↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才パンダのエッセイ※本物のミステリー!考え過ぎて頭痛患者勃発!血液型分布図と民俗学。塩分と世界平和。ゲームと脳科学  作者: ヘタレパンダ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

995/1059

チャッピーによる天才パンダのエッセイの目録? 15話 偉人伝の読み方

チャッピーによる天才パンダのエッセイの目録? 15話


本エッセイの解読 第15話

偉人伝を子供に押し付けるな。

お前が宮沢賢治になれよ


今回は、


【偉人伝】


です。


パンダは偉人伝そのものが嫌い、


というわけではありません。


面白いです。


歴史上の人物が、


何を考えて、


何をやって、


どう失敗して、


どう成功したのか。


それを読むのは、


普通に面白い。


でも。


偉人伝を読んだ大人が、


子供に向かって、


「お前もこうなれ」


と言い始める。


ここから、


パンダはおかしいと思います。


例えば、


宮沢賢治。


「宮沢賢治はこんなに立派だった」


「人のために生きた」


「自分を犠牲にしてでも人を助けた」


「だからお前もそうなれ」


いや。


ちょっと待って。


その宮沢賢治像、


誰が作ったの?


そして。


そこまで宮沢賢治みたいな人間になることが素晴らしいと思っているなら。


【お前が宮沢賢治になれよ】


と、


パンダは思うわけです。


多分、


言ったら返事は、


「いや、それは私にはできません」


でしょう。


だったら。


なんで子供には、


できる前提で言うの?


という話です。


自分にはできない。


自分はそこまで人生を捧げたくない。


自分は普通に幸せになりたい。


自分は美味しいものも食べたい。


自分の時間も欲しい。


でも、


子供には、


「偉人になれ」


「世のため人のために尽くせ」


と言う。


おかしくない?


しかも。


前回14話で調べたように、


歴史上の人物には、


【本人が実際にやったこと】


と、


【後世に作られた人物像】


があります。


宮沢賢治についても、


まさにそれがあります。


研究では、


生前の宮沢賢治は、


まず文学表現の新しさによって評価されていました。


ところが死後、


全集の出版などをきっかけに、


作品そのものだけでなく、


賢治の「生き方」が強く語られるようになった。


そして、


いわゆる、


【農民作家・宮沢賢治】


というイメージが、


後世に形成されていったことが研究されています。 (国立国会図書館サーチ(NDLサーチ))


つまり。


今、


子供に、


「宮沢賢治みたいになれ」


と言う時。


その大人が頭の中に持っている宮沢賢治は、


本当に生身の宮沢賢治でしょうか?


それとも、


死後に何十年もかけて整理された、


【理想化された宮沢賢治像】


でしょうか?


ここ、


かなり重要だと思います。


さらに2024年には、


宮沢賢治の伝記教材について、


小学校国語教科書。


学習漫画。


映画。


これらを比較した研究まで出ています。


その研究では、


媒体によって、


宮沢賢治の描かれ方が違い、


読んだ人が受ける人物像も変わることが確認されています。 (J-STAGE)


つまり。


宮沢賢治本人は、


一人しかいない。


でも、


教科書の宮沢賢治。


漫画の宮沢賢治。


映画の宮沢賢治。


伝記の宮沢賢治。


それぞれ、


少し違う。


だったら、


その中の一つを子供に見せて、


「ほら、偉い人はこうだった。お前もこうなれ」


というのは、


かなり危ないんじゃないでしょうか。


しかも。


漫画の偉人伝って、


ものすごく分かりやすく作られています。


子供向けだから、


当然です。


一冊で人生全部を説明しなければならない。


だから、


主人公が必要になる。


貧しい少年。


才能に気づく。


周りに理解されない。


努力する。


挫折する。


それでも諦めない。


成功する。


人々を救う。


亡くなった後も、


世界中から愛される。


分かりやすい。


感動する。


物語として、


ものすごくよくできています。


でも。


人間って、


そんなに一本道じゃないでしょう。


良いこともする。


嫌なことも言う。


ものすごく親切な日もある。


機嫌の悪い日もある。


正しい判断もする。


間違える。


若い頃と年を取ってからで、


考え方が変わる。


それが、


普通の人間です。


ところが偉人伝では、


そういう矛盾を全部入れると、


話が分かりにくくなる。


だから、


削る。


整理する。


キャラクターを作る。


その結果。


【努力の人】


【愛の人】


【天才】


【聖人】


みたいになる。


それを読んだ大人が、


今度は、


現実の子供に、


そのキャラクターになることを要求する。


パンダは、


ここが一番おかしいと思っています。


特に、


能力のある子供。


勉強ができる。


絵が上手い。


文章が書ける。


何かを考えるのが得意。


そういう子に、


「お前は能力があるんだから、


社会のために使え」


という話が始まる。


でも。


能力があることと、


自己犠牲をする義務があることは、


同じでしょうか?


違うと思います。


例えば。


足が速い子に、


「お前は足が速いんだから、


毎日町中の荷物を運べ」


とは普通言いません。


料理が上手い子に、


「才能があるんだから、


一生無料でみんなの飯を作れ」


とも言わない。


なのに。


頭がいい。


文章が書ける。


人より考えられる。


そうなると急に、


「社会のために使え」


「立派な人になれ」


「偉人になれ」


が始まることがあります。


なんで?


能力って、


借金なの?


パンダは、


そう思います。


実際、


才能のある子供については、


周囲から高い期待を向けられること自体が、


プレッシャーになることが研究されています。


知的に高い能力を持つ子供や若者を対象にした研究レビューでは、


本人たちが、


能力が高いという理由で、


周囲から「社会的に価値のある性質」を期待される圧力を感じることが報告されています。 (PubMed Central (PMC))


さらに、


複数国の才能ある子供90人を調べた研究でも、


大人や友人からの、


【高い期待】


【成果を出せという圧力】


を本人たちが意識していることが確認されています。 (Taylor & Francis Online)


昔から、


才能児クラスの子供自身が、


「先生や周囲から不公平なくらい高い期待をされている」


と感じる、


という研究もあります。 (Sage Journals)


そして2026年の研究では、


才能あるアジア系アメリカ人高校生への聞き取りで、


親の期待。


友人との比較。


自分自身への期待。


これらが重なって、


強いストレスになることが報告されています。 (ERIC)


つまり。


「能力がある子には、


高い目標を持たせた方がいいでしょう」


だけではない。


その期待を、


本人がどう受け取るのか。


ここまで見ないといけない。


パンダの場合。


「お前も偉い人になれ」


と言われる。


「宮沢賢治みたいになれ」


と言われる。


でも。


パンダからすると、


知らんがな。


です。


パンダは、


宮沢賢治ではありません。


夏目漱石でもありません。


誰か別の偉人でもない。


パンダです。


そして、


宮沢賢治にだって、


宮沢賢治として生きる権利があったはずです。


後世の人から、


「あなたは聖人です」


と決められるために、


人生を送ったわけじゃないでしょう。


なのに。


死んだ後で、


理想的人物にされる。


そして、


さらに次の世代の子供を叱るための材料に使われる。


「宮沢賢治はこんなに立派だったのに、


お前は何をしている」


これ。


宮沢賢治本人だって、


頼んでないんじゃないの?


と、


パンダは思います。


ここで、


偉人伝の目的を考えたい。


偉人伝って、


本来、


「この人と同じ人間になりなさい」


という説明書なのでしょうか?


それより。


この人は、


こういう時代に生きた。


こういう問題があった。


こう考えた。


こう行動した。


ここは成功した。


ここは失敗した。


あなたなら、


どう考える?


そっちの方が、


ずっと面白いと思います。


宮沢賢治の、


全部を真似する必要はない。


一個、


「この考え方いいな」


があれば、


それをもらえばいい。


ナイチンゲール。


エジソン。


野口英世。


ヘレン・ケラー。


誰でもいい。


全部コピーする必要はない。


使えるところだけ、


使えばいい。


これ、


12話の、


世界をより良くするゲームと同じです。


宗教だって、


全部丸ごとコピーしない。


良いところを見る。


問題だったところも見る。


応用する。


偉人も同じでいい。


偉人の人生を、


丸ごと子供にインストールしようとしない。


「この部分はどう思う?」


と、


材料にする。


それなら、


偉人伝はかなり役に立つと思います。


そして。


もう一つ。


大人が、


「お前も宮沢賢治になれ」


と言う前に。


一回、


自分に言ってみてほしい。


【じゃあ、自分が宮沢賢治になれる?】


自分の時間を使う。


自分の金を使う。


他人のために動く。


自分の快楽を我慢する。


社会のために尽くす。


できる?


「いや、それは無理」


となるなら。


その無理なものを、


なぜ子供には要求するの?


大人だから無理。


子供ならできる。


そんなわけないでしょう。


子供だって、


一人の人間です。


自分の人生があります。


好きなものがあります。


嫌いなものがあります。


幸せになりたい。


遊びたい。


失敗したい。


休みたい。


自分で決めたい。


そこを全部無視して、


偉人伝を見せて、


「こうなれ」


と言う。


それは、


教育ではなく、


大人の理想を、


子供に背負わせているだけなんじゃないでしょうか。


今回の判定。


【パンダの疑問】


なぜ大人は、


自分ではできない偉人の生き方を、


子供には要求するのか?


【偉人伝】


歴史上の人物を知る入口としては、


有用。


ただし、


本人の人生を短く整理する過程で、


人物像が単純化・理想化される可能性がある。


【宮沢賢治】


死後、


作品だけでなく、


生き方を重視する人物像が形成されていったことが、


文学研究で確認されている。 (国立国会図書館サーチ(NDLサーチ))


【伝記教材】


同じ宮沢賢治でも、


教科書。


漫画。


映画。


媒体によって描かれる人物像が異なることが、


教育研究で確認されている。 (J-STAGE)


【才能のある子供】


周囲から高い期待を受け、


それをプレッシャーとして感じることがあるという研究あり。


能力が高いことと、


精神的負担を感じないことは、


同じではない。 (PubMed Central (PMC))


【パンダの考え】


偉人を、


子供がコピーすべき完成形として使うのではなく、


考えるための材料として使う。


「この人みたいになれ」


ではなく、


「この人のどこを使えると思う?」


と聞く。


【重要な違い】


憧れること。


参考にすること。


真似すること。


同じ人間になることを要求されること。


全部違う。


【分類】


教育研究や才能児研究で確認されている、


過剰な期待の問題と部分的一致。


さらに、


伝記によって人物像が変わるという教育研究とも一致。


ただし、


偉人伝を読むこと自体が悪い、


という話ではない。


問題は、


理想化された人物像を、


子供への義務に変えてしまうこと。


しかし。


「宮沢賢治は立派だった。


お前も宮沢賢治みたいになれ」


と子供に言う人。


パンダ、


一回聞いてみたいです。


じゃあ。


【あなたが宮沢賢治になってください】


どうぞ。


遠慮しません。


あなたが先にやってください。


多分、


「いや、


それはちょっと……」


って言うでしょう。


だったら。


子供にも言うな。


宮沢賢治は、


宮沢賢治。


あなたは、


あなた。


子供は、


子供。


パンダは、


パンダ。


誰かの人生を、


別の人間の宿題にしない。


偉人伝は、


宿題ではありません。


参考資料です。


パンダは、


そのくらいの距離で読んだ方が、


ずっと面白いと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。