めた目で見ているだけだし、何故かサンタの格好をしていたコスズは別の部屋に引っ込んじまった。
俺が一体何をしたっていうんだ。
おいおいと滝のような……いや、滝そのものの涙を流しやがるデウス。
それでも飽き足らず、脚を掛けてのしかかり……胴体に高速で顔を擦り付けてきた!!
「ん゙ゔぅうう!?」
「ザラメの予熱を!! 残り香を!! せめて堪能するのだ!!!!」
「ん゙〜!!」
摩擦でいてぇよ!! 乾布摩擦もびっくりの速さじゃねーか!
首を横に振って抗うも、デウスは意に介さず頭を上下してくる。次第に蕩けていく表情が、上ずっていく声音が、上限突破なデウスのテンションを物語っていた。
「肥えた大地のようなぬくもり、焦げた芳醇な香り……ザラメを感じるぅ!!」
俺の声帯で気持ちわりぃこと言うなや!!
「ああ、なんと緻密な焦げ目……美しい……!」
「んふぅ?!」
「This is Edenスゥハァスゥハァ……!」
首筋の焦げ目をなぞる指の感触に、ぞわりと悪寒が走る。
かと思えば、またも豪速で頬擦りしてくる。
たしゅけて! たしゅけて!!
だが現実は非情。
野郎2人の惨状を、ザラメは遠くで眺めながら。
いつも通りの調子で、さらっと告げる。
「郡さぁん。絵面がいかがわしいので、モザイクかけといてください」
俺より絵面の心配かよぉ!!
「デウスさんの奇声も、合成音声みたいにできます?」
よりいかがわしいわ!!




