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THE WORLD  作者: 深海
15/17

15話

新キャラ、デビットの登場となります。

「貴方は、『現実わたしたち』に協力したいのかしら?」

「やはり、『現実の子』、ですね?」

「ええ。」

彼はほっとしたように目を細め、やや独り言のような調子で口を開く。

「私は、『現実の子』達を支援しようと考えました。ですが、恋人以外には出会えなかった。正確には私自身は。情報は入ってくるのに。」

情報?なにかしら?

「実は、私は家族がいた場所に対となった『現実の子』が死亡した際に孤児になりました。その後、都市伝説の様なもので『現実の子』についての話や現象があり、それがあまりにも状況に酷使していて、しかも研究している人もいるという事で連絡を取ったところ、人数は本当にいないんですが、私の様に『夢』などの世界への影響などを認識できる人などもいて、支援している人もいたのです。その時はまだ私はなぜ家族が消えたのかを追う事を前提としていましたが、数年前に恋人の事があってからは・・・。」

協力者として動こうと思ったのね?ただ『現実の子』もそうそう出てこないからそれまでは情報集めそしていたと・・・。

流石に驚きが顔に出かけたわ。

父の様な事をしている人が他にもいたなんて・・・。

父も彼らと出会えていたら・・・。

ここで終わった事と、考えるのをやめて彼に向き直った。

「協力してくれるのかしら?」

唐突であった私の言葉にデビットは目を見開き、一泊置いてゆっくり大きく頷いた。

ああ、これでバルドの身の安全は確保できるかもしれない。

そんな事を想っていると、デビットは膝立ちからしりもちをついた。

あら、辛そう。忘れていたわ、ごめんなさい。

手を差し出すと苦笑いをしながらよろめきながらも立ち上がる。

「あたしはアーシア。あと・・・、もう1人同行している『現実の子』がいるわ。」

「他にも無事だったのですね?」

嬉しそうに微笑むデビット。

うーん、バルドと2人旅になったら大丈夫かしら?

何だか、人が好さすぎる感じがするわ。

そんな事を考えながらも、まあこれから何とかするしかないと思いながら頷き、発電機の事を告げてきた道を歩きながらも『現実の子』の事をどの程度知っているかなどのすり合わせを始めた。

内容としては、バルドに話した程度の事に少し毛が生えた程度しか知らなかったけど。

でも重要な事の方をわずかでも知っていた。

これなら少しはバルドに現実を見せられるかもしれない・・・。

そんな事を考えてるうちに発電機のところまで戻ってきていた。

さて、最後の電源スイッチレバーを倒すところだったのよね?

先程の場所に立ち、一気にレバーを動かすと低い音を立てて起動していき、すぐ頭上や周りの電気がついた。

・・・バルドを連れてきても良かったかもしれないわね?



「さて、戻りましょう。」

「そうですね。」

バルドが1人でいきなり電気がついてあたふたしていそうだし。

そう思い足早に来た道を歩き出して少し下頃、大きな銃声と岩の崩れる音がして足が止まる。

この気配は・・・『夢』?バルドの方に出たのね?

「貴方!」

「急ぎましょう!」

察しがいいわね?バルドなら・・・ワタワタしそうだわ。




元の入り口付近に走り込んだ瞬間に目にしたのは消滅して粒子になっていく『夢』だった。

撃退できたのかしら?ここにいるのは核タイプの様だし。

考えながら周りを見るがバルドの姿がないので腰に引っ掛けたトランシーバーを手に取りボタンを押し起動するのを見届けるとマイク部分に声をかける。

「生きてる?」

使った事がないのでどんなものかと低めの声で尋ねると、息も絶え絶えといったバルドの声がスピーカー部分から発せられた。

〈電気がついたと思ったら目の前に奴が浮いてたんだが・・・。どうなってる?〉

別に電機は関係ないんだけどと返しながら、倒れた1体だけだったと聞き、安堵する。

同時に思いついて口を開く。

「ちょうどいいわ、そこから下に先に行ってて頂戴。追いかけるから。」

〈いや、また出てきたらどうするんだ?〉

「ここは核のあるタイプばかり見たいだから、とりあえずぶっ飛ばしていいわ。あと別のが来たら特訓の成果をよろしく。」

これ以外言う事は出来ないが、多分ここは核のあるタイプしか出てこない。

なにせここは遺跡近くで地下なのだ。

基本地下の『アーチ』には核のあるタイプが主流だと聞いた。

そもそも『アーチ』付近がである。

これには理由があるのかもしれないが現在不明なままなので確信はないが、浮遊特化タイプはそもそも『アーチ』の近くではその余波が毒になるらしく、物理的核のあるタイプが配備されているとも言われているし・・・。

「今の声の方が?」

横で会話を聞いていたデビットがトランシーバーを見つめながら話しかけてくる。

「ええ。基本女性しかいないはずの『現実の子』ではかなりのイレギュラー。男性の『現実の子』よ。どうも母親がかなり強い血統の持ち主だったみたいね。」

そんな事があるのかと不思議そうにしながらも懐から手帳を引っ張り出してメモしている。

やはり根っこは学者だわ。

在りし日の父を思い出しつつも、フッと口を開く。

「だから、いざとなったら、私より彼の支援を優先して頂戴ね?」

トランシーバーをベルトに引っ掛けながら言葉を投げかけると沈黙が広がっていく。

どうしたのかしら?

デビットの方を見ると目を見開いて固まっている。

「どうしたの?」

「貴方は?」

「私も生き残るけど、少し考えがあるのよ。」

だから先ほどまで考えていた『現実の子』をバルドと共に増やしながらの旅について説明していくと、デビットは首を振って止めてきた。

男性2人旅が嫌だったかしら?

冗談めかしてそう言えば、更に首を振って口を開いた。

「その強い血統を残すという事と計画そのものは非常に有効です。望むべき事です。しかし、貴方はどうなるんですか?私は『夢』を遠ざける力があるのでしょう?」

「ええ、だから彼と同行してほしいのよ。どうも彼はいまいちこの戦いの危険性とかが分かっていないから。ああ、教育は数年でしっかりしていくつもりだから安心してね?」

「貴方も同行した方がいい。その方が効果も得られます。」

ああ、この人はやはり随分お人好しで、善良で・・・。

使命感。

父とは別の意味で使命感に溢れているわ。

あの人は、確かに『現実の子』の戦いの為といっていたけど、結局はその研究は“わたし”の安全の為だったのよね。

でもこの人は、すべてにその使命感が働いているの。

もしかしたら、血縁に『現実の子』がいない場合の『干渉者』や『適正所持者』の協力者はこんな感じの人が多いのかしら?

でも、それはそれでいい事ではあるけど、そこまで戦況は甘くないのよ。

「それでは効率が悪いんだけど?」

「だとしてもです。」

そして石頭も多いのよね。

柔軟な思考力がないと学者は務まらないとか聞いたことあるけど、何故か。

でも、まあもめるなら私としては落しどころを示すしかないわね。

「じゃあ、約束をしてくれるかしら?」

「何でしょう?」

「協力してくれる貴方の意志がそれなら、従うべきね。ただこれだけは。」

デビットの眼を見て口を開く。

「私が不味くなった、または戦況が悪くなった場合はためらうことなく彼を連れて脱出する事。決して振り返らずに。むしろ彼を律して。」

これが言えるほど、というか上から目線になっていい立場じゃないのは分かってるんだけど、私達も命懸けだし、利用できるものは利用したいのよ。

分かってほしいとは思わないけど。

そんな思いを、目をスッと細めたデビットは1度視線を外し、すぐに私を見て口を開いた。

「分かりました。でも、そんな事にはさせませんよ?貴方も、もう1人の方も。私はもう、彼女の様な死に方をする『現実の子』を増やしたくはない。」


本当にお人好しなのね。

でも、だから私達も救われているのね?

そう思いながら、私達も地下へおり始めた。

また間は空きますが他の作品と共に少しずつ更新させていただきますので、

よろしくお願いいたします。

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